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[日記](読書) Q(呉勝浩) [日記]

呉勝弘浩の「Q」の感想と記録。

(ライトノベル以外のミステリー作品では)
久しぶりの日本作家で、700ページほどの大作、しかもハードカバーで分厚い。
ネットで作品評価も高く、数々の日本の賞(本作品以外)を受賞していて人気のよう。

冒頭の、女性か男性かわからない清掃員と2千円を恐喝する先輩のおっさんの会話で
若干、テンションが下がっていく(が、この物語で一番まとも?なおっさんです)
トランスジェンダーっぽい女性は、傷害事件後、この清掃会社に勤めているよう。

舞台はとなっているのは、2020年の千葉、そして東京。
もちろん、当時はコロナ禍の真っ最中で、クルーズ船だったり、東京アラートや
当時のマスク事情も、この作品にしっかり描かれている。
懐かしいのやら、なんだか不思議な感じになりますね。
思えば各国や、各都道府県の感染者数やピーク状況をチェックする日々だったり
ワクチンの開発だったり、そして緊急事態宣言だったり、大変でしたね・・

この清掃員・ハチ(女性・トランスジェンダー)には、
「ロク」と呼ばれる姉と、「キュウ」と呼ばれる弟がおり、それぞれ名前にちなんだ
ニックネームです(亜八、睦美、タスク(侑九))
つまりこの作品は、「キュウ(Q)」をめぐるエンタメ作品。


彼女たちの父親は、地元でも日本でも有数の有力者であったが
性癖に難があり、次々に連れ子のいるような女性と結婚し、離婚を繰り返すひと。

7年前、親違いの彼女たちは、祖父一家で暮らしていたが
「キュウ」の美貌とダンスの才能が見出されたことで暮らしが変化し
「キュウ」をめぐり、キュウの母親とその恋人を、ロクとハチは殺害する。
(この事件は、ダメな母親と同じくダメな恋人の失踪で片が付く)

ロクはダンスパフォーマーとして芸能活動を開始したキュウをサポート
ハチは(父親の性癖がきっかけの)傷害事件をおこし、その後清掃員となる

ハチはロク、キュウとは距離を置いていたが、キュウをサポートし売り出そうとする
大手芸能有力者をきっかけとし、再び、ロク、キュウと再開することになる

みたいな感じで、コロナ禍で活動が制限されると東京(日本)で
ネットを中心に、ある意味カルト的な人気となっていくキュウの活躍と
そのキュウをめぐりロク、ハチがお互いの真意を探りあるみたいな。

700ページ近くあり、大変なボリュームなのに、読み始めて勢いがつくと
一気に読んでしまう魅力があります、

・・・・が、最後の結末や、ロク、ハチ、父親って結局何なの?とか
キュウとは??とか色々モヤモヤの残る結末でしたね・・。

大いに盛り上げてくれる犯人も意外な人物ではあったけど
なんだ彼か・・という感じだったし

ロクの陰謀も、父親の性癖や狙いも、ハチやキュウの関係性もなんだか膨らまず
名前を微妙に意味深にしているのだが、結局、あまり意味がなく
それ以外にも思わせぶりに登場人物は多数登場も、さほど、目立った活躍も描かれておらず、、

それ以外は、大変面白い作品でした

なるほど、日本にも物量や情報量が多い作品があるのね、と感じた作品でもあります。






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[日記](読書) 響け!ユーフォニアム(武田綾乃) [日記]


そして、完結編(と短編)「響け!ユーフォニアム」の
「北宇治高校吹奏楽部のホントの話」
「北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」の感想と記録。


「ホントの話」は短編集になっていて、このシリーズが大好きなファンが

香織先輩から田中アスカ先輩への手紙
香織先輩、田中アスカ先輩らの温泉旅行の話
夏紀先輩、優子先輩のいつもの口喧嘩と、優子先輩からの手紙
滝の学生時代(奥さんと新山)の話など、知りたかった内容が盛り沢山。


「波乱の第二楽章」については、現在のアニメシリーズ(シーズン3)でも
描かれている(途中の)、黄前ちゃんの3年生、最後のコンクールに向けての話と
その結末、その後が語られている。

