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[日記](読書) 夜に生きる(デニス・ルヘイン) [日記]


「運命の日」の続編、デニス・ルヘインの長編作品「夜に生きる」を読んだので
その感想と記録。

読む前に本作品がコグリンシリーズであることは認識して読んでいたのだが
今回の主役が、コグリン家の三男で、最も長兄ダニーに憧れていた
ジョゼフ(ジョー)というのには驚いた。
時代はダニーがボストンを去ってから10年近くたち、ジョーは大人になっているが
なんと職業は「無法者」。父はボストン市警の重役、長兄ダニーは元市警だし
次兄コンも事件前までは地区検事だったので、父に愛されるジョーも当然、
何かしらの役人になっていると思ったのだが、無法者&冒頭で既に
コンクリートに足を固められていたり、仲間とカジノの襲ったり、まさに「無法者」。

ストーリーは、この無法者・ジョー、そしてカジノ強盗をきっかけに出会ったエマ
エマを愛人にもつギャングの親玉・アルバート、そのライバルギャング・マソが
1930年代まで続く、禁酒法時代のアメリカ(フロリダ、ボストン)の覇権争い。

てっきり私は、タルーサに去った「ダニー」と「ノラ」のその後の人生を
中心に続編として語られると思っていたのだが、まったくの予想外な展開で驚き。

ジョーは兄たちと同様、賢く育ち、ダニー同様、リーダーシップを発揮するのだが
あくまで「闇社会」での話で、タンパの「王」として華々しい活躍をする。

ボストンでは仲間と共に強盗を働いた際、警官を殺した罪で5年の服役となるが
その際、ギャングのボス・マソと信頼関係を結ぶ。
たった5年の服役で済んだのは、父親の力によるものが大きく、服役中に生き抜けたのも
父親の権力を利用しようとするギャングによるもの。

とはいうものの、ジョー自身の力もあり、マソに認められ、タンパに送られ
タンパの闇酒市場を牛耳り、莫大な富と地位を築くのだが、
結果としてギャングの親玉たちに裏切られ、タンパを追われることになる。

「運命の日」がダニーとノラの大恋愛だったので、今作もエマとジョーの大恋愛かな、と
思いきや、エマとの関係性は最後の最後まで続くが決して、ダニーとノラのような
ものではなかったのが残念だし、そういうストーリーじゃなかったのも残念というか意外。

作品自体がクライムもの、というか、ドン・ウィンズロウの作品みたいな
麻薬シンジケートの様な感じだし。(こちらも場合は「ラム酒」の密売)。

でも、作品そのものが面白いので、これはこれでありだったかな、と思う。
ダニーとノラが数々の試練を乗り越えて、頑張っているのも分かったし、
ダニーがまさかの映画界への転職を果たしているのも、ありそうな感じ。

なんとこのシリーズは3作品あるみたいなので(現時点で)、
次回作も読んだみたい。次回作の主人公は誰かの息子?あるいは、次兄・コン?




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