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[日記](読書) ロンドン謎解き結婚相談所(アリスン・モントクレア) [日記]


アリスン・モントクレアの人気シリーズ、「ロンドン謎解き結婚相談所」の感想と記録。

タイトルの通り、なんのヒネリもなく、結婚相談所に入会した女性が殺されたことで
結婚相談所の経営者(2名)が捜査を進める物語。

面白いのが設定とキャラで
時代は第2次世界大戦終戦直後で、まだまだ戦時中の名残があるロンドン、
結婚相談所を起業したのが、貴族の一族で5歳の息子をもつ1児の母(未亡人)グウェン、
元英国の女性スパイ、アイリス
そして、そのアイリスの用心棒的存在のサリー(男性)。

アイリスの過去を追う記者だったり、愛人関係の軍人だったり、スパイ活動時の
上司だったりの会話で、アイリスの過去が徐々に語られるが謎多き女性
そのスキルを活用して、殺された女性の犯人を追う。

相棒のグウェンは、名家ではあるものの、夫が戦死したことで
一時、精神病を患い、そのことで息子の監護権を、義理の母・父に奪われ
現在は退院し、義父母と息子と暮らすものの監護権はなく、肩身の狭い状況

この結婚相談所を営むことで自身の完治、そして監護権(養育権的な)を
再び手に入れたいと考えている

事件そのものは、彼女たちのお客が犯人として逮捕されてしまったため
警察の捜査は終了してしまったが、彼女たちの結婚相談所の人気がガタ下がりし
また、客の無実を信じる彼女たちにより、真犯人が浮かび上がってくる、みたいな
内容としても、タイトル通り、特にヒネリはない。

ただグウェン、アイリスの会話も面白いし、戦後のロンドンの配給制度だったり
階級社会だったり、何よりも彼女たちが生き生きしていて楽しい。

シリーズなので、今後もチョイチョイ読んでみたい。

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[日記](読書) 滅ぼす(ミシェル・ウエルベック) [日記]


フランスの大物作家・ミシェル・ウエルベック、「滅ぼす」の感想と記録。

大物作家らしいのですが、全く存じ上げておらず、たまたま
本屋さんで見かけてなぜか気になり読んでみた今作品。
結果としては「面白かった」・・・・が?。

全くの偏見ですが、いかにもフランス発っぽい作品というか、
フランス映画のようで、結局、「何なん?」っていう感じ。

出だしから面白い。インターネットに出回った「図形と解読できない文字」と
さらに徹底的にリアルに作られた風景映像。非現実的な映像なので「偽物」と
分かるが、作りこみは果てしない「リアル」。

さらに現職の財務大臣が処刑されるリアルなフェイク動画が出回り
フランスの内務省直下の情報機関が調査に乗りだしているところからスタートする。

きっとこのサイバーテロ(リスト)を暴いていくんだろうと思ったところ
財務大臣の側近・ポール(まもなく50歳)の夫婦関係や、
脳梗塞で倒れた父親の看病をめぐり、妹と義弟、年の離れた弟とその妻らの
話がメインになっていく。

サイバーテロはさらに続き、ついに中国企業のタンカーが魚雷により沈没した
動画が公開される。こちらほうは「フェイク」ではなく「リアル」。
(ただし、タンカー乗組員はそもそも脱出しているようで死者数ゼロ)

一方、財務大臣のほうは、間近に迫った次期大統領選に出馬するのか
しないのか、など政局の真っ只中にいて、最終的には出馬せず、
補佐的な立場から、次期大統領選に参加していく。
(事実上のナンバー2という設定なので、選挙自体には大いに参加)

ストーリーは、どこに主眼を置いているのか、さっぱりわからず
サイバーテロの話も、メインのようでメインでない
ポールの父親をめぐり、妹の家庭や、とくに弟の、どうしようもな妻が引き起こす
トラブルも、どこか中途半端で終わる。

上巻がおわるところで「おおおおっ!」って思う展開になって
下巻のあたまも「おおお、いよいよ」という感じになるんだけど・・・(前述の通り)

結局のところ、全体を通して
文化、政治、宗教、その他思想のてんこ盛りのような内容で
最終的にはポール自身の話に収束していって、そこまで展開された事柄のすべて
どこにも着地しない感じ。

