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[日記](読書) サスペンス作家が殺人を邪魔するには(エル・コシマノ) [日記]


エル・コシマノの人気シリーズの2作目、
「サスペンス作家が殺人を邪魔するには」の感想と記録。

英語タイトルだと、むしろ「殺人が増えそう(knocks them dead)」な意味かな、
と思いますが、今回も、フィンレイとそのパートーナー、ヴェロニカ(ヴェロ)が
ドタバタを切り抜けます。

今回は前作からの続きで(というか、2作目も3作目の予告で終わる形式)、
元夫・スティーブンに1作目で登場した怪しげな女性応援フォーラム(ネット)にて
殺人予告(依頼)を解決する、話。

フィンレイは元夫・スティーブンに愛想を尽かしていますが、
幼い長女、息子を守る為、この殺人予告が誰からなのか、を突き止めようとするが
その中で、遂にその殺人依頼に「返信」があり、スティーブンが命を狙われることに。

まさか、と思いつつも、子供たちのために監視を怠らないヴェロとフィンレイだが
夫の農園に付属するトレーラー(ハウス)が放火される。
監視の目的で不法侵入していた二人も巻き込まれそうになるが、逃げ出す。

二人は、この殺人依頼、返信(実行)が本物であることを悟り
どんどん言動が残念になっていくスティーブンに忠告するが、全く聞き入れられず、
またその調査を進める中で
スティーブンの元婚約者・テレサが、夫名義で借りていた倉庫に
夫の農園のパトロン(共同経営者の名義)のバラバラ死体を発見して・・・・

という流れで、何とか最後まで元夫・スティーブンを守り抜くのと
この殺人依頼者に辿り着く二人、という感じで、大変面白く

ロシアン・マフィアの大物との関係性は継続し
貧困脱出のために、二人が巻き込まれている事件や恋愛(弁護士、刑事)を
モチーフにした本(フィンレイの本業(作家))も、
とんとん拍子?で映画進出も果たしそうなほど勢いを増している。

今回は更に、不思議なパートナー・ヴェロが
なぜお金に執着しているのかが少し垣間見えるので、ますます
シリーズとして面白くなっていく気配。

どうなる3作目。弁護士をとるのか、刑事をとるのか、マフィアとの関係は?
そしてヴェロは??

楽しみです。

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[日記](読書) サスペンス作家が人をうまく殺すには(エル・コシマノ) [日記]


エル・コシマノの人気シリーズ、「サスペンス作家が人をうまく殺すには」の感想と記録。

アメリカ・ヴァージニア州に住む
ロマンティック・サスペンス作家のフィンレイ・ドノヴァンは、早朝から
4歳(娘)と2歳(息子)の子育てに奮闘("人を殺したい気分で")している。

というのも、夫とは離婚し、親権は夫とその継母(の予定。現婚約者)に行く予定くらい
あらゆる支払いが滞っている状態。おかげで、ベビーシッターも来ない。

新作も手が付けられず、今後の手持ちのお金もなく・・エージェントとの打合せにも
遅れそうになるなか、警察官の姉や、元夫に泣きついてなんとか
時間とお金(支払い)をやりくり。

軽食屋でエージェントの打ち合わせのなか、次回作の"ネタ"を話していると
帰り際にメモを渡される。

打合せの内容から、隣の席の女性に勘違いされてしまい
「夫を殺してほしい」という依頼を受ける。依頼料は5万ドル。

勿論、至って普通の倫理観のあるフィンレイは、メモを無視しようとするが
あらゆる事情や偶然が重なり、「結果として」、依頼を達成してしまう。

残ったのは「死体」。
ベビーシッター・ヴェロニカの助け(取引)もあり
元夫が造園事業を営んでいる敷地内で埋める。

さらにここから、とんとん拍子で、恋、執筆活動、そして次の「依頼」が舞い込み
フィンレイとヴェロニカは、のっぴきならない状態に追い込まれていくが・・

面白かったです。
ドタバタな感じが凄くよく、登場人物も嫌味も、無理もない感じが読みやすい。

次作がすでに発売されているので、最終的にハッピーエンドであることは
決まっているのですが、最後の終わり方もまたイイ。

何気に子育て描写がイイ味を出していて、ホームドラマの映画を観ているようでした。

次回作もさっそく読んでみようと思う。
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[日記](読書) 悪い男(アーナルデュル・インドリダソン) [日記]



