High and Low ?
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素敵な出来事、想い出、思う事を綴ります。TM NETWORK、NFL、サンフレ、そして洋服とグルメと猫(メインクーン)。飄々と都会を生き抜きたいです。
イハ
2024-03-23T06:48:33+09:00
ja
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[日記](読書) エレファントヘッド(白井智之)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-03-23
今年に入って日本の作家さんを読むケースが増えている気がする、、北欧ミステリも、米国ミステリもなかなか新たな発売(日本で)がないので読む作品が減ってしまったという事かもしれない、、(残念)という事で、ネットで評価が高い白井氏の「エレファントヘッド」。内容も作風も知らずに読んだところ、「エロ」で「グロ」の作品が多いとの事。本作品も冒頭からその気配がして、読み進めるのが辛かった・・が何とか本筋に入るまで耐えて読了。作家さんも、作品の内容も知らずに読んだ割に基本的には好きなジャンルのタイムリープもの。精神科でバイトをする青年は精神科医・象山(きさやま)に、通院する高校生を交際・誘拐している疑いをもち、問い詰めようとするがその女子高生は、その際、奇妙な「爆発」をして死んでしまう(グロい)。※実際は、交際・誘拐ではなく「親子」の会話だった話は象山の過去から現在の話が中心に、そして一家の「朝」が中心になっていく。象山の両親の父はブームを作った奇術師であり、ブームが去り精神を患い象山は父から引き離され育つ。母はその過程で、象山自身が殺害している。象山も勿論、精神を患い、一見、理想的な家族(長女はアイドル、次女は高校生、妻は女優)に囲まれているが、その実、ドラッグにも手を出しているし次女に恋をし、そしてそれを紛らわすために、同僚を脅し、「セフレ」を作っている。自身の理想的な家族を維持するためには手段を選ばない。そんな無茶苦茶な生活を送っていた象山にほころびが生じ、理想家族を失う。ドラッグディーラーから買った怪しげのドラッグの2つのうち1つを使用。意識を失う。そこから、象山は分裂を始める(計5人の象山が登場)。この場合の分裂は、大脳が生み出す意識のなかで「5人の人格」とのことで精神が分裂すると、その作用で、片方は5時間の時間的遡行が生じる。なので、5時間前にとんだ象山は、自身の言動により生じた生活のほころびを防ぎ理想的な家族を演じることができた。一方、時間遡行が生じなかった方の精神(人格)である象山の方は引き続き、最悪な人生(生活)を送ることになり、再び、ドラッグを使用して精神を分裂させ、時間遡行できた精神(人格)を生み出す。※片方が、その時点から5時間の時間遡行、一方は引き続き、元の時間の人格この時点で、象山は、3人生まれたが、一番まともな人格が自殺を図りその自殺を図るために生まれた時間遡行人格が、もう一人生まれる(計4人)この時..
日記
イハ
2024-03-23T06:48:33+09:00
今年に入って日本の作家さんを読むケースが増えている気がする、、
北欧ミステリも、米国ミステリもなかなか新たな発売(日本で)がないので
読む作品が減ってしまったという事かもしれない、、(残念)
という事で、ネットで評価が高い白井氏の「エレファントヘッド」。
内容も作風も知らずに読んだところ、「エロ」で「グロ」の作品が多いとの事。
本作品も冒頭からその気配がして、読み進めるのが辛かった・・が
何とか本筋に入るまで耐えて読了。
作家さんも、作品の内容も知らずに読んだ割に
基本的には好きなジャンルのタイムリープもの。
精神科でバイトをする青年は精神科医・象山(きさやま)に、通院する高校生を
交際・誘拐している疑いをもち、問い詰めようとするが
その女子高生は、その際、奇妙な「爆発」をして死んでしまう(グロい)。
※実際は、交際・誘拐ではなく「親子」の会話だった
話は象山の過去から現在の話が中心に、そして一家の「朝」が中心になっていく。
象山の両親の父はブームを作った奇術師であり、ブームが去り精神を患い
象山は父から引き離され育つ。母はその過程で、象山自身が殺害している。
象山も勿論、精神を患い、一見、理想的な家族(長女はアイドル、次女は高校生、
妻は女優)に囲まれているが、その実、ドラッグにも手を出しているし
次女に恋をし、そしてそれを紛らわすために、同僚を脅し、「セフレ」を作っている。
自身の理想的な家族を維持するためには手段を選ばない。
そんな無茶苦茶な生活を送っていた象山にほころびが生じ、理想家族を失う。
ドラッグディーラーから買った怪しげのドラッグの2つのうち1つを使用。意識を失う。
そこから、象山は分裂を始める(計5人の象山が登場)。
この場合の分裂は、大脳が生み出す意識のなかで「5人の人格」とのことで
精神が分裂すると、その作用で、片方は5時間の時間的遡行が生じる。
なので、5時間前にとんだ象山は、自身の言動により生じた生活のほころびを防ぎ
理想的な家族を演じることができた。
一方、時間遡行が生じなかった方の精神(人格)である象山の方は
引き続き、最悪な人生(生活)を送ることになり、再び、ドラッグを使用して
精神を分裂させ、時間遡行できた精神(人格)を生み出す。
※片方が、その時点から5時間の時間遡行、一方は引き続き、元の時間の人格
この時点で、象山は、3人生まれたが、一番まともな人格が自殺を図り
その自殺を図るために生まれた時間遡行人格が、もう一人生まれる(計4人)
この時点でシンプルに考えると2つあったドラッグは無くなり
人格は4人となり、時間も4つあることになり
それぞれが、それぞれの時間で生活を送ることになる
勿論、それぞれには、それぞれの状況がある
最悪なことになっている象山(家族崩壊、自身も警察に追われる=逃亡者)
全ての落とし穴を回避した象山(家族円満=幸福者)
最悪をギリギリで回避した象山(家庭崩壊を阻止した=修復者)
自殺を試みて入院中の象山
そもそも「理想の家族」を守るために発生した人格なのだが
全ての時間で
次女が爆発、次いで妻も内蔵を吐き出し、長女も運転中に事故死する。
この時間遡行の副作用として、どこかで対象人物が死んだ場合
その影響として、全ての時間軸の人物が死んでしまう。
なので、象山の「誰か」が、愛する家族を殺したことになり
各象山は、どの象山が家族を殺したのか、物証から推理を働かせる・・という
そして5人目の象山はどうやって生まれたの・・・?という謎で
なんともわけのわからないタイムリープもの。
なんかもう、どこかにほころびがありそうな設定なのだが、読ませてしまうところが
面白かった。
サマータイムレンダのようで、バックトゥザフューチャーのようで・・
気になる作家ではあるものの、レビューでは
「思ったほどエロ・グロじゃない」という意見が多数あるので
他作品に挑戦するのは、ちょっと勇気がいるかも。
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[日記](読書) 1 (ONE) (加納朋子)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-03-18
加納朋子さんの最新作、「1(ONE)」の感想と記録。この最新作が読みたくて、先日「ななつのこ」を読んだのだが、最新作でありデビュー作、「ななつのこ」の続編も面白く読みました。と言っても、読み始めてから、なかなかページが進まなかったのも事実で違う作品を読むかたらわで、読み進みていた。「ななつのこ」は、大学生の女性が周辺で起こった、小さいな事件を作家へのファンレターをとおしてヤリトリしていく物語で、最終的にはとある男性と会いいい意味で煮え切らない感じで終わる、後読感のよい作品だった。今回の作品では、大学生の女性と自身の飼い犬「ゼロ」との交流からスタートする。ちょっと最初は、犬同士の会話だったりが先行しファンタジー色が強く、苦手な部類だった(ので、なかなか進まなかった)新入りの家族、「ゼロ」は、先輩犬「ワン」から、自身の飼い主でもあり家族の一番の下っ端であるレイちゃん(大学生の女性)を守るように指導を受けている。ちょっと怖い、先輩犬だが、かっこいい先輩としてゼロは慕っている様子。ファンタジー色の強い内容(犬同士の会話)に我慢して読み進めるとなるほど、ゼロの正体がわかる。ゼロの正体が分かったところで、この先輩犬と家族の歴史に移っていく最初は、レイちゃんのお兄ちゃんの話そして、レイちゃんの母親をメインに語られていくところでなるほど、予想していた通り、「ななつのこ」の続編と思しき内容も語られる。この作品の作者のあとがきにあるとおり、「ななつのこ」から、時代が変わり、ペットとの関わり合い方も変わったし人間の暮らしも変わったなぁ、と何とも言えない感じになる。この作品自体は、とくに万人受けするようなものではない(と思う)けど加納朋子さんらしい、やさしいミステリー作品で、読書っていいなぁ、としみじみする。加納朋子作品は、極悪非道のミステリー作品を読むことが多い私にとってはスイカジュース(本作品で登場する)のような清涼飲料水ですかねぇ。
日記
イハ
2024-03-18T12:33:26+09:00
加納朋子さんの最新作、「1(ONE)」の感想と記録。
この最新作が読みたくて、先日「ななつのこ」を読んだのだが、最新作であり
デビュー作、「ななつのこ」の続編も面白く読みました。
と言っても、読み始めてから、なかなかページが進まなかったのも事実で
違う作品を読むかたらわで、読み進みていた。
「ななつのこ」は、大学生の女性が
周辺で起こった、小さいな事件を作家へのファンレターをとおして
ヤリトリしていく物語で、最終的にはとある男性と会い
いい意味で煮え切らない感じで終わる、後読感のよい作品だった。
今回の作品では、大学生の女性と自身の飼い犬「ゼロ」との交流から
スタートする。ちょっと最初は、犬同士の会話だったりが先行し
ファンタジー色が強く、苦手な部類だった(ので、なかなか進まなかった)
新入りの家族、「ゼロ」は、先輩犬「ワン」から、自身の飼い主でもあり
家族の一番の下っ端であるレイちゃん(大学生の女性)を守るように
指導を受けている。ちょっと怖い、先輩犬だが、かっこいい先輩として
ゼロは慕っている様子。
ファンタジー色の強い内容(犬同士の会話)に我慢して読み進めると
なるほど、ゼロの正体がわかる。
ゼロの正体が分かったところで、この先輩犬と家族の歴史に移っていく
最初は、レイちゃんのお兄ちゃんの話
そして、レイちゃんの母親をメインに語られていくところで
なるほど、予想していた通り、「ななつのこ」の続編と思しき内容も語られる。
この作品の作者のあとがきにあるとおり、
「ななつのこ」から、時代が変わり、ペットとの関わり合い方も変わったし
人間の暮らしも変わったなぁ、と何とも言えない感じになる。
この作品自体は、とくに万人受けするようなものではない(と思う)けど
加納朋子さんらしい、やさしいミステリー作品で、