救いがない内容なのか、ハッピーエンドなのか。
絶縁状態(というか戦争状態)であった妻とは、ポール自身そして
妻の両親の悲劇で劇的に関係が劇的に修復し、
仲睦まじい夫婦関係に戻ることができた。
よくある話でその直後に、ポールの病が発覚する。

妻との関係が修復され幸せな日々(とその直後の悲劇まで)をおくるポールは、
それまでに弟を亡くし(自殺)、大臣側近の職も休職(弟の妻の行動により)に
追いやられ、などなど散々。

一方、上巻の最後で一気に加速するであろう展開をみせた
テロ事件はどこか尻すぼみでメインストーリーからフェイドアウトしていき
読み終わったあとに「あれれ?」というようになる。

面白かったけど、「何なん?」っていう感じ(前述の通り)
私の読解力が単にない、というだけなのかもしれない。

映画にすると、ポールの姪は、10代に人気のフランス人女優が演じてたり
それ目当てで映画館に行ったりしそう(私が若い頃には)。

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[日記](読書) 警部ヴィスティング・疑念(ヨルン・リーエル・ホルスト) [日記]


警部ヴィスティング・シリーズの最新作(和訳)「疑念」の感想と記録。

今回は1999年夏におこった若い女性の殺害事件
現在起こっている放火事件、中年の女性の行方不明(のちに殺害)事件の2つが柱。

警部ヴィスティングは休暇中ではあったが、自宅に一通の手紙が届くことから
過去の事件と、過去自身が扱った事件の関連性、そして冤罪の可能性に発展してく。

一方、中年の行方不明事件に関しては、休暇中のことから
信頼する同僚にまかせ、過去の事件に注力して、状況確認、ときにアドバイスを
送る程度で進んでいく。

冤罪か否か。
当時の関係者や調査書類を紐解くと、証拠品にあやふやな点が多く
その後発生した同様の手口で捕まった(ヴィスティングが解決)犯人との関連性に
つよく「疑念」があることが、今回、新たに調査した結果発覚する。

とはいっても、ヴィスティング自身が「明晰な頭脳」や「科学力」などを
駆使して新発見をするのではなく、真実を知る人間からの「手紙」をもとに
真実(証拠品)を探しだしていく。

このシリーズには特に気をてらったようなトリック、展開は少ないと思う。
今回もヴィスティングは、事実を確認するために渡米したり、
事件現場や関係する場所を地道に訪れ、聞き込みをし、ときに機転を働かせて
解決に持っていく。

今回は冤罪と、ドキュメント作品をつくる側の思惑、出世競争がテーマかな、と。
とくに「(映像)フェイク」というところもついており
今っぽい内容かな、と思う。

最後の最後で、もう一つの事件(同僚たちの機転や実力)がからみ
クライマックスに突入するあたりは、一気に読んでしまう。

気をてらった作品ではないものの、一気読みできるところが
この作家(ヨルン・リーエル・ホルスト)の腕なのかなぁ、と思ってみたり。

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[日記](読書) 不夜島・ナイトランド(荻堂顕) [日記]


日本のSF作品、「不夜島・ナイトランド」の感想と記録。

素直に面白かった。
電脳、義体などなど、押井守作品のような世界観。

舞台は与那国島の久部良が中心となっていて、近海の台湾に物語後半からは
舞台を移動し、最後は再び与那国にもどり最終決戦。

第2次世界大戦終結後、与那国は台湾や本島との密貿易で大繁盛していた。
密貿易の大物ブローカーであるウー(台湾からの移民)は、
雇主である台湾に住む大物組織を介して、
米国中佐から「ポジティビティ」と呼ばれる得体の知れないものを手に入れるよう
指示を受ける。(そもそも、ウーの雇主は、米国中佐)

ウーは、ブローカー仲間や友人、知人、そしてウー同様、米国中佐からの指示で
久部良に赴任した毛利巡査とともに「ポジティビティ」を探っていく。

魅力的な登場人物が多数登場し、基本的には全ての伏線を回収していく展開。
いたるところに、台湾文化(言葉)や漢字表現だったりが登場して
若干読みにくいところはあるものの、フリガナが丁寧にふってあって
基本的にはスムーズに読めたと思う。

ただなんとなく登場人物の結末が分ってしまうような流れなので
そのあたりは少し残念(物足りなさ)ではあるものの
第2次世界大戦終結直後の与那国、台湾を舞台に
電脳ワールドを展開しているなんて、かっこいい。

