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[日記](読書) ローンガール・ハードボイルド(コートニー・サマーズ) [日記]


米国作家、コートニー・サマーズのエドガー受賞作品、
「ローンガール・ハードボイルド」を読んだので感想と記録。

原題は「SADIE」。この小説の主人公でコロラド州のトレイラーハウスに住む
19歳の女の子、セイディ(吃音あり)。

コロラド州の田舎で少女(当時13歳)の死体が見つかり、状況から事故死と
判断されるが、姉=セイディは失踪した父親がこの事件に絡んでいると考え
父親を探すために旅立つ。この辺りはまさに「ローンガール」。

吃音でコミュニケーションに苦しみつつも、幸運や不運もありながら
何とか失踪した父親をみつけ・・というストーリーと
トレイラーハウスで保護者的な(祖母的な)女性からの連絡を受けた
ラジオのDJが、セイディを探すストーリーが同時進行していく。

結果、セイディは父親を見つけ、その道中で少女を食い物にする
父親の友人の罪を暴き(通報したのは、旅で知り合った友人)、
自身も父親から虐待されていることも判明し、
果たして妹に父親は何をしたのか、が・・・・なんだけど
最後だけがはっきりしない。
ちなみにセイディの生死も、結局どうなったかも良くわからない。

そういうセイディの生きざまは、まさに「ハードボイルド」ですね、たしかに。

ただ、エドガー賞を受賞するほどの作品か、という意味ではちょっと
物足りない気もするけど、DJが事件を、番組を通じて
追っかけていくという展開は新しい感じで、良かったですね。

もっとラストや事件がはっきりすれば・・と個人的には思いますけど。
まぁ、悪くはない作品かな。。。






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[日記](読書) 交霊(ラーシュ・ケブレル) [日記]


ラーシュ・ケブレルのヨーナ・リンナシリーズの第3弾「交霊」を読んだので
感想と記録。

「催眠」「契約」とつづいて「交霊」。潔いタイトルなんだけど、
どっちかというとタイトルに肩透かしを食らうシリーズだとおもうし、
この「交霊」なんかはまさにそうだと思う。

このシリーズはシリーズを重ねる度に事件はありふれた小説になっていくのだが
ヨーナ・リンナという国家警察のキャラが際立っているので
それで既に勝っている。

今回は何らかの事情支援が必要な10代の少女を支援する民間の施設が舞台。
そこで働く初老のワーカーと少女が撲殺され、一人の少女が行方不明になる。
行方不明の少女は途中、幼児をさらい逃走するが、死亡したとみられる。

事件はストックホルムから数百キロ離れたスンツバルだが
残虐性から国家警察(ヨーナ・リンナ)がオブザーバとして事件捜査にあたる。

ここまでで交霊とは全く関係なく、
このあとも、インチキ交霊師が要所ででてくるが、結局のところ
「交霊」そのものはどうでもよく、この交霊師と、施設の関係性が後々
事件解決に大きく絡んでくる。

正直、施設のソーシャルワーカーと、交霊師の関係はあからさまに付けたしというか
なんというか、だし、施設絡みの事件はありふれた主題だと思うので
今回の事件(プロット)は、ハラハラドキドキは薄かったが、

それよりも、ヨーナ・リンナの過去が少し明らかになるので
そちらの方がこの作品にとっては重要だと思う。

今まで、チョイチョイでてきた妻子、そして恋人との微妙な関係の理由が
ほんの少し語られ、いよいよ、ヨーナ・リンナの因縁が明らかになる・・のかな?
次作では。

うーん、やめられない。
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[日記](読書) 過ぎ去りし世界(デニス・ルヘイン) [日記]


デニス・ルヘインの刑事コグリンシリーズの3部作目、「過ぎ去りし世界」を
読んだので感想と記録。コグリンシリーズと言っても、第1作目のダニーは登場しないし
そもそも、ボストン警察の話でも、組合(ストライキ)の話でもない。
今作でも主人公のコグリン家(トム、ダニー、コン、そしてジョー)の話でもない。
今作は完全に3兄弟の末っ子、ジョーを中心としたクライム小説。
ダニーやノラの近況もない(ほんの、ほんの少しでてくるけど)

前作でタンパの裏業界を仕切っていたジョーは、諸々あり、その座をボストン時代からの
友達(幼馴染で、悪友でもあり、裏切られてこともある)のディロンに譲る。
正確にはイタリア人のディロンに地位を譲ることを条件に生き抜いた。