読書っていいなぁ、としみじみする。
加納朋子作品は、極悪非道のミステリー作品を読むことが多い私にとっては
スイカジュース(本作品で登場する)のような清涼飲料水ですかねぇ。
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[日記](読書) をんごく(北沢陶)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-03-17
大阪府出身で、英大学で英文学修士課程を習得もしているという日本人作家、北沢陶のデビュー作(2023年)、「をんごく」の感想と記録。日本のミステリー・ホラー大賞の、大賞をはじめ3冠をとったということで出版業界の期待作なのか、表紙もなかなかイイ。ホラー作品ということで、いかにも日本の「リング」「死国」っぽい感じで古き良きなのか、いまも和製ホラー作品、こういう感じなのか、という内容。東京大震災、前後の大正12年。神道とも仏教ともわからぬ怪しげな儀式からストーリーはスタートし、どうやら1年前に妻を亡くした男性が、巫女の儀式により、妻と交霊仕様としていると思しき会話の場面。ただ会話の内容は、時代や方言で何を言っているのかという感じで、会話自体がミステリアス。その後、儀式を取り計らっているのが、大阪であることが分かりキツイ方言は、当時の大阪弁であることもわかる。妻と交霊したかったが、巫女も不思議に思うほどうまくいかず後味が悪い状態で儀式が終了する。その後、男性の家で、大事な妻の遺品(かんざし)や白粉の匂い亡くなった友人が目撃されたという情報など奇妙なことが起こる。儀式を取り計らった巫女からは、亡くなったとされる「妻」の葬式(の内容)を疑われ、さらに、「魂(霊)を食らう」というエリマキという存在自体が謎の男性と出会う。儀式後、和製ホラーっぽく(というか、雰囲気は「死国」そのもの)、静かな、そして、不気味にストーリーが進み主人公の男性が徐々に霊におかされていく感じは面白かったが、これまたよくあるように後半にはいると雰囲気(奇術で霊を退散させる)が変わり、ちょっと残念。もっと不気味な状況や、妻との愛情だったり、妻の憎しみだったりキーとなる家系の呪われた儀式、を深掘りしてほしかった。結局のところ、妻と男性の恋愛ものだと思うし。ふと、チャイニーズ・ゴーストストーリーを思い出しましたり。ジョイ・ウォンにアジアの男性はハマったかと。。(私も)何はともあれ、次回作に期待。
日記
イハ
2024-03-17T03:09:00+09:00
大阪府出身で、英大学で英文学修士課程を習得もしているという
日本人作家、北沢陶のデビュー作(2023年)、「をんごく」の感想と記録。
日本のミステリー・ホラー大賞の、大賞をはじめ3冠をとったということで
出版業界の期待作なのか、表紙もなかなかイイ。
ホラー作品ということで、いかにも日本の「リング」「死国」っぽい感じで
古き良きなのか、いまも和製ホラー作品、こういう感じなのか、という内容。
東京大震災、前後の大正12年。
神道とも仏教ともわからぬ怪しげな儀式からストーリーはスタートし、
どうやら1年前に妻を亡くした男性が、巫女の儀式により、
妻と交霊仕様としていると思しき会話の場面。
ただ会話の内容は、時代や方言で何を言っているのかという感じで、
会話自体がミステリアス。
その後、儀式を取り計らっているのが、大阪であることが分かり
キツイ方言は、当時の大阪弁であることもわかる。
妻と交霊したかったが、巫女も不思議に思うほどうまくいかず
後味が悪い状態で儀式が終了する。
その後、男性の家で、大事な妻の遺品(かんざし)や白粉の匂い
亡くなった友人が目撃されたという情報など奇妙なことが起こる。
儀式を取り計らった巫女からは、
亡くなったとされる「妻」の葬式(の内容)を疑われ、
さらに、「魂(霊)を食らう」というエリマキという
存在自体が謎の男性と出会う。
儀式後、和製ホラーっぽく(というか、雰囲気は「死国」そのもの)、
静かな、そして、不気味にストーリーが進み
主人公の男性が徐々に霊におかされていく感じは面白かったが、
これまたよくあるように後半にはいると
雰囲気(奇術で霊を退散させる)が変わり、ちょっと残念。
もっと不気味な状況や、妻との愛情だったり、妻の憎しみだったり
キーとなる家系の呪われた儀式、を深掘りしてほしかった。
結局のところ、妻と男性の恋愛ものだと思うし。
ふと、チャイニーズ・ゴーストストーリーを思い出しましたり。
ジョイ・ウォンにアジアの男性はハマったかと。。(私も)
何はともあれ、次回作に期待。
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[日記](読書) ななつのこ(加納朋子)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-03-07
加納朋子さんの「ななつのこ」の感想と記録。加納朋子さんの作品は、若い頃「いちばん初めにあった海」を読みハマってしまい次々に読んだ記憶がある。ミステリー作品ではあるものの、凶悪な事件や不幸を扱っているわけでもなく敏腕刑事や、特殊能力、チームが出てくるわけでもなくありふれた日常の、ありふれた謎だったり、そして誰にでも起こる不幸だったり最終的には主人公や登場人物たちは、良い方向に向かっていく。ハッピーエンドというよりも、"良い方向の結末"、という感じだと思う。「ななつのこ」を読んだのも凄く昔だったので、そもそも覚えていなかったのだが今年、なんと、20年数年くらいぶり?の「続編」が出たということで思い出すために、何度目かであろう「ななつのこ」を読んだみた。案の定、全く覚えていなかったのだが昭和、平成の時代の大学生・駒ちゃん(女性)が、小説「ななつのこ」の作者にファンレターとして日常の「謎」を送ったところその作家さんから「謎」を解明する答えが、返信として送られてきて駒ちゃんと作家さんの交流が始まる、というストーリーであった。加納朋子さんらしく、ちょっと笑える謎だったり、ちょっと切ない謎だったりラブストーリーに発展しそうで、どこか間の抜けている駒ちゃんだったり解説に書かれている通り「すがすがしい」作品で、後読感が非常に良い。万人受けするか、と言われると、インパクトに欠ける内容かもしれないけど好きな人にはタマラナイそういう作品だし、作家さん。だからこそ、20年ぶり?に続編が出るんだと思う。続編はどんな感じなんだろうか。駒ちゃんが再び登場か、スマホやネットの無い時代から現代の社会情勢を反映した内容になっているのか、読むのが大変楽しみ。
日記
イハ
2024-03-07T07:18:44+09:00
加納朋子さんの「ななつのこ」の感想と記録。
加納朋子さんの作品は、若い頃「いちばん初めにあった海」を読みハマってしまい
次々に読んだ記憶がある。
ミステリー作品ではあるものの、凶悪な事件や不幸を扱っているわけでもなく
敏腕刑事や、特殊能力、チームが出てくるわけでもなく
ありふれた日常の、ありふれた謎だったり、そして誰にでも起こる不幸だったり
最終的には主人公や登場人物たちは、良い方向に向かっていく。
ハッピーエンドというよりも、"良い方向の結末"、という感じだと思う。
「ななつのこ」を読んだのも凄く昔だったので、そもそも覚えていなかったのだが
今年、なんと、20年数年くらいぶり?の「続編」が出たということで
思い出すために、何度目かであろう「ななつのこ」を読んだみた。
案の定、全く覚えていなかったのだが
昭和、平成の時代の大学生・駒ちゃん(女性)が、小説「ななつのこ」の作者に
ファンレターとして日常の「謎」を送ったところ
その作家さんから「謎」を解明する答えが、返信として送られてきて
駒ちゃんと作家さんの交流が始まる、というストーリーであった。
加納朋子さんらしく、ちょっと笑える謎だったり、ちょっと切ない謎だったり
ラブストーリーに発展しそうで、どこか間の抜けている駒ちゃんだったり
解説に書かれている通り「すがすがしい」作品で、後読感が非常に良い。
万人受けするか、と言われると、インパクトに欠ける内容かもしれないけど
好きな人にはタマラナイそういう作品だし、作家さん。
だからこそ、20年ぶり?に続編が出るんだと思う。
続編はどんな感じなんだろうか。
駒ちゃんが再び登場か、スマホやネットの無い時代から
現代の社会情勢を反映した内容になっているのか、読むのが大変楽しみ。
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[日記](読書) 傷を抱えて闇を走れ(イーライ・クレイナー)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-02-26
イーライ・クレイナーの南部ノワール作品「傷を抱えて闇を走れ」の感想と記録。この作品の解説を読んでアメリカには、"南部ノワール"というジャンルがあると初めて知りました。解説では、北欧ミステリに通ずるものがある(それに匹敵する人気を博すかも)とありますが、なかなかどうでしょうか、、。この解説でも何冊か紹介されている作品は私も読んでいる作品ではあるのですがなかなか万人受けするのは難しいのかな、と思います。ただデニス・ルヘイン作品でもあるように、アメリカでも人種差別、移民問題、暴力、性差別、そして貧困を取り上げた作品も多くまたエンタメとしても面白いので、日本でも人気になってほしいし、ウイリアム・K・クルーガーの作品のように、アメリカの自然だったり家族だったり良い面もしっかり伝えている作品があったりするので、そちらも人気になってほしい。ということで、この作品はアメリカ南部、アーカンソー州のとある超田舎の話でアメフト(ランニングバック)の才能は抜群だけど、超問題児(超問題家族)ビリー、そしてその新任コーチ、その家族の交わりがメイン。新任コーチ・トレントは、ハリウッドと呼ばれカリフォルニアから移住してきたがそもそも前職では、成績不振で解雇、逃げるようにこの地に来てそして妻と一緒に、再びコーチ職で復活を目論んでいる。その為、この素行の超悪いビリーを何とか試合に出場できるまでの日常に戻したいがとにかく、このビリーとその家族は問題だらけで、そんな中、ビリーの事実上の養父(母親の恋人)が、何者かにより殺される。養父も勿論、「最悪」な人物で、喧嘩(というかビリーへの虐待)を発端に、ビリーが殺してしまったか、みかねた母親が殺したか・・・、という嫌疑と、町中の噂になる。一方でその養父が死んだ日、コーチ・トレントは妻からビリーを諭すように言われておりなぜか、早朝、トレントが自家用車を洗車しており、妻が怪しく思う。トレントは嫌疑がかかったビリーを庇い、自身の家にかくまうがそこには、トレントの自慢の妻と娘もおり、妻がビリーの素行の悪さから娘との関係性を危ぶむ。そして、ビリーと娘・ローナは「読書」をきっかけに親しくなり・・。結局のところ、だれもハッピーになっていない結末で一瞬だけ、ビリーの更生と未来が見え隠れするのですが、コーチ一家は残念な結末ですし、ビリー、そして母親も決してハッピーじゃない。特にこの母親の言葉が悲しい。これが息子にできる最大限だ..