しっかり日本統治の時代背景もあったり
アメリカ、ソ連、中国の関係だったり、バランスも良かった。
途中、誰のセリフかわからないような表現で「?」が付くところもあったけど
多分、それは私の読解力が無かったせいだと思う。
あと賭博のシーンなんかは、正直読み飛ばすしかなかった・・・
麻雀(チックな)の役満とかわからないし・・。

でも総じて面白くて、この世界観であと2作品くらいは読めそうなので
是非ともパラレルワールドの作品(シリーズ)を発表して欲しい気もする。

とりあえず、他作品も評価が高いので読んでみよう。

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[日記](読書) 黒い錠剤(パスカル・エングマン) [日記]


北欧ミステリ。パスカル・エングマンの「黒い錠剤」の感想と記録。

パスカル・エングマンは、すでに本国スウェーデンでは人気作家で
この作品は、「ヴァネッサ・フランク」シリーズの第2作目ということらしい。
※日本では、この第2作目が初翻訳っぽい

第2作目なので、主人公の国家警察殺人警察課・ヴァネッサ警部とその友人でもあり
元軍人のニコラスや、ヴァネッサ自身の家族(娘が死んでいる、養女もいある)の
詳細な経緯が良くわからない・・・残念。

ただそういった経緯が分からなくとも、
この作品自体はストーリーがよくできているので、素直に面白かった。
北欧ミステリっぽい、多数の人物の行動が徐々にひとつにつながる展開だし、
そもそもの題材も、ぽいですし。

ヴァネッサは重大犯罪捜査班からの協力要請で、とある女性の殺人捜査にあたる。
女性は暴力行為などで収監されている夫が仮釈放中に殺されていたため
夫の犯行と考えられていたが、
一方で、捜査を進める中で、ヴァネッサはジャーナリストの女性から
夫の確固たるアリバイを知る(女性が殺害時間に別の場所にいた(レイプされていた))

ストーリーは、ニコラスの日常、人気TV司会者で別の殺人事件で容疑者となる
オスカルの日常、「トム」という全く「モテない」男性の日常が絡んでいく
登場人物が非常に多くて覚えるのが大変。

ただ、「トム」が何からしらの事件に絡んでいることは分かりますし
ストーリー展開も巧みで、どんどん、読み進むことが出来た。
タイトルの「黒い錠剤」というのは、そういう事だったんだね、という感じでしたし。

是非、この作家さんやこのシリーズをどんどん発売して欲しい。



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[日記](読書) 老いた殺し屋の祈り(マルコ・マルターニ) [日記]



2024年の最初の感想。
マルコ・マルターニの「老いた殺し屋の祈り」。

マルコ・マルターニ氏は、イタリア人でテレビドラマや映画の脚本家として
長く活躍しているものの、小説としては本作品がデビュー作ということらしい。

本作品は犯罪小説(ノワール)で、タイトルの通り老いて心臓発作のため
緊急入院(手術)したひとりの殺し屋の話。

その組織の殺し屋・オルソ(熊という意味らしい)は、
圧倒的な活躍から組織のボスからも重宝され、引退をほのめかすオルソを
強く引き留める。

オルソは40年前愛し、そして別れた女性とその間にできた娘に会いたいと
ボス・ロッソに告げる。ロッソは40年前に自身に従うか、それとも
女性(とその娘)と生きるか、の選択を迫り、オルソを従わせていた。
勿論、オルソが最愛のものと生きるということは、ロッソの怒りを買い
必ず酷い死にざまをむかえるという脅しを付けて。

ロッソの性格上と権力を承知しているオルソには選択の余地はなかったのだが

今回はロッソが、40年後(今現在)、オルソがその女性たちの安否を
調べてほしいという願いを受入れ、オルソの友人でもある情報屋に調べさせた
二人の現況についての情報を与える。(勿論、組織にとどまることを前提に)

当然、オルソはロッソを裏切るカタチで、教えてもらった住所に旅立つが
その道中で自身を追う者たちから襲撃される。
オルソは襲撃者から、かつてロッソと縄張り争いでもめたイタリア南部の
組織であることを突き止め、立ち寄ったジェノバで決着を付けようとするが
そこで小さなホテルを営む母子に出会い・・・。