ジョーは顧問として組織に残り、息子と共に組織の「表の顔」として
タンパに君臨していたが、ジョーの耳に自身の暗殺計画を知らされるのと
自身が経営している店が、警察に抑えられ経営へのダメージが拡大していく。

ボスの座に就いたディロン、顧問であるジョー、そして新たな幹部として名をあげた
"リコ(弟)"と"フレディ(兄)"の兄弟で誰が密告者なのか?この事態を乗り越えようとするが、
ジョー自身はストレスから"幽霊"をみたり、愛人でもある市長の妻との新たなビジネスだったり
密会(恋愛)&別れがあったりしながらも、自身の暗殺日が近づいてく・・・

正直、第1作目が面白くて読んでいるシリーズなので、今回の展開というか
2作目の純粋な続編に対する「期待感」は薄かったし
面白い展開ではあったけど、だったら、ドン・ウィンズロウの作品の方が
ハラハラドキドキさせられたり、スケール感も大きいので
クライム小説としてはそちらの方が上かな、と思う。

けど、最後の展開は見事というか、全ての伏線が一つに集結して
まさにジョーの物語が終わったのは見事でしたねー。

ボストンの、ストライキで兄たちに助けられたジョーが
まさか、タンパ、そしてキューバ(ハバナ)で、というのは感慨深いというか
凄い話になったなぁ、という素直な感想。

ただ、あくまでこの作品(シリーズ)の主人公は、ダニーとノラだと思うので
できれば、ダニーとノラの物語でシリーズを完結して欲しいんですけどね。
今のところ、その予定はなさそうなのかな。。。。


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[日記](読書) あの本は読まれているか(ラーラ・プレスコット) [日記]


アメリカ人作家・ラーラ・プレスコットのデビュー作で、エドガー賞新人部門に
ノミネートされている(とのこと)、「あの本は読まれているか」を読んだので感想と記録。

この本自体の内容を全然知らず、またこの本が題材にされている「ドクトル・ジバゴ」も
知らなかったが、小説自体はソコソコ面白かった(大変失礼かもしれない)。

ソコソコというのは、恐らく小説或いは映画になった「ドクトル・ジバゴ」の内容を
知っていた方が、何倍も面白いのではないかと思ったので。
小説自体は読みやすく、私が展開を全く知らなかったということもあり
最後まで落としどころが良くわからず(いい意味で)、トントンと読むことが出来た。

第2次世界大戦終結後のアメリカとソ連が舞台でアメリカ側では、
CIAが暗躍し始めている。
一方、ソ連では「ドクトル・ジバゴ」の執筆が進み、作家と愛人、特に愛人が
小説家の反国家の罪で収容所に収監されたり、小説の執筆と発刊の物語りが平行して
語られている。そしてこの小説が面白いのは、名もなきCIAタイピストと呼ばれる
女性陣(要は速記者)目線で語られたり、CIAのスパイ目線で語られたり、
色々な目線で物語が進んでいくので、そのあたりは面白かった。

最後はハッピーエンドだったのか、「ドクトル・ジバゴ」って結局どんな作品?とか
私のは中ではモヤモヤしているものがあったり、
愛人の家族が悲しい結末だったりするので、ちょっと悲しいかな、と。

史実に基づいている部分もあったり、フィクションだったりするのだろうけど
単純にミステリーとして読むと肩透かしな感じかなぁ。
スパイ作品としてもスパイ行為そのもののトリックとかはあまり深くないし。

でも、内容に共感できる人は絶賛という気持ちも分からなくもない
実際、(ソコソコ)面白かったし。

アメリカ文学って、デニスル・ヘインもそうだけど
個人にとって大事な作品だけど、エンタメとしては微妙という作品があります。
このあたりはエンタメで大人気の北欧ミステリーとは一線を画しますね。

ただし、私の場合、この作品は「大事な作品」にはならなかった。残念ながら。


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[日記](読書) 死神の棋譜(奥泉光) [日記]


個人的には全くささないのに、チェスや、将棋を題材にした小説はツイツイ読みたくなる。
この作品も「死神の棋譜」といういかにも面白そうな、しかもダーク系な感じがするし
ネットの評価もそこそこよくて、読んだみたので感想と記録。