日記
イハ
2024-02-26T07:51:46+09:00
イーライ・クレイナーの南部ノワール作品「傷を抱えて闇を走れ」の感想と記録。
この作品の解説を読んでアメリカには、
"南部ノワール"というジャンルがあると初めて知りました。
解説では、北欧ミステリに通ずるものがある(それに匹敵する人気を博すかも)と
ありますが、なかなかどうでしょうか、、。
この解説でも何冊か紹介されている作品は私も読んでいる作品ではあるのですが
なかなか万人受けするのは難しいのかな、と思います。
ただデニス・ルヘイン作品でもあるように、アメリカでも
人種差別、移民問題、暴力、性差別、そして貧困を取り上げた作品も多く
またエンタメとしても面白いので、日本でも人気になってほしいし、
ウイリアム・K・クルーガーの作品のように、アメリカの自然だったり家族だったり
良い面もしっかり伝えている作品があったりするので、そちらも人気になってほしい。
ということで、この作品はアメリカ南部、アーカンソー州のとある超田舎の話で
アメフト(ランニングバック)の才能は抜群だけど、超問題児(超問題家族)ビリー、
そしてその新任コーチ、その家族の交わりがメイン。
新任コーチ・トレントは、ハリウッドと呼ばれカリフォルニアから移住してきたが
そもそも前職では、成績不振で解雇、逃げるようにこの地に来て
そして妻と一緒に、再びコーチ職で復活を目論んでいる。
その為、この素行の超悪いビリーを何とか試合に出場できるまでの日常に戻したいが
とにかく、このビリーとその家族は問題だらけで、そんな中、
ビリーの事実上の養父(母親の恋人)が、何者かにより殺される。
養父も勿論、「最悪」な人物で、
喧嘩(というかビリーへの虐待)を発端に、ビリーが殺してしまったか、
みかねた母親が殺したか・・・、という嫌疑と、町中の噂になる。
一方でその養父が死んだ日、コーチ・トレントは妻からビリーを諭すように言われており
なぜか、早朝、トレントが自家用車を洗車しており、妻が怪しく思う。
トレントは嫌疑がかかったビリーを庇い、自身の家にかくまうが
そこには、トレントの自慢の妻と娘もおり、妻がビリーの素行の悪さから
娘との関係性を危ぶむ。そして、ビリーと娘・ローナは「読書」をきっかけに
親しくなり・・。
結局のところ、だれもハッピーになっていない結末で
一瞬だけ、ビリーの更生と未来が見え隠れするのですが、
コーチ一家は残念な結末ですし、ビリー、そして母親も決してハッピーじゃない。
特にこの母親の言葉が悲しい。
これが息子にできる最大限だった、という・・・
つまり最悪なボーイフレンドと付き合い、なんとかお金を工面し
その結果として、そのボーイフレンドから自身も、そして家族も虐待を受ける
それが最大限(のしてやれること)
ちなみにこの作品は、アメリカの新人賞(MWA)をうけておりまして
こういった社会(生活環境)を鋭く描いているようです。
決して後読感が良い作品ではないですけど、興味深い作品ではあります
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[日記](読書) 疑惑の入会者(アリスン・モントクレア)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-02-21
ロンドン謎解き結婚相談所シリーズの最新作「疑惑の入会者」の感想と記録。今回は本編と短編あわせて、500ページ強のボリュームのある内容になっていて作品冒頭、アフリカと思しき湖で、蒸気船に乗船する20代後半の男女の会話とその後に訪れる蒸気船の沈没、女性の死で幕を開ける。同時期、ロンドンでは、スパークス、グウェンが共同で営む結婚相談所にひとりのアフリカ系の男性が入会してくる。グウェンは人種に配慮しながらも、相談所の説明するがこの男性が、基本的に「嘘」を喋っていることに気づき、警戒をする。またグウェンの内なる敵、義父がアフリカから1日前倒しで帰宅し義母、使用人、そして勿論、グウェンの険悪な状況に陥る。義父は、義母ともロクにコミュニケーションすることなく自信が営む経営陣と内輪のクラブに夜な夜な出かけ、戻ってきても再び、身内や使用人とぶつかる毎日を送るそしてクラブに出向く車中でグウェンとともに義父は誘拐されその事態に、義母は、さまざまツテで事件を解決きたスパークスにグウェンそして義父の救出を依頼する。"ツテ"は勿論、ギャングの親玉で、スパークスの恋人アーチ―のことで結局、アーチ―の存在や、スパークスを手伝う用心棒サリーの活躍もアリグウェンは脱出(解放)、そして義父も・・・なんですけど、この第3巻は事件解決そのものよりもグウェンの亡き夫との間で生まれた、最愛の息子ロニーの監護権な度を巡る義父との闘い、そして義父がアフリカにいる間に散々な目にあわせられた義母との仲直りの話がメインだと思う。実際、読んでいる途中で誘拐犯の真犯人はおのずと分かるし新規の入会者も、冒頭の蒸気船事故の関係者だと想像つくし・・・で最低な義父ではあるという感じ。とにかくこの3巻は、スパークスやグウェンの友情がさらに進んでいるしアーチ―、サリーの脇役も相変わらずイイ感じ。グウェンの義母も、すっかり、彼女たちの仲間になっているし、各キャラの人間関係が素晴らしい。ちなみに短編のほうは、スパークス、グウェンが空きオフィスに忍び込んで愛でていた「机(の抽斗)」をめぐる内容。それもそれで、彼女たちの会話が魅力の作品でもあるので十分楽しめた。次回作以降も楽しみに待ちたい。
日記
イハ
2024-02-21T13:50:41+09:00
ロンドン謎解き結婚相談所シリーズの最新作「疑惑の入会者」の感想と記録。
今回は本編と短編あわせて、500ページ強のボリュームのある内容になっていて
作品冒頭、アフリカと思しき湖で、蒸気船に乗船する20代後半の男女の会話と
その後に訪れる蒸気船の沈没、女性の死で幕を開ける。
同時期、ロンドンでは、スパークス、グウェンが共同で営む結婚相談所に
ひとりのアフリカ系の男性が入会してくる。
グウェンは人種に配慮しながらも、相談所の説明するが
この男性が、基本的に「嘘」を喋っていることに気づき、警戒をする。
またグウェンの内なる敵、義父がアフリカから1日前倒しで帰宅し
義母、使用人、そして勿論、グウェンの険悪な状況に陥る。
義父は、義母ともロクにコミュニケーションすることなく
自信が営む経営陣と内輪のクラブに夜な夜な出かけ、戻ってきても
再び、身内や使用人とぶつかる毎日を送る
そしてクラブに出向く車中でグウェンとともに義父は誘拐され
その事態に、義母は、さまざまツテで事件を解決きたスパークスに
グウェンそして義父の救出を依頼する。
"ツテ"は勿論、ギャングの親玉で、スパークスの恋人アーチ―のことで
結局、アーチ―の存在や、スパークスを手伝う用心棒サリーの活躍もアリ
グウェンは脱出(解放)、そして義父も・・・
なんですけど、この第3巻は事件解決そのものよりも
グウェンの亡き夫との間で生まれた、最愛の息子ロニーの監護権な度を巡る
義父との闘い、そして義父がアフリカにいる間に散々な目にあわせられた
義母との仲直りの話がメインだと思う。
実際、読んでいる途中で誘拐犯の真犯人はおのずと分かるし
新規の入会者も、冒頭の蒸気船事故の関係者だと想像つくし・・・で
最低な義父ではあるという感じ。
とにかくこの3巻は、スパークスやグウェンの友情がさらに進んでいるし
アーチ―、サリーの脇役も相変わらずイイ感じ。
グウェンの義母も、すっかり、彼女たちの仲間になっているし、
各キャラの人間関係が素晴らしい。
ちなみに短編のほうは、スパークス、グウェンが空きオフィスに
忍び込んで愛でていた「机(の抽斗)」をめぐる内容。
それもそれで、彼女たちの会話が魅力の作品でもあるので十分楽しめた。
次回作以降も楽しみに待ちたい。
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[日記](読書) ザ・マッチ(ハーラン・コーベン)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-02-12
ハーラン・コーベンの「ザ・マッチ」の感想と記録。マイロンシリーズが尻切れトンボ的に、日本では翻訳されていないなかで本作品は「森から来た少年」の続編となっている。高年の女性弁護士でもあり、事件を扱ったTVでも活躍しているへスターそしてその息子と幼き日に出会い、友情をはぐくんだワイルド。ワイルドは、幼少期に森に捨てられ、森で少年期まで自活していた過去を持つ。現在はへスターの「調査員」も兼ねつつ、森で自活しながらかつて友情をはぐくんだへスターの息子夫婦(と言っても息子は事故で死亡)を見守りながら生活をしている。タイトルの通り、今回はワイルドが、自身の両親を探すために登録したDNAサイトで、「はとこ」と、そして父親を探し出したことからストーリーが動き出す。ハーランコーベンらしく、それだけではなくダークネットの「ブーメラン」と呼ばれる自警団グループの活動もストーリーに絡み合っていくし今時の作品らしく、リアリティ番組、そしてその出演者の言動なんかもストーリーに大いに関係していくさらにワイルドの父親、そしてハトコを巡り様々な事件や陰謀などなど、クライマックスにむけてドンドン加速するので一気読みできた。さすが。へスターと、恋人のオーレンとの関係にひびが入りそうでしたがなんとか持ちこたえ、ワイルドとかつて友情をはぐくんだへスターの息子の妻との関係は将来につながったので、一応、ハッピーエンドかもしれないけどもそのへスターの息子の息子の事故死についてはこの作品では、ワイルドからへスターへ明かされることは無かったので次回作もあるのかもしれない。とにかく、ハーランコーベン作品はどんどん日本でも発売してほしいけどなかなか、日本での知名度は低いので、難しいかも。
日記
イハ
2024-02-12T13:15:03+09:00
ハーラン・コーベンの「ザ・マッチ」の感想と記録。
マイロンシリーズが尻切れトンボ的に、日本では翻訳されていないなかで
本作品は「森から来た少年」の続編となっている。
高年の女性弁護士でもあり、事件を扱ったTVでも活躍しているへスター
そしてその息子と幼き日に出会い、友情をはぐくんだワイルド。
ワイルドは、幼少期に森に捨てられ、森で少年期まで自活していた過去を持つ。
現在はへスターの「調査員」も兼ねつつ、森で自活しながら
かつて友情をはぐくんだへスターの息子夫婦(と言っても息子は事故で死亡)を
見守りながら生活をしている。
タイトルの通り、今回はワイルドが、自身の両親を探すために登録した
DNAサイトで、「はとこ」と、そして父親を探し出したことからストーリーが動き出す。
ハーランコーベンらしく、それだけではなく