アーナルデュル・インドリダソンの人気シリーズの最新作、
「悪い男」の感想と記録。

一応、エーレンデュル捜査官シリーズではりますが、エーレンデュルは休暇中という事で
同僚の女性捜査官、エリンボルクが今作では主人公になっている。
舞台は勿論、アイスランド、レイキャビク。

1人の男性が自室で、無残にも首を切って殺されていた。
着衣には、レイプドラッグがあり、この男性が使っていたのか、その結果として
被害者の女性から殺されてしまったのか、エリンボルクが真相を追う。

レイプドラッグの売人の線、
直近にレイプされた女性から事情を聞いたり
殺された被害者(レイプという意味では加害者)の故郷を訪問し
自動車修理工を営む知人、その他知人、母親などの聞き取りをしたり
エーレンデュル同様、エリンボルクは地道は聞き取り、捜査を行う。

捜査を進めるなかで
遂に部屋の中に残されたスカーフとそのスカーフについた匂いから
アイスランドでは珍しい調理器具である線を追い、
男性が殺された際にレイプされた女性(被害者)を見つける。

但しレイプドラッグで意識が無かったことや凶器が見つからないこと
父親が救助に行った際には既に、男性は死んでいたと思われることから
エリンボルクは、この被害者女性と父親を捜査線から外す。

また、この父親から娘の救助の際、「石油」の匂いがしたと告げられ
その匂いが、自動車修理で発生するエンジンオイルに起因するものであることを
突き止める。

今回も特に奇抜なトラップだったり、猟奇的なものではなく
地道な捜査の末に辿り着く、そんな内容。

エリンボルクの家庭の話(子育ての悩み)だったり
休暇中で行方不明になっているエーレンデュルだったり、
同僚の暴走だったり、行き過ぎない程度にストーリーに盛り込まれて
飽きずに最後まで読ませてくれる。

まだまだシリーズは続いているようなので、気長に
シリーズが関係するまで読んでいこうと思う。

次回作もエーレンデュルは登場せず、エリンボルクが主人公らしい。


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[日記](読書) 姿なき招待主(グウェン・ブリストウ) [日記]


グウェン・ブリストウ、ブルースマニング夫婦の共作、「姿なき招待主」の感想と記録。

1930年に米国で刊行されたという本作品。

米国では、違うタイトルで舞台化されて、その数年後には同じような設定で
映画かや他小説に多くのインスピレーションを与えたという、、。
その際たるものが、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」らしい。
アガサ・クリスティーをキチンと読んだことがないので分からないのですが
事件の場所が違うだけで、ほぼ同じ設定らしく、
あからさまに、本作品を読んだ、或いは舞台、映画を観た、としか考えられないよう。

ニューオーリンズのペントハウスでサプライズパーティをするという
招待主の名前のない、招待状が、8人の男女に届く。
1人ずつ、受け取った時に、招待主を想像しながら、そのパーティに参加すると
だれも招待主ではないという。

1.社交界で有名人の女性
2.大学の学部長の男性
3.銀行家の男性
4.劇作家の男性
5.弁護士の女性
6.政治家の男性
7.手芸家の男性
8.映画俳優の女性

それぞれが、それぞれと反目あるいは親しい関係。

学部長を推薦したのは銀行家
銀行家のライバルである政治家
政治家のお抱え弁護士
学部長から大学職を追われた手芸家
手芸家と親しい女優

パーティに参加したところで、備え付けの大型ラジオから
1名ずつ、朝まで死んで(殺して)いくという謎の招待主の声。

パティオからの脱出は様々な装置で不可能となっており
8名は、誰が犯人(招待主)なのか、どうやって脱出するかを議論するが
招待主(声)の言う通り、1名1名、死んでいく・・・。