奥泉光さん自体は正直よく知らない。多分、恐らく本作品以外も読んだことがないと
思う。国内で受賞歴もあるので、結構人気作家さんなのかもしれない。

いきなり、羽生さんや森内さんのような実名が登場して「おおっ」と思うところで
「魔の図式」なる一見「不詰め」の詰将棋が登場する。

そこから、この「魔の図式」にまつわる失踪した元奨励会・棋士をめぐり
同じく元奨励会で現在ライターをしている主人公が、
失踪した元奨励会の棋士や、謎の宗教団体だったり、過去と現在の謎が絡み合って
途中までは非常に面白い。現実なのか、ホラーなのか、はたまた
海外をまたいだ犯罪小説なのか、一気に読むことができた。

・・・・が、最後が・・・、そもそも途中から登場する女流棋士がもったいなく
最後も・・・結局それかい・・・という。
登場からしてあからさまだし、設定も分かり易いし、「だよね」という感じ。


これが北欧ミステリーだったら、もっとプロットが複雑だったりして
この女流棋士もサクっと「波」に飲み込まれて、読者が混乱、カオスに陥って
大犯罪小説になって、年内最高のミステリー小説になった気もするし
もっとホラーにしていたら、「リング」のような傑作シリーズになったきもする。

作家さん自体が、そこにあえてもっていかなかった気もする。
逃げではないと思うけど、
結果、勿体ない、日本人作家らしい、日本の一部のファンに読んでもらえれば
イイ的な、作品というか。

残念かなぁ。


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[日記](読書) 契約(ラーシュ・ケプレル) [日記]


「催眠」をはじめ、人気北欧ミステリ作家・ラーシュ・ケプレルの第2弾ミステリ
「契約」を読んだので感想と記録。

主人公は1作目の「催眠」同様、スウェーデン国家警察の切れ者刑事、ヨーナ・リンナ。

前作は催眠療法の第1人者だったり、その患者だったり、そもそも惨殺された一家だったり
その生き残った長女だったり、次男だったり、もうとりあえず広げました!的な作品で
北欧ミステリらしい、残虐シーンもてんこ盛りで、ちょっとなあ・・という感じ。

ミステリの後発作品ということもあり、なんか読んだことあるぞ・・という
テクニックやトリックだったり。

今回は意外に普通で、評価されているようにジェットコースターみたいで展開が早いが
「銃声が聞こえた」という表現で誰が撃たれたのか分からない表現がいくつか、
またしても死体が実は違う人、とか、使い古されたテクニック的が盛り沢山だったり
ストーリーが整理された分、ちょっと、「安っぽい」作品になっていると思う。
「写真」や「パガニーニ」という題材は良かったのに、なんか最後(犯人)は
やっぱり1作品目同様、安っぽいなーという感じ。途中までは面白いのに。
この辺りも1作目と同じな感じ。「催眠」だったり、まさか生き残った長女が?
やっぱり次男が?とか思ってたら、なんだそこかー、というオチと同じ。

とはいうものの、2作目も十分面白いし、主人公ヨーナの魅力が徐々に引き出されて
いたりするので悪くないシリーズだと思う。・・が、
恋人っぽい人や、娘っぽい人の意味ありげな感じは
いかにもこの作家(といっても一人じゃないのだが)の得意技というか、
これまた使い古されたテクニックというか。

読む人によっては好き嫌いが分れそうなシリーズであり、作家さんですかねぇー

でも、3作品目も読んじゃうんだろうなー・・・

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[日記](読書) 夜に生きる(デニス・ルヘイン) [日記]


「運命の日」の続編、デニス・ルヘインの長編作品「夜に生きる」を読んだので
その感想と記録。

読む前に本作品がコグリンシリーズであることは認識して読んでいたのだが
今回の主役が、コグリン家の三男で、最も長兄ダニーに憧れていた
ジョゼフ(ジョー)というのには驚いた。
時代はダニーがボストンを去ってから10年近くたち、ジョーは大人になっているが
なんと職業は「無法者」。父はボストン市警の重役、長兄ダニーは元市警だし
次兄コンも事件前までは地区検事だったので、父に愛されるジョーも当然、
何かしらの役人になっていると思ったのだが、無法者&冒頭で既に
コンクリートに足を固められていたり、仲間とカジノの襲ったり、まさに「無法者」。

ストーリーは、この無法者・ジョー、そしてカジノ強盗をきっかけに出会ったエマ
エマを愛人にもつギャングの親玉・アルバート、そのライバルギャング・マソが
1930年代まで続く、禁酒法時代のアメリカ(フロリダ、ボストン)の覇権争い。

