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[日記](読書) あの本は読まれているか(ラーラ・プレスコット) [日記]


アメリカ人作家・ラーラ・プレスコットのデビュー作で、エドガー賞新人部門に
ノミネートされている(とのこと)、「あの本は読まれているか」を読んだので感想と記録。

この本自体の内容を全然知らず、またこの本が題材にされている「ドクトル・ジバゴ」も
知らなかったが、小説自体はソコソコ面白かった(大変失礼かもしれない)。

ソコソコというのは、恐らく小説或いは映画になった「ドクトル・ジバゴ」の内容を
知っていた方が、何倍も面白いのではないかと思ったので。
小説自体は読みやすく、私が展開を全く知らなかったということもあり
最後まで落としどころが良くわからず(いい意味で)、トントンと読むことが出来た。

第2次世界大戦終結後のアメリカとソ連が舞台でアメリカ側では、
CIAが暗躍し始めている。
一方、ソ連では「ドクトル・ジバゴ」の執筆が進み、作家と愛人、特に愛人が
小説家の反国家の罪で収容所に収監されたり、小説の執筆と発刊の物語りが平行して
語られている。そしてこの小説が面白いのは、名もなきCIAタイピストと呼ばれる
女性陣(要は速記者)目線で語られたり、CIAのスパイ目線で語られたり、
色々な目線で物語が進んでいくので、そのあたりは面白かった。

最後はハッピーエンドだったのか、「ドクトル・ジバゴ」って結局どんな作品?とか
私のは中ではモヤモヤしているものがあったり、
愛人の家族が悲しい結末だったりするので、ちょっと悲しいかな、と。

史実に基づいている部分もあったり、フィクションだったりするのだろうけど
単純にミステリーとして読むと肩透かしな感じかなぁ。
スパイ作品としてもスパイ行為そのもののトリックとかはあまり深くないし。

でも、内容に共感できる人は絶賛という気持ちも分からなくもない
実際、(ソコソコ)面白かったし。

アメリカ文学って、デニスル・ヘインもそうだけど
個人にとって大事な作品だけど、エンタメとしては微妙という作品があります。
このあたりはエンタメで大人気の北欧ミステリーとは一線を画しますね。

ただし、私の場合、この作品は「大事な作品」にはならなかった。残念ながら。


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