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[日記](読書) 死神の棋譜(奥泉光) [日記]


個人的には全くささないのに、チェスや、将棋を題材にした小説はツイツイ読みたくなる。
この作品も「死神の棋譜」といういかにも面白そうな、しかもダーク系な感じがするし
ネットの評価もそこそこよくて、読んだみたので感想と記録。

奥泉光さん自体は正直よく知らない。多分、恐らく本作品以外も読んだことがないと
思う。国内で受賞歴もあるので、結構人気作家さんなのかもしれない。

いきなり、羽生さんや森内さんのような実名が登場して「おおっ」と思うところで
「魔の図式」なる一見「不詰め」の詰将棋が登場する。

そこから、この「魔の図式」にまつわる失踪した元奨励会・棋士をめぐり
同じく元奨励会で現在ライターをしている主人公が、
失踪した元奨励会の棋士や、謎の宗教団体だったり、過去と現在の謎が絡み合って
途中までは非常に面白い。現実なのか、ホラーなのか、はたまた
海外をまたいだ犯罪小説なのか、一気に読むことができた。

・・・・が、最後が・・・、そもそも途中から登場する女流棋士がもったいなく
最後も・・・結局それかい・・・という。
登場からしてあからさまだし、設定も分かり易いし、「だよね」という感じ。


これが北欧ミステリーだったら、もっとプロットが複雑だったりして
この女流棋士もサクっと「波」に飲み込まれて、読者が混乱、カオスに陥って
大犯罪小説になって、年内最高のミステリー小説になった気もするし
もっとホラーにしていたら、「リング」のような傑作シリーズになったきもする。

作家さん自体が、そこにあえてもっていかなかった気もする。
逃げではないと思うけど、
結果、勿体ない、日本人作家らしい、日本の一部のファンに読んでもらえれば
イイ的な、作品というか。

残念かなぁ。


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