てっきり私は、タルーサに去った「ダニー」と「ノラ」のその後の人生を
中心に続編として語られると思っていたのだが、まったくの予想外な展開で驚き。

ジョーは兄たちと同様、賢く育ち、ダニー同様、リーダーシップを発揮するのだが
あくまで「闇社会」での話で、タンパの「王」として華々しい活躍をする。

ボストンでは仲間と共に強盗を働いた際、警官を殺した罪で5年の服役となるが
その際、ギャングのボス・マソと信頼関係を結ぶ。
たった5年の服役で済んだのは、父親の力によるものが大きく、服役中に生き抜けたのも
父親の権力を利用しようとするギャングによるもの。

とはいうものの、ジョー自身の力もあり、マソに認められ、タンパに送られ
タンパの闇酒市場を牛耳り、莫大な富と地位を築くのだが、
結果としてギャングの親玉たちに裏切られ、タンパを追われることになる。

「運命の日」がダニーとノラの大恋愛だったので、今作もエマとジョーの大恋愛かな、と
思いきや、エマとの関係性は最後の最後まで続くが決して、ダニーとノラのような
ものではなかったのが残念だし、そういうストーリーじゃなかったのも残念というか意外。

作品自体がクライムもの、というか、ドン・ウィンズロウの作品みたいな
麻薬シンジケートの様な感じだし。(こちらも場合は「ラム酒」の密売)。

でも、作品そのものが面白いので、これはこれでありだったかな、と思う。
ダニーとノラが数々の試練を乗り越えて、頑張っているのも分かったし、
ダニーがまさかの映画界への転職を果たしているのも、ありそうな感じ。

なんとこのシリーズは3作品あるみたいなので(現時点で)、
次回作も読んだみたい。次回作の主人公は誰かの息子?あるいは、次兄・コン?




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[日記](読書) 流れは、いつか海へと(ウォルター・モズリィ) [日記]

私は全く知らない米国の作家さんだが、アメリカや英国の各賞を受賞している、
ウォルター・モズリィの「流れは、いつか海へと」を読んだので記録と感想。

褐色の肌のニューヨーク市警、ジョー・オリバーは、優秀だが女くせが悪く
見事ハニー・トラップにはまり、市警を追われ、私立探偵になっている。

妻からは三行半を突き付けられていて、独り身だが
元妻との間に生まれた娘(高校生くらい)には慕われている。

そんな私立探偵の元に、警察官を殺した黒人ジャーナリストの弁護士が
突然、ジャーナリストの弁護をあきらめた理由、証人失踪の調査を依頼される

そして、自身をハニートラップたらしめた女性から手紙が届き、
黒幕の調査も同時進行していく。

まずこの小説自体は読みやすい文体なのだが、
登場人物があまり多いというか、だれが重要なのか分かりづらく
登場人物を覚えられず、毎回、登場人物リストを読み返す羽目になる。

普通、2つの事件は繋がっていて・・という感じなのだが
最後まで、それはそれ、これはこれ、という意外な感じな内容。

元々冤罪だったわけで、無罪を勝ち取る話・・になるはずなんだと思う、
普通の警察・探偵小説だと。

だけどこの小説では、どうやったって、黒幕=警察組織には敵わんから
逃げちゃえ!って、最後の数ページで、それかいな・・・。

逃げる方法もすごくて、祖母の知り合いだったり、
探偵が警察時代に捕まえた元犯罪者のツテだったりで、
なんかすごい「ご都合」なんですけど・・・・

この作品自体、アメリカ探偵クラブの最優秀長編賞を受賞しているんですけど
どういう受賞理由が知りたい・・・

アメリカ文学作品って、何篇か読んでいるのだが
いまだに「???」の作品が多い。
エンターテインメント作品になり切れていないというか。

うーん、不思議な作品。


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[日記](読書) ダウンタウン・シスター(サラ・パレツキー) [日記]


再び、サラ・パレツキーの人気・女探偵シリーズの第5作品目、
「ダウンタウン・シスター」を読んだので感想と記録。

今回もヴィック(探偵・女性、V・I・ウォーショースキー)は友人に関する事件に
巻き込まれる。今回は、高校時代の妹的な存在で、家族ぐるみで付き合いのあった
キャロラインから、父親探しの依頼。

田舎(といってもシカゴの南部)を捨て、北部の市街で活躍するヴィックに
やたら絡むキャロラインだが、若くして自身を生んだ母親の容態が悪く
ヴィックに見舞いを半ば強制し、くだんの「父親探し」を依頼するのだが
キャロラインの母親は、強く調査を拒む。
そんな状況で調査を進め、二人の有力な父親候補を見つけたところで
キャロラインから調査依頼の撤回を宣言される。
と、同時に何者か、権力者などから脅迫されるようになるという、5作品目まで
続いた一連の作品のストーリーと同様な感じ。

