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[日記](読書) 過ぎ去りし世界(デニス・ルヘイン) [日記]


デニス・ルヘインの刑事コグリンシリーズの3部作目、「過ぎ去りし世界」を
読んだので感想と記録。コグリンシリーズと言っても、第1作目のダニーは登場しないし
そもそも、ボストン警察の話でも、組合(ストライキ)の話でもない。
今作でも主人公のコグリン家(トム、ダニー、コン、そしてジョー)の話でもない。
今作は完全に3兄弟の末っ子、ジョーを中心としたクライム小説。
ダニーやノラの近況もない(ほんの、ほんの少しでてくるけど)

前作でタンパの裏業界を仕切っていたジョーは、諸々あり、その座をボストン時代からの
友達(幼馴染で、悪友でもあり、裏切られてこともある)のディロンに譲る。
正確にはイタリア人のディロンに地位を譲ることを条件に生き抜いた。

ジョーは顧問として組織に残り、息子と共に組織の「表の顔」として
タンパに君臨していたが、ジョーの耳に自身の暗殺計画を知らされるのと
自身が経営している店が、警察に抑えられ経営へのダメージが拡大していく。

ボスの座に就いたディロン、顧問であるジョー、そして新たな幹部として名をあげた
"リコ(弟)"と"フレディ(兄)"の兄弟で誰が密告者なのか?この事態を乗り越えようとするが、
ジョー自身はストレスから"幽霊"をみたり、愛人でもある市長の妻との新たなビジネスだったり
密会(恋愛)&別れがあったりしながらも、自身の暗殺日が近づいてく・・・

正直、第1作目が面白くて読んでいるシリーズなので、今回の展開というか
2作目の純粋な続編に対する「期待感」は薄かったし
面白い展開ではあったけど、だったら、ドン・ウィンズロウの作品の方が
ハラハラドキドキさせられたり、スケール感も大きいので
クライム小説としてはそちらの方が上かな、と思う。

けど、最後の展開は見事というか、全ての伏線が一つに集結して
まさにジョーの物語が終わったのは見事でしたねー。

ボストンの、ストライキで兄たちに助けられたジョーが
まさか、タンパ、そしてキューバ(ハバナ)で、というのは感慨深いというか
凄い話になったなぁ、という素直な感想。

ただ、あくまでこの作品(シリーズ)の主人公は、ダニーとノラだと思うので
できれば、ダニーとノラの物語でシリーズを完結して欲しいんですけどね。
今のところ、その予定はなさそうなのかな。。。。


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