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[日記](読書) 老いた殺し屋の祈り(マルコ・マルターニ) [日記]



2024年の最初の感想。
マルコ・マルターニの「老いた殺し屋の祈り」。

マルコ・マルターニ氏は、イタリア人でテレビドラマや映画の脚本家として
長く活躍しているものの、小説としては本作品がデビュー作ということらしい。

本作品は犯罪小説(ノワール)で、タイトルの通り老いて心臓発作のため
緊急入院(手術)したひとりの殺し屋の話。

その組織の殺し屋・オルソ(熊という意味らしい)は、
圧倒的な活躍から組織のボスからも重宝され、引退をほのめかすオルソを
強く引き留める。

オルソは40年前愛し、そして別れた女性とその間にできた娘に会いたいと
ボス・ロッソに告げる。ロッソは40年前に自身に従うか、それとも
女性(とその娘)と生きるか、の選択を迫り、オルソを従わせていた。
勿論、オルソが最愛のものと生きるということは、ロッソの怒りを買い
必ず酷い死にざまをむかえるという脅しを付けて。

ロッソの性格上と権力を承知しているオルソには選択の余地はなかったのだが

今回はロッソが、40年後(今現在)、オルソがその女性たちの安否を
調べてほしいという願いを受入れ、オルソの友人でもある情報屋に調べさせた
二人の現況についての情報を与える。(勿論、組織にとどまることを前提に)

当然、オルソはロッソを裏切るカタチで、教えてもらった住所に旅立つが
その道中で自身を追う者たちから襲撃される。
オルソは襲撃者から、かつてロッソと縄張り争いでもめたイタリア南部の
組織であることを突き止め、立ち寄ったジェノバで決着を付けようとするが
そこで小さなホテルを営む母子に出会い・・・。

ノワール小説らしく「どう考えても不幸が見える」王道ストーリー。
40年前に別れた女性と、その娘に出会えるのか
今出会った女性とその息子との関係性はどうするのか
ボス、そして敵対する組織からの刺客との行く末は。

分かりますよね?的なストーリーを、ドラマチックに進んでいく。
情報屋からもらった情報の住所と写真を手掛かりに
ついに・・・が、意外な展開と真実で、まさに王道破滅ストーリー。

でも、面白い。

本作品の結末は、なかなか、形容しがたい感じですけど、
いかにも、映像作品の脚本を長くやっている人らしい
後読感を与えてくれる。


改めて面白い、良い作品だった。

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