ノワール小説らしく「どう考えても不幸が見える」王道ストーリー。
40年前に別れた女性と、その娘に出会えるのか
今出会った女性とその息子との関係性はどうするのか
ボス、そして敵対する組織からの刺客との行く末は。

分かりますよね?的なストーリーを、ドラマチックに進んでいく。
情報屋からもらった情報の住所と写真を手掛かりに
ついに・・・が、意外な展開と真実で、まさに王道破滅ストーリー。

でも、面白い。

本作品の結末は、なかなか、形容しがたい感じですけど、
いかにも、映像作品の脚本を長くやっている人らしい
後読感を与えてくれる。


改めて面白い、良い作品だった。

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[日記](読書) 特命指揮官(梶永正史) [日記]


ウミドリ(空の海上保安官)の作家さんのシリーズもの、
「特命指揮官(警視庁捜査二課・郷間彩香)」の感想と記録。

女性警察官が活躍する小説も、最近大変増えた気がしますが、この作品もその一つのよう。

主に窃盗や詐欺関連を主戦場とすることから電卓女、
化粧が落ちた(眉毛が半分消えかけた)半マロなど、不本意な異名?をもつ
捜査二課の主任代理・郷間彩香。
父親も警察官で敏腕をふるっていたこともアリ、自身も警察官になり
30歳で昇進、現ポジション(主任代理)までたどり着いた。

猛暑続く夏のある日、部下から飲みの誘いを受けたところで
かつて配属された渋谷で銀行強盗(人質立てこもり)事件が発生し、
元同僚を心配するなか、
自身が犯人から公証人として指名されたことを知る。

渋谷界隈中心に話が進み、劇場型で大変ドラマチック。
読むタイミングがバッチリだったら、余計に面白かったのになぁ、と残念。

というのは、警視庁、警察庁や政治家を巻き込んだ「黒幕」だったりが
一昔前の設定で、ちょっとクライマックスに行けば行くほど
今の時代ではがっかり感が増していくし、きっと・・という展開だったりする。

ただキャラたちの会話で、読ませていく感じなので
面白くないわけでもないという感じ。
「このミス」の受賞作品でもあるので、大変ライトな、日本らしい小説。

主人公の郷間さんも、天才的、無駄に美人、強引とかもなく
いい意味で普通な感じが、今の時代、いいのかな、と思ったりもする。

ただ展開的(物量的)には、カリン・スローターだったり、海外の小説だったら
この銀行強盗を発端にして、どんどん、同僚だったり
自身の身の回りだったりで、事件が発生、発展していく感じなんだけど
終始銀行強盗で終わってしまうのが、日本の小説っぽい。
悪くはないんだけど、ハードカバーで1400円か・・と思ってしまう。

でも続きも気になる。
今後も気にしてみよう、、。



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[日記](読書) 処刑台広場の女(マーティン・エドワーズ) [日記]


英国推理小説界の巨匠という触れ込みで、実際、同国のダイヤモンド・ダガー賞も
受賞している、マーティン・エドワーズの「処刑台広場の女」の感想と記録。
この作家さん、私は全く存じ上げておりませんでしたけど・・・。

表紙がかっこよくて、上流階級の女性(イイ女!)が振返っている感じ。
こういうセンス好きですねぇ・・

1930年代のロンドンを中心に、女性を狙った残虐事件が発生する
その真犯人を警察に告げる上流階級(自殺した判事の娘で多額の遺産を相続)の女性、
レイチェル。そしてレイチェルを追うゴシップ新聞の若い記者、フリント。

新たな事件が発生し、そこに行くようフリントにメッセージを送るレイチェル
何らかのつながりを追うフリント。
彼が追いかける人物は次口に逃亡、そして非業の死を遂げる
さらにレイチェルに絡む上流階級の人間も非業の死を遂げ・・・
さらにさらには、自身も命を狙われる。

途中、1919年の女性(ジュリエッタ)が書いた「日記」が挟まれ
レイチェルと判事、そして使用人の孤島生活というか
若きレイチェルがあからさまに「悪人」(という雰囲気を匂わせた内容)が語られる。

10代ですでにキレッキレの悪人ぶりのレイチェル。

普通の小説ならば、ロンドンに舞い戻った
アタマのいいレイチェルが何らかの目的(恐らく復讐)で、上流階級の人間を
次々に殺し、さらにその罪を、別の上流階級にかぶせ、さらに殺していく
復讐劇と、その事件を追う記者、そして「恋」みたいな感じで興ざめなんですが