ダークネットの「ブーメラン」と呼ばれる自警団グループの活動も
ストーリーに絡み合っていくし
今時の作品らしく、リアリティ番組、そしてその出演者の言動なんかも
ストーリーに大いに関係していく
さらにワイルドの父親、そしてハトコを巡り
様々な事件や陰謀などなど、クライマックスにむけてドンドン加速するので
一気読みできた。さすが。
へスターと、恋人のオーレンとの関係にひびが入りそうでしたが
なんとか持ちこたえ、
ワイルドとかつて友情をはぐくんだへスターの息子の妻との関係は
将来につながったので、一応、ハッピーエンドかもしれないけども
そのへスターの息子の息子の事故死については
この作品では、ワイルドからへスターへ明かされることは無かったので
次回作もあるのかもしれない。
とにかく、ハーランコーベン作品はどんどん日本でも発売してほしいけど
なかなか、日本での知名度は低いので、難しいかも。
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[日記](読書) 王女に捧ぐ身辺調査(アリスン・モントクレア)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-02-07
アリスン・モントクレアの「ロンドン謎解き結婚相談所」シリーズの第2弾、「王女に捧ぐ身辺調査」の感想と記録。英語タイトルは、「A Royal affair」なので、もっとネタバレ的なタイトル。今回もロンドンの結婚相談所を営む元スパイのスパークスと、その共同経営者であり友人の上流階級、グウェンが、とある事件の解決に導く・・・といっても、タイトルの通り、第2次世界大戦終結後のロイヤルファミリーの何かしらの身辺調査というのはタイトルからわかりますし、さらに「Affair」とあるので、何かしらの「男女関係」が絡むのも予想がつく。内容はその通りで、前作(の事件)から1か月程度経過した彼女のたちの元にグウェンのいとこでもあり、エリザベス王女(当時)に使える女性が訪ねてくる。そこで、その王室あてに届いた手紙(金銭を目的とした脅迫状)をみせられその調査を受けることになる。今回は前回の作品とは違い、スパークスの暗躍というかが、微妙に隠されて最後に一気にネタバレという展開で、読んでいて「あれ?」って思うところがいくつかあったが、最終的にはスパークスのスパイ活動(スキル)であったことが明かされる。またグウェンとの会話や行動、デートやダンス、恋人候補を巡る会話は大変魅力的で、夫を亡くしたグウェンの心情、息子のロニーへの愛、などなど彼女たちの心理面の変化や背景の描写も面白い。最初のほうで展開される、サリー(二人の用心棒)の趣味の演劇(練習)がクライマックスの謎解きシーンにつながるし捜査の段階でも、端役まで丁寧に役回りがあったり、前回登場したもと偽造屋やギャングの親玉(スパークスの恋人(候補))も良い感じだし、美味しいシリーズになっているかな、と思うので第3弾を早く読みたいし、彼女たちが幸せになってほしいと切に願う作品ですねー
日記
イハ
2024-02-07T06:29:02+09:00
アリスン・モントクレアの「ロンドン謎解き結婚相談所」シリーズの第2弾、
「王女に捧ぐ身辺調査」の感想と記録。
英語タイトルは、「A Royal affair」なので、もっとネタバレ的なタイトル。
今回もロンドンの結婚相談所を営む元スパイのスパークスと、その共同経営者であり
友人の上流階級、グウェンが、とある事件の解決に導く・・・
といっても、タイトルの通り、第2次世界大戦終結後のロイヤルファミリーの
何かしらの身辺調査というのはタイトルからわかりますし、
さらに「Affair」とあるので、何かしらの「男女関係」が絡むのも予想がつく。
内容はその通りで、前作(の事件)から1か月程度経過した彼女のたちの元に
グウェンのいとこでもあり、エリザベス王女(当時)に使える女性が訪ねてくる。
そこで、その王室あてに届いた手紙(金銭を目的とした脅迫状)をみせられ
その調査を受けることになる。
今回は前回の作品とは違い、スパークスの暗躍というかが、微妙に隠されて
最後に一気にネタバレという展開で、読んでいて「あれ?」って思うところが
いくつかあったが、最終的にはスパークスのスパイ活動(スキル)であったことが
明かされる。
またグウェンとの会話や行動、デートやダンス、恋人候補を巡る会話は
大変魅力的で、夫を亡くしたグウェンの心情、息子のロニーへの愛、などなど
彼女たちの心理面の変化や背景の描写も面白い。
最初のほうで展開される、サリー(二人の用心棒)の趣味の演劇(練習)が
クライマックスの謎解きシーンにつながるし
捜査の段階でも、端役まで丁寧に役回りがあったり、前回登場したもと偽造屋や
ギャングの親玉(スパークスの恋人(候補))も良い感じだし、
美味しいシリーズになっているかな、と思うので
第3弾を早く読みたいし、彼女たちが幸せになってほしいと切に願う作品ですねー
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[日記](読書) 通い猫アルフィーの奇跡(レイチェル・ウェルズ)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-02-05
レイチェル・ウェルズの人気シリーズ、「通い猫アルフィーの奇跡」の感想と記録。猫もの。それだけで、猫好きには。。という感じではありますが「ロンドン・・」と同じく、タイトル通りの展開です。幸せに暮らしていた飼い猫アルフィーが、飼い主の老婦人を無くしたことで通い猫になることを決意し、とある通りの4軒の通い猫になるそこに至るまで苦労もあったりですが、割とあっさりとした内容で進み念願の通い猫にも、あっさり?成功し、4軒を行き来する生活に苦労を覚えたり。アルフィーの頑張り?で、結果として4軒(家族)の悩みが解消し、「奇跡」となるわけですが、特に何か・・という感じでもないただアルフィーの想いや考えは、猫を飼うこちら側からすればそう思っていてほしい、とか、そう感じているハズだから大切にしたいとか実際ねこと暮らしたことのある人には、「あるある」なのでほほえましい。安心できる「膝」が欲しい、それも複数がいい、というアルフィーはいかにも猫っぽい性格。彼からすれば、一人だけだったら、亡くして(無くして)しまったときにもう耐えられないから、という切実な願いというか、猫っぽい理由。シリーズではありますが、まぁ、そこはもう、1冊で満腹かな。
未分類
イハ
2024-02-05T17:27:47+09:00
レイチェル・ウェルズの人気シリーズ、「通い猫アルフィーの奇跡」の感想と記録。
猫もの。
それだけで、猫好きには。。という感じではありますが
「ロンドン・・」と同じく、タイトル通りの展開です。
幸せに暮らしていた飼い猫アルフィーが、飼い主の老婦人を無くしたことで
通い猫になることを決意し、とある通りの4軒の通い猫になる
そこに至るまで苦労もあったりですが、割とあっさりとした内容で進み
念願の通い猫にも、あっさり?成功し、4軒を行き来する生活に苦労を覚えたり。
アルフィーの頑張り?で、結果として4軒(家族)の悩みが解消し、「奇跡」と
なるわけですが、特に何か・・という感じでもない
ただアルフィーの想いや考えは、猫を飼うこちら側からすれば
そう思っていてほしい、とか、そう感じているハズだから大切にしたいとか
実際ねこと暮らしたことのある人には、「あるある」なのでほほえましい。
安心できる「膝」が欲しい、それも複数がいい、というアルフィーは
いかにも猫っぽい性格。
彼からすれば、一人だけだったら、亡くして(無くして)しまったときに
もう耐えられないから、という切実な願いというか、猫っぽい理由。
シリーズではありますが、まぁ、そこはもう、1冊で満腹かな。
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[日記](読書) ロンドン謎解き結婚相談所(アリスン・モントクレア)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-02-03
アリスン・モントクレアの人気シリーズ、「ロンドン謎解き結婚相談所」の感想と記録。タイトルの通り、なんのヒネリもなく、結婚相談所に入会した女性が殺されたことで結婚相談所の経営者(2名)が捜査を進める物語。面白いのが設定とキャラで時代は第2次世界大戦終戦直後で、まだまだ戦時中の名残があるロンドン、結婚相談所を起業したのが、貴族の一族で5歳の息子をもつ1児の母(未亡人)グウェン、元英国の女性スパイ、アイリスそして、そのアイリスの用心棒的存在のサリー(男性)。アイリスの過去を追う記者だったり、愛人関係の軍人だったり、スパイ活動時の上司だったりの会話で、アイリスの過去が徐々に語られるが謎多き女性そのスキルを活用して、殺された女性の犯人を追う。相棒のグウェンは、名家ではあるものの、夫が戦死したことで一時、精神病を患い、そのことで息子の監護権を、義理の母・父に奪われ現在は退院し、義父母と息子と暮らすものの監護権はなく、肩身の狭い状況この結婚相談所を営むことで自身の完治、そして監護権(養育権的な)を再び手に入れたいと考えている事件そのものは、彼女たちのお客が犯人として逮捕されてしまったため警察の捜査は終了してしまったが、彼女たちの結婚相談所の人気がガタ下がりしまた、客の無実を信じる彼女たちにより、真犯人が浮かび上がってくる、みたいな内容としても、タイトル通り、特にヒネリはない。ただグウェン、アイリスの会話も面白いし、戦後のロンドンの配給制度だったり階級社会だったり、何よりも彼女たちが生き生きしていて楽しい。シリーズなので、今後もチョイチョイ読んでみたい。
日記
イハ
2024-02-03T18:44:03+09:00
アリスン・モントクレアの人気シリーズ、「ロンドン謎解き結婚相談所」の感想と記録。
タイトルの通り、なんのヒネリもなく、結婚相談所に入会した女性が殺されたことで
結婚相談所の経営者(2名)が捜査を進める物語。
面白いのが設定とキャラで
時代は第2次世界大戦終戦直後で、まだまだ戦時中の名残があるロンドン、
結婚相談所を起業したのが、貴族の一族で5歳の息子をもつ1児の母(未亡人)グウェン、
元英国の女性スパイ、アイリス
そして、そのアイリスの用心棒的存在のサリー(男性)。
アイリスの過去を追う記者だったり、愛人関係の軍人だったり、スパイ活動時の
上司だったりの会話で、アイリスの過去が徐々に語られるが謎多き女性
そのスキルを活用して、殺された女性の犯人を追う。
相棒のグウェンは、名家ではあるものの、夫が戦死したことで
一時、精神病を患い、そのことで息子の監護権を、義理の母・父に奪われ
