[日記](読書) ウミドリ・空の海上保安官(梶永正史) [日記]
久しぶりに日本人作家、梶永正史の「ウミドリ・空の海上保安官」の感想と記録。
海外ミステリを読んでいると、ときどき、ふと、日本の小説も読みたくなる。
日本の小説は、いい意味でも悪い意味でも、「読み易く」結末も分かりやすいので
海外ミステリの合間の休憩に適していると思う。
今回もいかにも日本の小説っぽい感じだった。
冒頭、海上保安庁のヘリが、クルージング中に消息不明となった男性を救うが
パイロットの危険操縦を問われる。いかにも主人公っぽい"暴走"で
きっとこれが結末の布石になるのだろうと、おのずと分かる展開。
もう一人の主人公は、同じく海上保安庁で働く通信士の女性
主人公のパイロットとは、自身の姉の「恋人」ということで浅からぬ関係がある
この二人は違う立場から、南大東島付近で漂流(のちに沈没)していたタンカーを
追うことになり、これがきっかけで、
3人目の主人公であり、同じく海上保安庁から公安に出向した捜査員とともに
テロ事件を防ぐために活躍する、という物語。
大まかなストーリーは、目を瞑ってもわかる感じの王道エンタメで
ついつい、海外ミステリだったら、もっとテロ組織を細かくとか
もっと中国との関係を、日本政府と絡めて、大事になったり・・とか
妄想は尽きないのですが、
落ちると処に落ち、登場人物たちも予想通りの活躍をし、
そして、綺麗な結末という、大団円。
海外ミステリが良い、というわけではないのですが
この小説で、1800円。海外ミステリの文庫本で1000円程度だったら
そっちを買うよね・・・と思ってしまいます。
今時のドラマでもないくらい、スッキリストーリーですから。
ただこの作品のなかで、実際の展開でこういうことが起こるのか
分からないのですが、尖閣諸島の海域を巡り、中国側との会話や心情については
大変面白かったです。
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