まさに舞台を観ているような作品で、どんどん話が進んでいく。
一気読み。

面白いけども、1930年の作品なので古臭いのは否めない
でも、なるほど、本来ならば、もっと脚光を浴びても良かったかもしれない。

※この作家(夫婦)は、小説家以外で著名な方らしい


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[日記](読書) ザ・ロング・サイド(ロバート・ベイリー) [日記]


ロバート・ベイリーの人気シリーズの最新刊、「ザ・ロング・サイド」の感想と記録。

片仮名で、「ロング」とあるので日本人的には「Long(長い)」を想像も、
読んでいて「Wrong」の、文字通りの認識違いであることが分かります、、。

このあたり、日本とタイトルはどうなんでしょうね、、

「間違った側」という意味でタイトルを付けないと意味が分からないし
「長いサイド」とあえて日本人に知らしめる必要もないと思うのですが。

ということで、"タイトル"どおり、今回も一見不利に思える容疑者を
敏腕弁護士・ボーが無実判決を勝ち取るか・・・?のストーリー。

舞台はお馴染みアメリカ南部、テネシー州プラスキ―
そしてベースには、アメリカンフットボール
アフリカ系アメリカ人への差別など。

今回の容疑者は、プラスキ―で、有望なアメフト選手(高校生)。
恋人は、まさにメジャーデビューを勝ち取ろうとする
バンドのボーカリスト。

恋人が出場する試合後には、バンドコンサートがあり
その深夜に殺されてしまう。
そして、その現場には、試合で大活躍した恋人が放心状態で発見され
恋人の殺害容疑で逮捕される。

じつはこのアメフト選手であり高校生は、ボーが営む農園で働いており
親しくしていた関係もあり、ボーに弁護を依頼するが

殺害されたとする女性は、地元で人気者であり
あらゆる証拠から、もはや犯人は決定的という状況のなかで
ボーは弁護を躊躇する・・けど、当たり前として弁護します(王道ですね)

その後も、基本的にこのシリーズの王道展開だと思います。
完結編なので、大大どんでん返し、大盛り上がり、まさかの・・と思いきや
やっぱり、最初の頃の方がドキドキ感あるし、ヒネリもあまりない気がします。
途中、一所懸命、真実はあっちか、こっちか、思わせぶりに”匂わせ”ますけど
それももはやシリーズを読んでいると、あまり引っかからないというか、、

まぁ、作者自身、やはりこのシリーズは、"トム"の物語ですし
彼が作品からいなくなってしまったので、
それよりも、人種や地域の軋轢だったりが(ストーリーや意図の)
中心なのかな、と思います。

ロバート・ベイリー作品としては、まだまだあるようで
今後も、どんどん、発売して欲しいと思います。

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[日記](読書) 7月のダークライド(ルー・バーニー) [日記]


過去読んだ2作品が大変面白かった記憶がある、ルー・バーニーの新作
「7月のダークライド」の感想と記録。

過去の2作品もノワール作品というのか、とにかく「破滅」に向かっていく物語で
「11月に去りし者」は、逃げるヤクザと若い母娘の逃避行が面白く
「ガットショットストレート」も服役した主人公と性悪のボス(女性)の関係が
面白かったけど

今回は大学を中退した"自称"アミューズメントパークでアルバイトしている
ハードリー("頑張ることがめったにない"という意味らしい)が
違反切符の手続きで訪れた市庁舎で児童虐待が疑われる子供たちにを見かけたことで
"頑張る"お話し。