現在は退院し、義父母と息子と暮らすものの監護権はなく、肩身の狭い状況
この結婚相談所を営むことで自身の完治、そして監護権(養育権的な)を
再び手に入れたいと考えている
事件そのものは、彼女たちのお客が犯人として逮捕されてしまったため
警察の捜査は終了してしまったが、彼女たちの結婚相談所の人気がガタ下がりし
また、客の無実を信じる彼女たちにより、真犯人が浮かび上がってくる、みたいな
内容としても、タイトル通り、特にヒネリはない。
ただグウェン、アイリスの会話も面白いし、戦後のロンドンの配給制度だったり
階級社会だったり、何よりも彼女たちが生き生きしていて楽しい。
シリーズなので、今後もチョイチョイ読んでみたい。
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[日記](読書) 滅ぼす(ミシェル・ウエルベック)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-01-21
フランスの大物作家・ミシェル・ウエルベック、「滅ぼす」の感想と記録。大物作家らしいのですが、全く存じ上げておらず、たまたま本屋さんで見かけてなぜか気になり読んでみた今作品。結果としては「面白かった」・・・・が?。全くの偏見ですが、いかにもフランス発っぽい作品というか、フランス映画のようで、結局、「何なん?」っていう感じ。出だしから面白い。インターネットに出回った「図形と解読できない文字」とさらに徹底的にリアルに作られた風景映像。非現実的な映像なので「偽物」と分かるが、作りこみは果てしない「リアル」。さらに現職の財務大臣が処刑されるリアルなフェイク動画が出回りフランスの内務省直下の情報機関が調査に乗りだしているところからスタートする。きっとこのサイバーテロ(リスト)を暴いていくんだろうと思ったところ財務大臣の側近・ポール(まもなく50歳)の夫婦関係や、脳梗塞で倒れた父親の看病をめぐり、妹と義弟、年の離れた弟とその妻らの話がメインになっていく。サイバーテロはさらに続き、ついに中国企業のタンカーが魚雷により沈没した動画が公開される。こちらほうは「フェイク」ではなく「リアル」。(ただし、タンカー乗組員はそもそも脱出しているようで死者数ゼロ)一方、財務大臣のほうは、間近に迫った次期大統領選に出馬するのかしないのか、など政局の真っ只中にいて、最終的には出馬せず、補佐的な立場から、次期大統領選に参加していく。(事実上のナンバー2という設定なので、選挙自体には大いに参加)ストーリーは、どこに主眼を置いているのか、さっぱりわからずサイバーテロの話も、メインのようでメインでないポールの父親をめぐり、妹の家庭や、とくに弟の、どうしようもな妻が引き起こすトラブルも、どこか中途半端で終わる。上巻がおわるところで「おおおおっ!」って思う展開になって下巻のあたまも「おおお、いよいよ」という感じになるんだけど・・・(前述の通り)結局のところ、全体を通して文化、政治、宗教、その他思想のてんこ盛りのような内容で最終的にはポール自身の話に収束していって、そこまで展開された事柄のすべてどこにも着地しない感じ。救いがない内容なのか、ハッピーエンドなのか。絶縁状態(というか戦争状態)であった妻とは、ポール自身そして妻の両親の悲劇で劇的に関係が劇的に修復し、仲睦まじい夫婦関係に戻ることができた。よくある話でその直後に、ポールの病が発覚する。妻との関係が修復さ..
日記
イハ
2024-01-21T16:40:07+09:00
フランスの大物作家・ミシェル・ウエルベック、「滅ぼす」の感想と記録。
大物作家らしいのですが、全く存じ上げておらず、たまたま
本屋さんで見かけてなぜか気になり読んでみた今作品。
結果としては「面白かった」・・・・が?。
全くの偏見ですが、いかにもフランス発っぽい作品というか、
フランス映画のようで、結局、「何なん?」っていう感じ。
出だしから面白い。インターネットに出回った「図形と解読できない文字」と
さらに徹底的にリアルに作られた風景映像。非現実的な映像なので「偽物」と
分かるが、作りこみは果てしない「リアル」。
さらに現職の財務大臣が処刑されるリアルなフェイク動画が出回り
フランスの内務省直下の情報機関が調査に乗りだしているところからスタートする。
きっとこのサイバーテロ(リスト)を暴いていくんだろうと思ったところ
財務大臣の側近・ポール(まもなく50歳)の夫婦関係や、
脳梗塞で倒れた父親の看病をめぐり、妹と義弟、年の離れた弟とその妻らの
話がメインになっていく。
サイバーテロはさらに続き、ついに中国企業のタンカーが魚雷により沈没した
動画が公開される。こちらほうは「フェイク」ではなく「リアル」。
(ただし、タンカー乗組員はそもそも脱出しているようで死者数ゼロ)
一方、財務大臣のほうは、間近に迫った次期大統領選に出馬するのか
しないのか、など政局の真っ只中にいて、最終的には出馬せず、
補佐的な立場から、次期大統領選に参加していく。
(事実上のナンバー2という設定なので、選挙自体には大いに参加)
ストーリーは、どこに主眼を置いているのか、さっぱりわからず
サイバーテロの話も、メインのようでメインでない
ポールの父親をめぐり、妹の家庭や、とくに弟の、どうしようもな妻が引き起こす
トラブルも、どこか中途半端で終わる。
上巻がおわるところで「おおおおっ!」って思う展開になって
下巻のあたまも「おおお、いよいよ」という感じになるんだけど・・・(前述の通り)
結局のところ、全体を通して
文化、政治、宗教、その他思想のてんこ盛りのような内容で
最終的にはポール自身の話に収束していって、そこまで展開された事柄のすべて
どこにも着地しない感じ。
救いがない内容なのか、ハッピーエンドなのか。
絶縁状態(というか戦争状態)であった妻とは、ポール自身そして
妻の両親の悲劇で劇的に関係が劇的に修復し、
仲睦まじい夫婦関係に戻ることができた。
よくある話でその直後に、ポールの病が発覚する。
妻との関係が修復され幸せな日々(とその直後の悲劇まで)をおくるポールは、
それまでに弟を亡くし(自殺)、大臣側近の職も休職(弟の妻の行動により)に
追いやられ、などなど散々。
一方、上巻の最後で一気に加速するであろう展開をみせた
テロ事件はどこか尻すぼみでメインストーリーからフェイドアウトしていき
読み終わったあとに「あれれ?」というようになる。
面白かったけど、「何なん?」っていう感じ(前述の通り)
私の読解力が単にない、というだけなのかもしれない。
映画にすると、ポールの姪は、10代に人気のフランス人女優が演じてたり
それ目当てで映画館に行ったりしそう(私が若い頃には)。
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[日記](読書) 警部ヴィスティング・疑念(ヨルン・リーエル・ホルスト)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-01-18
警部ヴィスティング・シリーズの最新作(和訳)「疑念」の感想と記録。今回は1999年夏におこった若い女性の殺害事件現在起こっている放火事件、中年の女性の行方不明(のちに殺害)事件の2つが柱。警部ヴィスティングは休暇中ではあったが、自宅に一通の手紙が届くことから過去の事件と、過去自身が扱った事件の関連性、そして冤罪の可能性に発展してく。一方、中年の行方不明事件に関しては、休暇中のことから信頼する同僚にまかせ、過去の事件に注力して、状況確認、ときにアドバイスを送る程度で進んでいく。冤罪か否か。当時の関係者や調査書類を紐解くと、証拠品にあやふやな点が多くその後発生した同様の手口で捕まった(ヴィスティングが解決)犯人との関連性につよく「疑念」があることが、今回、新たに調査した結果発覚する。とはいっても、ヴィスティング自身が「明晰な頭脳」や「科学力」などを駆使して新発見をするのではなく、真実を知る人間からの「手紙」をもとに真実(証拠品)を探しだしていく。このシリーズには特に気をてらったようなトリック、展開は少ないと思う。今回もヴィスティングは、事実を確認するために渡米したり、事件現場や関係する場所を地道に訪れ、聞き込みをし、ときに機転を働かせて解決に持っていく。今回は冤罪と、ドキュメント作品をつくる側の思惑、出世競争がテーマかな、と。とくに「(映像)フェイク」というところもついており今っぽい内容かな、と思う。最後の最後で、もう一つの事件(同僚たちの機転や実力)がからみクライマックスに突入するあたりは、一気に読んでしまう。気をてらった作品ではないものの、一気読みできるところがこの作家(ヨルン・リーエル・ホルスト)の腕なのかなぁ、と思ってみたり。
日記
イハ
2024-01-18T08:26:19+09:00
警部ヴィスティング・シリーズの最新作(和訳)「疑念」の感想と記録。
今回は1999年夏におこった若い女性の殺害事件
現在起こっている放火事件、中年の女性の行方不明(のちに殺害)事件の2つが柱。
警部ヴィスティングは休暇中ではあったが、自宅に一通の手紙が届くことから
過去の事件と、過去自身が扱った事件の関連性、そして冤罪の可能性に発展してく。
一方、中年の行方不明事件に関しては、休暇中のことから
信頼する同僚にまかせ、過去の事件に注力して、状況確認、ときにアドバイスを
送る程度で進んでいく。
冤罪か否か。
当時の関係者や調査書類を紐解くと、証拠品にあやふやな点が多く
その後発生した同様の手口で捕まった(ヴィスティングが解決)犯人との関連性に
つよく「疑念」があることが、今回、新たに調査した結果発覚する。
とはいっても、ヴィスティング自身が「明晰な頭脳」や「科学力」などを
駆使して新発見をするのではなく、真実を知る人間からの「手紙」をもとに
真実(証拠品)を探しだしていく。
このシリーズには特に気をてらったようなトリック、展開は少ないと思う。
今回もヴィスティングは、事実を確認するために渡米したり、
事件現場や関係する場所を地道に訪れ、聞き込みをし、ときに機転を働かせて
解決に持っていく。
今回は冤罪と、ドキュメント作品をつくる側の思惑、出世競争がテーマかな、と。
とくに「(映像)フェイク」というところもついており
今っぽい内容かな、と思う。
最後の最後で、もう一つの事件(同僚たちの機転や実力)がからみ
クライマックスに突入するあたりは、一気に読んでしまう。
気をてらった作品ではないものの、一気読みできるところが
この作家(ヨルン・リーエル・ホルスト)の腕なのかなぁ、と思ってみたり。
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[日記](読書) 不夜島・ナイトランド(荻堂顕)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-01-13
