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[日記](読書) 警部ヴィスティング・疑念(ヨルン・リーエル・ホルスト) [日記]


警部ヴィスティング・シリーズの最新作(和訳)「疑念」の感想と記録。

今回は1999年夏におこった若い女性の殺害事件
現在起こっている放火事件、中年の女性の行方不明(のちに殺害)事件の2つが柱。

警部ヴィスティングは休暇中ではあったが、自宅に一通の手紙が届くことから
過去の事件と、過去自身が扱った事件の関連性、そして冤罪の可能性に発展してく。

一方、中年の行方不明事件に関しては、休暇中のことから
信頼する同僚にまかせ、過去の事件に注力して、状況確認、ときにアドバイスを
送る程度で進んでいく。

冤罪か否か。
当時の関係者や調査書類を紐解くと、証拠品にあやふやな点が多く
その後発生した同様の手口で捕まった(ヴィスティングが解決)犯人との関連性に
つよく「疑念」があることが、今回、新たに調査した結果発覚する。

とはいっても、ヴィスティング自身が「明晰な頭脳」や「科学力」などを
駆使して新発見をするのではなく、真実を知る人間からの「手紙」をもとに
真実(証拠品)を探しだしていく。

このシリーズには特に気をてらったようなトリック、展開は少ないと思う。
今回もヴィスティングは、事実を確認するために渡米したり、
事件現場や関係する場所を地道に訪れ、聞き込みをし、ときに機転を働かせて
解決に持っていく。

今回は冤罪と、ドキュメント作品をつくる側の思惑、出世競争がテーマかな、と。
とくに「(映像)フェイク」というところもついており
今っぽい内容かな、と思う。

最後の最後で、もう一つの事件(同僚たちの機転や実力)がからみ
クライマックスに突入するあたりは、一気に読んでしまう。

気をてらった作品ではないものの、一気読みできるところが
この作家(ヨルン・リーエル・ホルスト)の腕なのかなぁ、と思ってみたり。

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