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[日記](読書) 7月のダークライド(ルー・バーニー) [日記]


過去読んだ2作品が大変面白かった記憶がある、ルー・バーニーの新作
「7月のダークライド」の感想と記録。

過去の2作品もノワール作品というのか、とにかく「破滅」に向かっていく物語で
「11月に去りし者」は、逃げるヤクザと若い母娘の逃避行が面白く
「ガットショットストレート」も服役した主人公と性悪のボス(女性)の関係が
面白かったけど

今回は大学を中退した"自称"アミューズメントパークでアルバイトしている
ハードリー("頑張ることがめったにない"という意味らしい)が
違反切符の手続きで訪れた市庁舎で児童虐待が疑われる子供たちにを見かけたことで
"頑張る"お話し。

幼少のころ母に励まされてきた一方(のちに死別)で
祖父から言われた「期待しなければ、万事OK」みたいな人生を送っており
なぜかこの子供たちを救いたいと思い立つ。

ルー・バーニーらしく、登場人物は魅力的で、突飛な才能はないけれども
それなりに一生懸命生きている人々。だらしないところも多いけど
日常生活ってそんなものよね、という感じ。

ハードリーもどうしようもないフリーターではあるが
愚かな人間ではなく、なんとか、できる範囲で子供たちを救うべく
周囲の協力も得ながら奮闘するが。

結末もルー・バーニーらしい。
ハードリーが手に入れることが出来た最高の幸福は
ハッピーエンドではなかったかもしれない。
子供たちの未来が、このあとどうなったかもわからないけども
ハードリー(とサルヴァトーレ)にとっては
最高の幸福だったんだろうな、と。

ルー・バーニー作品に外れなし。


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