日本のSF作品、「不夜島・ナイトランド」の感想と記録。素直に面白かった。電脳、義体などなど、押井守作品のような世界観。舞台は与那国島の久部良が中心となっていて、近海の台湾に物語後半からは舞台を移動し、最後は再び与那国にもどり最終決戦。第2次世界大戦終結後、与那国は台湾や本島との密貿易で大繁盛していた。密貿易の大物ブローカーであるウー(台湾からの移民)は、雇主である台湾に住む大物組織を介して、米国中佐から「ポジティビティ」と呼ばれる得体の知れないものを手に入れるよう指示を受ける。(そもそも、ウーの雇主は、米国中佐)ウーは、ブローカー仲間や友人、知人、そしてウー同様、米国中佐からの指示で久部良に赴任した毛利巡査とともに「ポジティビティ」を探っていく。魅力的な登場人物が多数登場し、基本的には全ての伏線を回収していく展開。いたるところに、台湾文化(言葉)や漢字表現だったりが登場して若干読みにくいところはあるものの、フリガナが丁寧にふってあって基本的にはスムーズに読めたと思う。ただなんとなく登場人物の結末が分ってしまうような流れなのでそのあたりは少し残念(物足りなさ)ではあるものの第2次世界大戦終結直後の与那国、台湾を舞台に電脳ワールドを展開しているなんて、かっこいい。しっかり日本統治の時代背景もあったりアメリカ、ソ連、中国の関係だったり、バランスも良かった。途中、誰のセリフかわからないような表現で「?」が付くところもあったけど多分、それは私の読解力が無かったせいだと思う。あと賭博のシーンなんかは、正直読み飛ばすしかなかった・・・麻雀(チックな)の役満とかわからないし・・。でも総じて面白くて、この世界観であと2作品くらいは読めそうなので是非ともパラレルワールドの作品(シリーズ)を発表して欲しい気もする。とりあえず、他作品も評価が高いので読んでみよう。
日記
イハ
2024-01-13T20:57:16+09:00
日本のSF作品、「不夜島・ナイトランド」の感想と記録。
素直に面白かった。
電脳、義体などなど、押井守作品のような世界観。
舞台は与那国島の久部良が中心となっていて、近海の台湾に物語後半からは
舞台を移動し、最後は再び与那国にもどり最終決戦。
第2次世界大戦終結後、与那国は台湾や本島との密貿易で大繁盛していた。
密貿易の大物ブローカーであるウー(台湾からの移民)は、
雇主である台湾に住む大物組織を介して、
米国中佐から「ポジティビティ」と呼ばれる得体の知れないものを手に入れるよう
指示を受ける。(そもそも、ウーの雇主は、米国中佐)
ウーは、ブローカー仲間や友人、知人、そしてウー同様、米国中佐からの指示で
久部良に赴任した毛利巡査とともに「ポジティビティ」を探っていく。
魅力的な登場人物が多数登場し、基本的には全ての伏線を回収していく展開。
いたるところに、台湾文化(言葉)や漢字表現だったりが登場して
若干読みにくいところはあるものの、フリガナが丁寧にふってあって
基本的にはスムーズに読めたと思う。
ただなんとなく登場人物の結末が分ってしまうような流れなので
そのあたりは少し残念(物足りなさ)ではあるものの
第2次世界大戦終結直後の与那国、台湾を舞台に
電脳ワールドを展開しているなんて、かっこいい。
しっかり日本統治の時代背景もあったり
アメリカ、ソ連、中国の関係だったり、バランスも良かった。
途中、誰のセリフかわからないような表現で「?」が付くところもあったけど
多分、それは私の読解力が無かったせいだと思う。
あと賭博のシーンなんかは、正直読み飛ばすしかなかった・・・
麻雀(チックな)の役満とかわからないし・・。
でも総じて面白くて、この世界観であと2作品くらいは読めそうなので
是非ともパラレルワールドの作品(シリーズ)を発表して欲しい気もする。
とりあえず、他作品も評価が高いので読んでみよう。
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[日記](読書) 黒い錠剤(パスカル・エングマン)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-01-08
北欧ミステリ。パスカル・エングマンの「黒い錠剤」の感想と記録。パスカル・エングマンは、すでに本国スウェーデンでは人気作家でこの作品は、「ヴァネッサ・フランク」シリーズの第2作目ということらしい。※日本では、この第2作目が初翻訳っぽい第2作目なので、主人公の国家警察殺人警察課・ヴァネッサ警部とその友人でもあり元軍人のニコラスや、ヴァネッサ自身の家族(娘が死んでいる、養女もいある)の詳細な経緯が良くわからない・・・残念。ただそういった経緯が分からなくとも、この作品自体はストーリーがよくできているので、素直に面白かった。北欧ミステリっぽい、多数の人物の行動が徐々にひとつにつながる展開だし、そもそもの題材も、ぽいですし。ヴァネッサは重大犯罪捜査班からの協力要請で、とある女性の殺人捜査にあたる。女性は暴力行為などで収監されている夫が仮釈放中に殺されていたため夫の犯行と考えられていたが、一方で、捜査を進める中で、ヴァネッサはジャーナリストの女性から夫の確固たるアリバイを知る(女性が殺害時間に別の場所にいた(レイプされていた))ストーリーは、ニコラスの日常、人気TV司会者で別の殺人事件で容疑者となるオスカルの日常、「トム」という全く「モテない」男性の日常が絡んでいく登場人物が非常に多くて覚えるのが大変。ただ、「トム」が何からしらの事件に絡んでいることは分かりますしストーリー展開も巧みで、どんどん、読み進むことが出来た。タイトルの「黒い錠剤」というのは、そういう事だったんだね、という感じでしたし。是非、この作家さんやこのシリーズをどんどん発売して欲しい。
日記
イハ
2024-01-08T16:55:10+09:00
北欧ミステリ。パスカル・エングマンの「黒い錠剤」の感想と記録。
パスカル・エングマンは、すでに本国スウェーデンでは人気作家で
この作品は、「ヴァネッサ・フランク」シリーズの第2作目ということらしい。
※日本では、この第2作目が初翻訳っぽい
第2作目なので、主人公の国家警察殺人警察課・ヴァネッサ警部とその友人でもあり
元軍人のニコラスや、ヴァネッサ自身の家族(娘が死んでいる、養女もいある)の
詳細な経緯が良くわからない・・・残念。
ただそういった経緯が分からなくとも、
この作品自体はストーリーがよくできているので、素直に面白かった。
北欧ミステリっぽい、多数の人物の行動が徐々にひとつにつながる展開だし、
そもそもの題材も、ぽいですし。
ヴァネッサは重大犯罪捜査班からの協力要請で、とある女性の殺人捜査にあたる。
女性は暴力行為などで収監されている夫が仮釈放中に殺されていたため
夫の犯行と考えられていたが、
一方で、捜査を進める中で、ヴァネッサはジャーナリストの女性から
夫の確固たるアリバイを知る(女性が殺害時間に別の場所にいた(レイプされていた))
ストーリーは、ニコラスの日常、人気TV司会者で別の殺人事件で容疑者となる
オスカルの日常、「トム」という全く「モテない」男性の日常が絡んでいく
登場人物が非常に多くて覚えるのが大変。
ただ、「トム」が何からしらの事件に絡んでいることは分かりますし
ストーリー展開も巧みで、どんどん、読み進むことが出来た。
タイトルの「黒い錠剤」というのは、そういう事だったんだね、という感じでしたし。
是非、この作家さんやこのシリーズをどんどん発売して欲しい。
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[日記](読書) 老いた殺し屋の祈り(マルコ・マルターニ)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2024-01-02
2024年の最初の感想。マルコ・マルターニの「老いた殺し屋の祈り」。マルコ・マルターニ氏は、イタリア人でテレビドラマや映画の脚本家として長く活躍しているものの、小説としては本作品がデビュー作ということらしい。本作品は犯罪小説(ノワール)で、タイトルの通り老いて心臓発作のため緊急入院(手術)したひとりの殺し屋の話。その組織の殺し屋・オルソ(熊という意味らしい)は、圧倒的な活躍から組織のボスからも重宝され、引退をほのめかすオルソを強く引き留める。オルソは40年前愛し、そして別れた女性とその間にできた娘に会いたいとボス・ロッソに告げる。ロッソは40年前に自身に従うか、それとも女性(とその娘)と生きるか、の選択を迫り、オルソを従わせていた。勿論、オルソが最愛のものと生きるということは、ロッソの怒りを買い必ず酷い死にざまをむかえるという脅しを付けて。ロッソの性格上と権力を承知しているオルソには選択の余地はなかったのだが今回はロッソが、40年後(今現在)、オルソがその女性たちの安否を調べてほしいという願いを受入れ、オルソの友人でもある情報屋に調べさせた二人の現況についての情報を与える。(勿論、組織にとどまることを前提に)当然、オルソはロッソを裏切るカタチで、教えてもらった住所に旅立つがその道中で自身を追う者たちから襲撃される。オルソは襲撃者から、かつてロッソと縄張り争いでもめたイタリア南部の組織であることを突き止め、立ち寄ったジェノバで決着を付けようとするがそこで小さなホテルを営む母子に出会い・・・。ノワール小説らしく「どう考えても不幸が見える」王道ストーリー。40年前に別れた女性と、その娘に出会えるのか今出会った女性とその息子との関係性はどうするのかボス、そして敵対する組織からの刺客との行く末は。分かりますよね?的なストーリーを、ドラマチックに進んでいく。情報屋からもらった情報の住所と写真を手掛かりについに・・・が、意外な展開と真実で、まさに王道破滅ストーリー。でも、面白い。本作品の結末は、なかなか、形容しがたい感じですけど、いかにも、映像作品の脚本を長くやっている人らしい後読感を与えてくれる。改めて面白い、良い作品だった。
日記
イハ
2024-01-02T12:15:24+09:00
2024年の最初の感想。
マルコ・マルターニの「老いた殺し屋の祈り」。
マルコ・マルターニ氏は、イタリア人でテレビドラマや映画の脚本家として
長く活躍しているものの、小説としては本作品がデビュー作ということらしい。
本作品は犯罪小説(ノワール)で、タイトルの通り老いて心臓発作のため
緊急入院(手術)したひとりの殺し屋の話。
その組織の殺し屋・オルソ(熊という意味らしい)は、
圧倒的な活躍から組織のボスからも重宝され、引退をほのめかすオルソを
強く引き留める。