幼少のころ母に励まされてきた一方(のちに死別)で
祖父から言われた「期待しなければ、万事OK」みたいな人生を送っており
なぜかこの子供たちを救いたいと思い立つ。

ルー・バーニーらしく、登場人物は魅力的で、突飛な才能はないけれども
それなりに一生懸命生きている人々。だらしないところも多いけど
日常生活ってそんなものよね、という感じ。

ハードリーもどうしようもないフリーターではあるが
愚かな人間ではなく、なんとか、できる範囲で子供たちを救うべく
周囲の協力も得ながら奮闘するが。

結末もルー・バーニーらしい。
ハードリーが手に入れることが出来た最高の幸福は
ハッピーエンドではなかったかもしれない。
子供たちの未来が、このあとどうなったかもわからないけども
ハードリー(とサルヴァトーレ)にとっては
最高の幸福だったんだろうな、と。

ルー・バーニー作品に外れなし。


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[日記](読書) 最後の龍殺し(ジャスパー・フォード) [日記]


ジャスパー・フォードのドラゴンスレイヤーシリーズの第1作目、
「最後の龍殺し」の感想と記録。

ドラゴン・スレイヤーシリーズで、すでに"ラスト"というところも、イイ感じ。
第2作目から読んでしまっているので、代替の登場人物の「それとなり」も理解していたし
友達でもある魔獣クォークビースト(初代)が2作目では死んでしまっていたので
その親しさも第1作では盛り沢山だったので、楽しく読めた。

前作同様、現実的な社会に、魔法という化石燃料的な、或いは電力的なパワーがあり
過去の魔法事故から、使用が厳罰化、そして魔法は廃れていき、
舞台となる王国でも、魔法使いは細々と、魔法使いのマネジメント会社で
家の修理やら、紛失物の調査やらの仕事に従事している。

主人公のジェニファー・ストレンジは、出生(孤児)であることから
奉仕義務が解ける18歳まで、このマネジメント会社で勤めることになったが
ジェニファー自身は魔法の才能がない(というほとんどの人はない)ので
マネジメント(電話対応、魔法使いの管理などの雑用)をこなす日々だったが
社長が失踪してしまったために、幼少から勤めている実績のため
社長代理となっている。

そんなとき、お抱えの魔法使いたちの「魔法能力」があがり
(このあたりは電力量や石油みたいな感じ)
さらに王国にいる何名かの予言能力者(魔法使い)が
最後のドラゴンが近々死ぬらしいと予言する。

ドラゴンは聖域(ドラゴンランド)に住み、バリア(結界)によって守られ
人間が入ると魔法により蒸発する。
死ぬとその土地の魔法は解け、「奪ったもの」の土地となることから
ジェニファーが住む王国、その隣国、人々が我先に、とその土地に群がる

ジェニファーは現ドラゴンスレイヤーより補助として任命されたため
ドラゴンスレイヤー(老人)と一緒にドラゴンランドに入るが
そこで現職から真実(ジェニファーが最後のドラゴンスレイヤー)を告げられ
ドラゴンランドを奪おうとする人々の騒動に巻き込まれていく。

このシリーズが面白いと感じたのは
「魔法」がひとつの「資源」として語られていて、その資源には限界があるということ
この作品では10ギガ程度とされていて、
魔法使いが自由にそのパワーを使うというよりも「蓄えたもの」を使うという者。
出力が大きい人は魔法能力が高いみたいな。
魔法自体はそんなに都合の良いものでもなく、自由自在には使えないので
使う場合は、使うための環境を整えるみたいな(電気みたいな感じ)

なので、ぶっちゃけ、電気やガソリン、つまり現実社会と同様に
科学のほうが扱いやすいという側面が大いにあって、廃れている状態。

ファンタジー小説では、「ハリーポッター」や「指輪物語」が有名だけど
個人的には、この作品の方がバランスが良いというか
普通に小説として面白いと感じております。

新作がでれば、是非読み続けたいし
登場人物(ジェニファーやクォークビーストたち)を応援したいですねぇ。

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