原作である小説版とアニメでは、若干語られる順番、セリフ、状況が異なっているので
これがアニメではどうやって「感動的に」盛り上げていくのか興味深い。

正直、シーズン3の内容は、結末含め王道すぎて小説で読むと、
少し盛り上がりに欠けるかな、と。

個人的には、微妙な新キャラ(転校生)を登場させるよりも
好敵手の可能性を秘めていた後輩・奏が、一気に覚醒して
黄前ちゃんとゴリゴリのソロ勝負を挑んで欲しかったかな・・・・

この年になると、オーディションの結果は、
きちんと選んだ(或いは選ばなかった)理由を言えば丸く収まるのに、、と
滝顧問のマネジメント方法について、いろいろ思ってしまいましたが、
吹奏楽部の「オーディション」って
こういう「決まったら何も言うことなかれ」という感じなんでしょうか・・。

選択曲やメンバーの組合せなどの"相性"に応じてメンバーを選択することも
可能性としては十分あるわけで、それを落ちた生徒には伝えないと
実力で落ちたのか、曲との相性か、メンバー(構成)の都合か、が分からないし
次のオーディションへの準備ができないと思うのだが。。

完結編としては
なんだか、やはり、田中先輩(3年生)、優子先輩’(2年生)らが抜けた
吹奏楽部は、少し寂しかったかぁ、と思いつつも
短編集含めて、面白いシリーズでした。

アニメはまだまだ続くと思うので、そっちが(も)楽しみですね。




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[日記](読書) 響け!ユーフォニアム(武田綾乃) [日記]


武田綾乃の人気シリーズ、「響け!ユーフォニアム」の続編(2年生編)でもある、
「北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」の感想と記録。

アニメシリーズの劇場版に相当するこの作品ですけども、アニメも良かったですし
描き方が少し違う小説版もまたイイです。

アニメでは
シーズン2までを、黄前ちゃん達が1年生時代にあてていて

いくつかある劇場版では、

・1年生の純粋な総集編
・1年生の黄前ちゃんと田中あすか先輩の関係性に絞った総集編
・2年生の黄前ちゃんと新入生、そして先輩と全国大会を目指す新作
・2年生時代のみぞれと希美に絞った新作

なので、黄前ちゃんの2年生時代を扱うこの小説版では
みぞれと希美の関係性もばっちりだし、
1年生のみっちゃん、さっちゃんのいざこざなどなど、盛り沢山です。

さらに小説版では
のぞみの音大受験に対して、希美の言動はリアルというか、割とひどい。
希美も黄前ちゃんにみぞれに対する言動の追求に対して、
「(自身の答えに)引く?」と問うているぐらい、、。

ただ、希美がみぞれに対して「ズルい」というのは、何となくわかる気がするし
感情は普通(現実的)な気がする。

昨年のコンクールでも、みぞれのオーボエが覚醒・大活躍したし
今年(続編)のコンクールでも、みぞれのオーボエ演奏が、キーとなっているし
さらにプロから音大受験をサポートを受けるという・・
しかも本人は、ただただ希美と一緒に音大受験したいという、無欲?ぶり。
顧問でもあり指導者としても傑出している滝が選曲した
コンクールの自由曲も、オーボエのソロ前提だし・・・、凄まじい才能・活躍。

なんなら作品としても、みぞれ(と希美)の関係を描く劇場版が一本出来ているし
黄前ちゃんが、嫉妬しないのが分からないくらい、主人公以上の活躍。しかも美少女。


ただそんな無双を発揮しているみぞれ中心のコンクール結果は、残念な結末。
結果を受け入れる(或いは受け入れられない)生徒たちの描き方も
アニメと小説版では若干異なるので、それはそれでよいかな、と思います。

あすか先輩からもらった絵はがきの意味も分かったし、
優子の落ち込み(からの立ち直り)も描いていたし、
優子も、ある意味、みぞれと同等以上の「いい役どころ」ですね、、。

夜な夜なNHKのアニメサイトで、名場面集TOP10をみては泣いている日々ですが

そんなハマった作品のなかで
意外に少し残念な感じ(活躍が寂しいという意味)なのは、麗奈でしょうか、、、。
黄前ちゃんがドンドン「部長っぽく」なっていく感じに対して
一年生時のオーディション以上のインパクト以上を残せていないような、、。

きっと第3シリーズ(3年生)では、最後のコンクールで魅せてくれるはず。
楽しみ。

アニメも、続編の小説を読むのも。

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[日記](読書) マリーナ バルセロナの亡霊たち(カルロス・ルイス・サフォン) [日記]