オルソは40年前愛し、そして別れた女性とその間にできた娘に会いたいと
ボス・ロッソに告げる。ロッソは40年前に自身に従うか、それとも
女性(とその娘)と生きるか、の選択を迫り、オルソを従わせていた。
勿論、オルソが最愛のものと生きるということは、ロッソの怒りを買い
必ず酷い死にざまをむかえるという脅しを付けて。
ロッソの性格上と権力を承知しているオルソには選択の余地はなかったのだが
今回はロッソが、40年後(今現在)、オルソがその女性たちの安否を
調べてほしいという願いを受入れ、オルソの友人でもある情報屋に調べさせた
二人の現況についての情報を与える。(勿論、組織にとどまることを前提に)
当然、オルソはロッソを裏切るカタチで、教えてもらった住所に旅立つが
その道中で自身を追う者たちから襲撃される。
オルソは襲撃者から、かつてロッソと縄張り争いでもめたイタリア南部の
組織であることを突き止め、立ち寄ったジェノバで決着を付けようとするが
そこで小さなホテルを営む母子に出会い・・・。
ノワール小説らしく「どう考えても不幸が見える」王道ストーリー。
40年前に別れた女性と、その娘に出会えるのか
今出会った女性とその息子との関係性はどうするのか
ボス、そして敵対する組織からの刺客との行く末は。
分かりますよね?的なストーリーを、ドラマチックに進んでいく。
情報屋からもらった情報の住所と写真を手掛かりに
ついに・・・が、意外な展開と真実で、まさに王道破滅ストーリー。
でも、面白い。
本作品の結末は、なかなか、形容しがたい感じですけど、
いかにも、映像作品の脚本を長くやっている人らしい
後読感を与えてくれる。
改めて面白い、良い作品だった。
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[日記](読書) 特命指揮官(梶永正史)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2023-12-27
ウミドリ(空の海上保安官)の作家さんのシリーズもの、「特命指揮官(警視庁捜査二課・郷間彩香)」の感想と記録。女性警察官が活躍する小説も、最近大変増えた気がしますが、この作品もその一つのよう。主に窃盗や詐欺関連を主戦場とすることから電卓女、化粧が落ちた(眉毛が半分消えかけた)半マロなど、不本意な異名?をもつ捜査二課の主任代理・郷間彩香。父親も警察官で敏腕をふるっていたこともアリ、自身も警察官になり30歳で昇進、現ポジション(主任代理)までたどり着いた。猛暑続く夏のある日、部下から飲みの誘いを受けたところでかつて配属された渋谷で銀行強盗(人質立てこもり)事件が発生し、元同僚を心配するなか、自身が犯人から公証人として指名されたことを知る。渋谷界隈中心に話が進み、劇場型で大変ドラマチック。読むタイミングがバッチリだったら、余計に面白かったのになぁ、と残念。というのは、警視庁、警察庁や政治家を巻き込んだ「黒幕」だったりが一昔前の設定で、ちょっとクライマックスに行けば行くほど今の時代ではがっかり感が増していくし、きっと・・という展開だったりする。ただキャラたちの会話で、読ませていく感じなので面白くないわけでもないという感じ。「このミス」の受賞作品でもあるので、大変ライトな、日本らしい小説。主人公の郷間さんも、天才的、無駄に美人、強引とかもなくいい意味で普通な感じが、今の時代、いいのかな、と思ったりもする。ただ展開的(物量的)には、カリン・スローターだったり、海外の小説だったらこの銀行強盗を発端にして、どんどん、同僚だったり自身の身の回りだったりで、事件が発生、発展していく感じなんだけど終始銀行強盗で終わってしまうのが、日本の小説っぽい。悪くはないんだけど、ハードカバーで1400円か・・と思ってしまう。でも続きも気になる。今後も気にしてみよう、、。
日記
イハ
2023-12-27T14:40:40+09:00
ウミドリ(空の海上保安官)の作家さんのシリーズもの、
「特命指揮官(警視庁捜査二課・郷間彩香)」の感想と記録。
女性警察官が活躍する小説も、最近大変増えた気がしますが、この作品もその一つのよう。
主に窃盗や詐欺関連を主戦場とすることから電卓女、
化粧が落ちた(眉毛が半分消えかけた)半マロなど、不本意な異名?をもつ
捜査二課の主任代理・郷間彩香。
父親も警察官で敏腕をふるっていたこともアリ、自身も警察官になり
30歳で昇進、現ポジション(主任代理)までたどり着いた。
猛暑続く夏のある日、部下から飲みの誘いを受けたところで
かつて配属された渋谷で銀行強盗(人質立てこもり)事件が発生し、
元同僚を心配するなか、
自身が犯人から公証人として指名されたことを知る。
渋谷界隈中心に話が進み、劇場型で大変ドラマチック。
読むタイミングがバッチリだったら、余計に面白かったのになぁ、と残念。
というのは、警視庁、警察庁や政治家を巻き込んだ「黒幕」だったりが
一昔前の設定で、ちょっとクライマックスに行けば行くほど
今の時代ではがっかり感が増していくし、きっと・・という展開だったりする。
ただキャラたちの会話で、読ませていく感じなので
面白くないわけでもないという感じ。
「このミス」の受賞作品でもあるので、大変ライトな、日本らしい小説。
主人公の郷間さんも、天才的、無駄に美人、強引とかもなく
いい意味で普通な感じが、今の時代、いいのかな、と思ったりもする。
ただ展開的(物量的)には、カリン・スローターだったり、海外の小説だったら
この銀行強盗を発端にして、どんどん、同僚だったり
自身の身の回りだったりで、事件が発生、発展していく感じなんだけど
終始銀行強盗で終わってしまうのが、日本の小説っぽい。
悪くはないんだけど、ハードカバーで1400円か・・と思ってしまう。
でも続きも気になる。
今後も気にしてみよう、、。
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[日記](読書) 処刑台広場の女(マーティン・エドワーズ)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2023-12-22
英国推理小説界の巨匠という触れ込みで、実際、同国のダイヤモンド・ダガー賞も受賞している、マーティン・エドワーズの「処刑台広場の女」の感想と記録。この作家さん、私は全く存じ上げておりませんでしたけど・・・。表紙がかっこよくて、上流階級の女性(イイ女!)が振返っている感じ。こういうセンス好きですねぇ・・1930年代のロンドンを中心に、女性を狙った残虐事件が発生するその真犯人を警察に告げる上流階級(自殺した判事の娘で多額の遺産を相続)の女性、レイチェル。そしてレイチェルを追うゴシップ新聞の若い記者、フリント。新たな事件が発生し、そこに行くようフリントにメッセージを送るレイチェル何らかのつながりを追うフリント。彼が追いかける人物は次口に逃亡、そして非業の死を遂げるさらにレイチェルに絡む上流階級の人間も非業の死を遂げ・・・さらにさらには、自身も命を狙われる。途中、1919年の女性(ジュリエッタ)が書いた「日記」が挟まれレイチェルと判事、そして使用人の孤島生活というか若きレイチェルがあからさまに「悪人」(という雰囲気を匂わせた内容)が語られる。10代ですでにキレッキレの悪人ぶりのレイチェル。普通の小説ならば、ロンドンに舞い戻ったアタマのいいレイチェルが何らかの目的(恐らく復讐)で、上流階級の人間を次々に殺し、さらにその罪を、別の上流階級にかぶせ、さらに殺していく復讐劇と、その事件を追う記者、そして「恋」みたいな感じで興ざめなんですが途中で、「やっぱりか・・」から「あれ?」という展開から、「そっちか」と思わせて・・みたいな感じになるので面白い。最終的にはレイチェル、、、「あなたは誰だっけ?」みたいな結末。解説を読むとどうやらこれはシリーズものらしいので、このあとレイチェル・・・が、どういう人生を送るのか、早く読みたい。なるほど、巨匠。面白いですねぇ~
日記
イハ
2023-12-22T07:43:25+09:00
英国推理小説界の巨匠という触れ込みで、実際、同国のダイヤモンド・ダガー賞も
受賞している、マーティン・エドワーズの「処刑台広場の女」の感想と記録。
この作家さん、私は全く存じ上げておりませんでしたけど・・・。
表紙がかっこよくて、上流階級の女性(イイ女!)が振返っている感じ。
こういうセンス好きですねぇ・・
1930年代のロンドンを中心に、女性を狙った残虐事件が発生する
その真犯人を警察に告げる上流階級(自殺した判事の娘で多額の遺産を相続)の女性、
レイチェル。そしてレイチェルを追うゴシップ新聞の若い記者、フリント。
新たな事件が発生し、そこに行くようフリントにメッセージを送るレイチェル
何らかのつながりを追うフリント。
彼が追いかける人物は次口に逃亡、そして非業の死を遂げる
さらにレイチェルに絡む上流階級の人間も非業の死を遂げ・・・
さらにさらには、自身も命を狙われる。
途中、1919年の女性(ジュリエッタ)が書いた「日記」が挟まれ
レイチェルと判事、そして使用人の孤島生活というか
若きレイチェルがあからさまに「悪人」(という雰囲気を匂わせた内容)が語られる。
10代ですでにキレッキレの悪人ぶりのレイチェル。
普通の小説ならば、ロンドンに舞い戻った
アタマのいいレイチェルが何らかの目的(恐らく復讐)で、上流階級の人間を
次々に殺し、さらにその罪を、別の上流階級にかぶせ、さらに殺していく
復讐劇と、その事件を追う記者、そして「恋」みたいな感じで興ざめなんですが
途中で、「やっぱりか・・」から「あれ?」という展開から、
「そっちか」と思わせて・・みたいな感じになるので面白い。
最終的にはレイチェル、、、「あなたは誰だっけ?」みたいな結末。
解説を読むとどうやらこれはシリーズものらしいので、このあと
レイチェル・・・が、どういう人生を送るのか、早く読みたい。
なるほど、巨匠。
面白いですねぇ~
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[日記](読書) グレイラットの殺人(M・W・クレイブン)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2023-12-17