途中で、「やっぱりか・・」から「あれ?」という展開から、
「そっちか」と思わせて・・みたいな感じになるので面白い。
最終的にはレイチェル、、、「あなたは誰だっけ?」みたいな結末。

解説を読むとどうやらこれはシリーズものらしいので、このあと
レイチェル・・・が、どういう人生を送るのか、早く読みたい。

なるほど、巨匠。
面白いですねぇ~




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[日記](読書) グレイラットの殺人(M・W・クレイブン) [日記]


M・W・クレイブンの国家犯罪対策庁・重大犯罪分析課・W・ポー・シリーズの
第4作目「グレイラットの殺人」の感想と記憶。

4作目・・・なんですけど、過去の作品をほとんど覚えていない。
カンブリア州にある遺跡(ストーンサークル)と主人公ポー(と父親との関係)、
分析課の同僚で、(可愛い)スーパーハッカーのティリーと上司・フリン程度。

そんな程度の記憶でも今回の作品はとっても面白かった。

冒頭はミステリー作品らしく、わけのわからないシーンからスタート。
貸金庫を襲う役者の仮面をかぶった強盗たち。
わけのわからないヤリトリが続き、仲間割れが発生(1名死亡)
そしてリーダー各の男が、「ラット」の置物を置く(殺人以外、盗まれたものはない)

場面は変わり、首脳会議が開かれる地域で起こった撲殺事件に
半ば強引に呼ばれるポーたち。各国、そして米国首脳が出席することからFBIそして
MI5の捜査員とともに撲殺事件の犯人捜査に乗り出すポー。

事件現場の不審な状況から、MI5捜査員を逮捕するポー。
妨害するMI5

証拠品(ラットの置物)から、過去の貸金庫の事件が浮かび上がるが
撲殺事件との関係性に悩むポーたち。

今回の事件捜査においてもポーのひらめき
そしてティリーの凄腕ハッキングと、ほのぼのした会話が大変良い。

ポーとティリー以外の登場人物全員が怪しいという状況で
最後の最後まで、真犯人が分からない。

ポーの会話が良くわからないところも、しっかり伏線になっていて
最後に「なるほど」と思わせるのもニクイ。

次回作からは、いよいよポーの悲願、自身の出生について
少しは明かされるんでしょうか。

楽しみに待ちたい。


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[日記](読書) ウミドリ・空の海上保安官(梶永正史) [日記]


久しぶりに日本人作家、梶永正史の「ウミドリ・空の海上保安官」の感想と記録。

海外ミステリを読んでいると、ときどき、ふと、日本の小説も読みたくなる。
日本の小説は、いい意味でも悪い意味でも、「読み易く」結末も分かりやすいので
海外ミステリの合間の休憩に適していると思う。

今回もいかにも日本の小説っぽい感じだった。

冒頭、海上保安庁のヘリが、クルージング中に消息不明となった男性を救うが
パイロットの危険操縦を問われる。いかにも主人公っぽい"暴走"で
きっとこれが結末の布石になるのだろうと、おのずと分かる展開。

もう一人の主人公は、同じく海上保安庁で働く通信士の女性
主人公のパイロットとは、自身の姉の「恋人」ということで浅からぬ関係がある

この二人は違う立場から、南大東島付近で漂流(のちに沈没)していたタンカーを
追うことになり、これがきっかけで、
3人目の主人公であり、同じく海上保安庁から公安に出向した捜査員とともに
テロ事件を防ぐために活躍する、という物語。

大まかなストーリーは、目を瞑ってもわかる感じの王道エンタメで

ついつい、海外ミステリだったら、もっとテロ組織を細かくとか
もっと中国との関係を、日本政府と絡めて、大事になったり・・とか
妄想は尽きないのですが、

落ちると処に落ち、登場人物たちも予想通りの活躍をし、
そして、綺麗な結末という、大団円。

海外ミステリが良い、というわけではないのですが
この小説で、1800円。海外ミステリの文庫本で1000円程度だったら
そっちを買うよね・・・と思ってしまいます。

今時のドラマでもないくらい、スッキリストーリーですから。

ただこの作品のなかで、実際の展開でこういうことが起こるのか
分からないのですが、尖閣諸島の海域を巡り、中国側との会話や心情については
大変面白かったです。




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