今回の企業はキャロラインが務めるリサイクル会社
サウスシカゴにある化学溶剤工場
サウスシカゴの有力議員
そしてマフィア

これらが殺人と保険金・・でストーリーが進んでいく。

まぁ、古い作品(シリーズ)だし、巧妙なトリックやプロットを望んでいる
わけでもないので、ワンパターン化しているようなストーリーもOK。

今回もヴィックをはじめ、友人の産婦人科(名医)・ロティ、
今回初登場のミセス・チグウェル(約80歳)、キャロラインの母親・ルイーザ等
強い女性が大活躍する。一方で、悪者の多くは、権力におぼれたオッサンや
弱い男たちである。このあたりは好き嫌いもあろうが、私は嫌いじゃない。

別に「男ってやつは・・・」はというような、男拒否ということもないし
ヴィックの父親や、その友人刑事やその同僚たちなんかは
むしろいいオッサンである。

ストーリーがワンパターンなので、どこまで続くのか分からない
シリーズだが、まぁ、一通り楽しんでみようと思う。

第6作か・・・


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[日記](読書) 九つ目の墓(ステファン・アーンヘム) [日記]

北欧ミステリ、ステファン・アーンヘムの「刑事ファビアン・リスク」シリーズの
第2作目、「九つ目の墓」を読んだので感想と記録。

1作目でも感じたが、主人公「ファビアン・リスク」に全くもって肯定できない。
1作目は彼の故郷・ヘルシンボリに家族ともども引越し、新たな刑事人生を送るはずが
引越し日、かつ休暇でありながら、そして何より自身の前職・国家警察時代の言動から
子供を不幸にしているにもかかわらず、「捜査が大事だから」と子供や妻に
説明もなしに没頭する。

2作品目はヘルシンボリ引越し前の国家警察時代の話しで
ファビアンが国家警察をやめた理由や、ファビアン(そして妻)の問題により
子供たちが虐げられる話と、過剰ともいえる(北欧ミステリらしい)連続殺人事件の捜査。

ファビアン(と妻)は酷い。
妻不在、子供は小さい(上がまだ13歳)のに、上の子には激高から暴力をふるい
下の女の子はぐっすり寝ているから、ということで深夜に捜査の為、家を不在にする。
というか、美人の同僚にあうためにバーに赴く。
そして後ろめたさから、妻にメール送り「この後、飲まない?」とかないわ。
あげく、美人の同僚に心動かされ、結果、妻には「ごめん、あえない」というし。
この人(と妻)は、家庭を持ったらイケナイひとだね。
節々に自分勝手な言動が目立つ(子供の言葉使いに厳しく、自分たちは罵り合う)

前回同様、デンマーク刑事と国家警察(スウェーデン)との絡みもアリというか
全く異なる事件の捜査をデンマーク、ストックホルムで展開され
かつ、意味不明なパレスチナ、イスラエルの話しありと、訳が分からない。

最終的にはどちらの事件も共通の要因であるものの、良い結末ではなかった。
まぁ勿論、良い結末であれば、ファビアンはヘルシンボリに引っ越さなかったと思うが。

見事なプロットというよりも、過剰な演出と、あらゆること要素を詰め込んで、
当たり前のこと(GPSの位置情報やその他操作方法)をミスディレクションするやり方で
あまり感心するようなストーリーではない気がする。

1作品目も「過剰」なんですよね・・・そこまでする必要ある?という感じで
人が死んでいくし、作者自身が病気か?と勘繰るくらい語る。

ただこの作品が私にとって興味深いのは
デンマークとスウェーデンの文化の違いというか、どちらも相手が嫌い。
実際問題、良くわからないのだが、両国の間でこういう感情があるのね。
日本と韓国、中国のような関係性だろうか。どこも隣国には微妙な感情があるのだろうか。
ちょっとこの辺りは私自身そういう感情をもたないので良くわからないけど・・

あとは北欧ミステリらしく、時事問題を取り扱っているので興味深い
北欧には移民問題がやはり影を落としているのだろう。
何かしらの人気シリーズには必ず登場しますよね、意味問題は。
今回はさらに「臓器売買」が絡んでおりますが。

うーん、あまり好きな作品ではないけど、ファビアン・リスクが気になる。
キライキライも好きなうち、というやつかなぁ。


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