M・W・クレイブンの国家犯罪対策庁・重大犯罪分析課・W・ポー・シリーズの第4作目「グレイラットの殺人」の感想と記憶。4作目・・・なんですけど、過去の作品をほとんど覚えていない。カンブリア州にある遺跡(ストーンサークル)と主人公ポー(と父親との関係)、分析課の同僚で、(可愛い)スーパーハッカーのティリーと上司・フリン程度。そんな程度の記憶でも今回の作品はとっても面白かった。冒頭はミステリー作品らしく、わけのわからないシーンからスタート。貸金庫を襲う役者の仮面をかぶった強盗たち。わけのわからないヤリトリが続き、仲間割れが発生(1名死亡)そしてリーダー各の男が、「ラット」の置物を置く(殺人以外、盗まれたものはない)場面は変わり、首脳会議が開かれる地域で起こった撲殺事件に半ば強引に呼ばれるポーたち。各国、そして米国首脳が出席することからFBIそしてMI5の捜査員とともに撲殺事件の犯人捜査に乗り出すポー。事件現場の不審な状況から、MI5捜査員を逮捕するポー。妨害するMI5証拠品(ラットの置物)から、過去の貸金庫の事件が浮かび上がるが撲殺事件との関係性に悩むポーたち。今回の事件捜査においてもポーのひらめきそしてティリーの凄腕ハッキングと、ほのぼのした会話が大変良い。ポーとティリー以外の登場人物全員が怪しいという状況で最後の最後まで、真犯人が分からない。ポーの会話が良くわからないところも、しっかり伏線になっていて最後に「なるほど」と思わせるのもニクイ。次回作からは、いよいよポーの悲願、自身の出生について少しは明かされるんでしょうか。楽しみに待ちたい。
日記
イハ
2023-12-17T15:48:46+09:00
M・W・クレイブンの国家犯罪対策庁・重大犯罪分析課・W・ポー・シリーズの
第4作目「グレイラットの殺人」の感想と記憶。
4作目・・・なんですけど、過去の作品をほとんど覚えていない。
カンブリア州にある遺跡(ストーンサークル)と主人公ポー(と父親との関係)、
分析課の同僚で、(可愛い)スーパーハッカーのティリーと上司・フリン程度。
そんな程度の記憶でも今回の作品はとっても面白かった。
冒頭はミステリー作品らしく、わけのわからないシーンからスタート。
貸金庫を襲う役者の仮面をかぶった強盗たち。
わけのわからないヤリトリが続き、仲間割れが発生(1名死亡)
そしてリーダー各の男が、「ラット」の置物を置く(殺人以外、盗まれたものはない)
場面は変わり、首脳会議が開かれる地域で起こった撲殺事件に
半ば強引に呼ばれるポーたち。各国、そして米国首脳が出席することからFBIそして
MI5の捜査員とともに撲殺事件の犯人捜査に乗り出すポー。
事件現場の不審な状況から、MI5捜査員を逮捕するポー。
妨害するMI5
証拠品(ラットの置物)から、過去の貸金庫の事件が浮かび上がるが
撲殺事件との関係性に悩むポーたち。
今回の事件捜査においてもポーのひらめき
そしてティリーの凄腕ハッキングと、ほのぼのした会話が大変良い。
ポーとティリー以外の登場人物全員が怪しいという状況で
最後の最後まで、真犯人が分からない。
ポーの会話が良くわからないところも、しっかり伏線になっていて
最後に「なるほど」と思わせるのもニクイ。
次回作からは、いよいよポーの悲願、自身の出生について
少しは明かされるんでしょうか。
楽しみに待ちたい。
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[日記](読書) ウミドリ・空の海上保安官(梶永正史)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2023-12-13
久しぶりに日本人作家、梶永正史の「ウミドリ・空の海上保安官」の感想と記録。海外ミステリを読んでいると、ときどき、ふと、日本の小説も読みたくなる。日本の小説は、いい意味でも悪い意味でも、「読み易く」結末も分かりやすいので海外ミステリの合間の休憩に適していると思う。今回もいかにも日本の小説っぽい感じだった。冒頭、海上保安庁のヘリが、クルージング中に消息不明となった男性を救うがパイロットの危険操縦を問われる。いかにも主人公っぽい"暴走"できっとこれが結末の布石になるのだろうと、おのずと分かる展開。もう一人の主人公は、同じく海上保安庁で働く通信士の女性主人公のパイロットとは、自身の姉の「恋人」ということで浅からぬ関係があるこの二人は違う立場から、南大東島付近で漂流(のちに沈没)していたタンカーを追うことになり、これがきっかけで、3人目の主人公であり、同じく海上保安庁から公安に出向した捜査員とともにテロ事件を防ぐために活躍する、という物語。大まかなストーリーは、目を瞑ってもわかる感じの王道エンタメでついつい、海外ミステリだったら、もっとテロ組織を細かくとかもっと中国との関係を、日本政府と絡めて、大事になったり・・とか妄想は尽きないのですが、落ちると処に落ち、登場人物たちも予想通りの活躍をし、そして、綺麗な結末という、大団円。海外ミステリが良い、というわけではないのですがこの小説で、1800円。海外ミステリの文庫本で1000円程度だったらそっちを買うよね・・・と思ってしまいます。今時のドラマでもないくらい、スッキリストーリーですから。ただこの作品のなかで、実際の展開でこういうことが起こるのか分からないのですが、尖閣諸島の海域を巡り、中国側との会話や心情については大変面白かったです。
日記
イハ
2023-12-13T16:44:32+09:00
久しぶりに日本人作家、梶永正史の「ウミドリ・空の海上保安官」の感想と記録。
海外ミステリを読んでいると、ときどき、ふと、日本の小説も読みたくなる。
日本の小説は、いい意味でも悪い意味でも、「読み易く」結末も分かりやすいので
海外ミステリの合間の休憩に適していると思う。
今回もいかにも日本の小説っぽい感じだった。
冒頭、海上保安庁のヘリが、クルージング中に消息不明となった男性を救うが
パイロットの危険操縦を問われる。いかにも主人公っぽい"暴走"で
きっとこれが結末の布石になるのだろうと、おのずと分かる展開。
もう一人の主人公は、同じく海上保安庁で働く通信士の女性
主人公のパイロットとは、自身の姉の「恋人」ということで浅からぬ関係がある
この二人は違う立場から、南大東島付近で漂流(のちに沈没)していたタンカーを
追うことになり、これがきっかけで、
3人目の主人公であり、同じく海上保安庁から公安に出向した捜査員とともに
テロ事件を防ぐために活躍する、という物語。
大まかなストーリーは、目を瞑ってもわかる感じの王道エンタメで
ついつい、海外ミステリだったら、もっとテロ組織を細かくとか
もっと中国との関係を、日本政府と絡めて、大事になったり・・とか
妄想は尽きないのですが、
落ちると処に落ち、登場人物たちも予想通りの活躍をし、
そして、綺麗な結末という、大団円。
海外ミステリが良い、というわけではないのですが
この小説で、1800円。海外ミステリの文庫本で1000円程度だったら
そっちを買うよね・・・と思ってしまいます。
今時のドラマでもないくらい、スッキリストーリーですから。
ただこの作品のなかで、実際の展開でこういうことが起こるのか
分からないのですが、尖閣諸島の海域を巡り、中国側との会話や心情については
大変面白かったです。
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[日記](読書) アリス連続殺人(ギジェルモ・マルチネス)
https://karensuirenalice.blog.ss-blog.jp/2023-12-12
アルゼンチン作家、ギジェルモ・マルチネスの「オックスフォード連続殺人」の続編、「アリス連続殺人」の感想と記録。個人的には、前作よりも今作のほうが面白いと感じた。今回はルイス・キャロルが好きな同胞団と、前作の主人公である「私」そして前作でも登場した数学者(数理論理学教授)のセルダムが主な登場人物。セルダムもルイス・キャロルの同胞団の1人で同胞団のアシスタント大学生が、このほど発見したとされる「新たな証拠」について主人公である「私」に筆跡鑑定を依頼する。(「私」が筆跡鑑定に関する研究をしていたため)「新た証拠」、ルイス・キャロルの性癖疑惑の新証拠の"紙片"をもとにルイス・キャロルの小説にちなんだ連続殺人が発生してく・・・。新証拠を発見したアシスタントから、同胞団はその内容について説明する会合を設けるがアシスタント(女性)は交通事故にあい一命はとりとめたものの、下半身不随となってしまう。セルダム教授は、交通事故ではなく他殺を疑い、犯人捜査をするためにアシスタントから紙片の内容を聞き出すよう「私」に依頼するが、拒絶される。そうこうするうちに、同胞団が発刊するルイス・キャロル関連の書籍の発刊を担っていたメンバーが毒殺され、ルイス・キャロルの性癖を暴こうとする記者も残虐な手口で殺される。そしてそこにはルイス・キャロルの性癖に関連する写真が届いており、同胞団メンバーにも同様の写真が送り付けられる・・みたいな、感じのストーリーでしたが、前作よりも結末のモヤモヤ感がないのがよいし、前作では気合の入ったフェルマーの最終定理やらの数理の説明も程ほどなのも良い。但しハッピーエンドでもないので、結末自体は少し寂しい。でも面白かった。
日記
イハ
2023-12-12T08:57:31+09:00
アルゼンチン作家、ギジェルモ・マルチネスの「オックスフォード連続殺人」の続編、
「アリス連続殺人」の感想と記録。
個人的には、前作よりも今作のほうが面白いと感じた。
今回はルイス・キャロルが好きな同胞団と、前作の主人公である「私」そして
前作でも登場した数学者(数理論理学教授)のセルダムが主な登場人物。
セルダムもルイス・キャロルの同胞団の1人で
同胞団のアシスタント大学生が、このほど発見したとされる「新たな証拠」について
主人公である「私」に筆跡鑑定を依頼する。
(「私」が筆跡鑑定に関する研究をしていたため)
「新た証拠」、ルイス・キャロルの性癖疑惑の新証拠の"紙片"をもとに
ルイス・キャロルの小説にちなんだ連続殺人が発生してく・・・。
新証拠を発見したアシスタントから、同胞団はその内容について説明する会合を設けるが
アシスタント(女性)は交通事故にあい
一命はとりとめたものの、下半身不随となってしまう。
セルダム教授は、交通事故ではなく他殺を疑い、犯人捜査をするために
アシスタントから紙片の内容を聞き出すよう「私」に依頼するが、拒絶される。
そうこうするうちに、同胞団が発刊するルイス・キャロル関連の書籍の発刊を
担っていたメンバーが毒殺され、ルイス・キャロルの性癖を暴こうとする記者も
残虐な手口で殺される。そしてそこにはルイス・キャロルの性癖に関連する写真が
届いており、同胞団メンバーにも同様の写真が送り付けられる・・
みたいな、感じのストーリーでしたが、
前作よりも結末のモヤモヤ感がないのがよいし、
前作では気合の入ったフェルマーの最終定理やらの数理の説明も程ほどなのも良い。
但しハッピーエンドでもないので、結末自体は少し寂しい。
でも面白かった。
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