なんと、カルロス・ルイス・サフォンの新作!
「マリーナ バルセロナの亡霊たち」の感想と記録。

新作と言っても、勿論、彼は既に亡くなっているので、この作品は"幻の"初期作。

舞台は、1980年のバルセロナ、15歳の寄宿学校に通う少年、オスカルが主人公。
オスカルは、春先、七日間行方不明になっていたところを、フランサ駅で発見される。

表紙もいかにも、サフォン作品の幻想的な館に入ろうとする一人の少女と
その前を歩く黒猫が描かれていて、「それっぽい」感じ。
バルセロナのサリア地区、バルセロナの旧市街の地図も、「それっぽい」。
おのずとテンションが上がる。

お馴染みのランブラス通り、リセウ劇場、時代は違うけども
もしかしたら、あの親子が・・・、と考えずにはいられない。

もちろん、忘れられた本の墓場シリーズは、このあと書かれた作品だし
自体も何もかも違うので、登場することはないのだけど、
あの雰囲気がそのままで、一気読みしてしまった。

今作品も、忘れられた本の墓場シリーズと同じように怪しげな雰囲気が漂っている

サリア地区の廃墟と思っていた館に忍び込んだオスカル少年は、
病に苦しむ父親と暮らす少女、マリーナ出合う。マリーナは、オスカルに
サリアの墓地に通う女性の謎解きを持ち掛けるが
女性を追うなかで、黒い蝶が記された名もなき墓を見つける。

そこから、この「黒い蝶」をめぐり、オスカルとマリーナは、どんどんバルセロナの
「闇」に飲み込まれていく・・みたいなストーリー。

忘れられた本の墓場で見つけた一冊の本をめぐり
ダニエルが飲み込まれた、あの闇と同じような展開。

ただこちらは落としどころが少し思わぬ感じで、ちょっと意味不明とまでは言わないまでも
「あれ?」っという感じ。

そのあたりは、大ヒット作である忘れられた本の墓場シリーズにはかなわないが
作者自身、この作品が「可愛い」とのこと。

もっと、ああすれば、もっとこっちにいけば・・・と思ってしまうけど
カルロス・ルイス・サフォンにとっては、これが正解だったんでしょうねぇ。


なんとも不思議な作品であり
カルロス・ルイス・サフォンらしい作品。

何よりも、また、バルセロナの旧市街のマップを楽しみながら
彼の作品を読めたことに感謝です!

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[日記](読書) 響け!ユーフォニアム(武田綾乃) [日記]



人気アニメシリーズでもある武田綾乃の「響け!ユーフォニアム」の感想と記録。
今回はアニメも観ているし、原作の小説の1巻から3巻、短編集も含めた4冊の感想。

そもそもこのシリーズを知ったのは、とあるサッカーチャンネル(動画)で
同世代の方が、スポ根だけど面白い、と仰っていて
この方の(サッカーの)コメントや、人生観だったりが共感できていたので
気になってみてみた(読んでみた)

ただ、この方も仰っていた「美少女系(京都アニメーション)なんで・・」という
難関を乗り越えるために、1話を一週間かけて、ちびちび観て諦め
小説を読んで、吹奏部員の名前を覚えられず、結局、アニメに戻りを繰り返して
何だかんだで、すっかり「ハマって」しまった。

このシリーズの魅力を一言でいうのは難しい、、、
京都アニメーションのいわゆる美少女アニメ?
汗と涙のスポ根か?
(幼馴染の)恋愛ものか?
(高校生と教師の)恋愛ものか?
(上級生や下級生の壁を乗り越える)部活もの?
学園ドラマ?

色々な要素があり、それのどれとも‥という感じでもあるが
気が付けば、「(主人公の女の子)黄前ちゃん、頑張れ!」と思ったり
田中アスカ先輩の「(誰が選ばれても)正直どうでもいい」と言葉に共感したり
優子先輩の真っ直ぐに「先輩を推す」人柄に、ある種の憧れを抱いたり
特別になりたいという「信念が一瞬ゆれそうになる」、麗奈が復活に涙したり・・

アニメでは第3シーズンに突入しておりますが
小説も全巻読みたい・・・

面白いわ~

リコリス(リコイル)や、ボッチ(ザ・ロック)以来のハマり作品。


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