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[日記](読書) 魔術師の視線(本多孝好) [日記]


「dele.」、「Good Old Boys」に続いて本多孝好の「魔術師の視線」を読んだ。
時系列的には「dele.」の前の作品ということになりますね。

この作家さんはどちらかというと、短編、しかも日常(現代作家)を描く
作家さんという印象がある。

今回も表紙はスクランブル交差点だし、主人公はジャーナリスト(兼カメラマン)の
キャリアウーマンなので、「魔術師」とタイトルがあるものの
極端なファンタジー感はないのかな、と思っていたが、そうでもなかった。

かつて超能力少女と世間をにぎわせたイカサマが暴かれた少女と
その師匠の青年。
暴いたジャーナリスト(というかゴシップ週刊誌)の主人公。

なぜか暴いたほうのジャーナリストに助けを求める少女。
少女のストーカーや政治家の謎の死、消えたイカサマの師匠など等

犯人(ストーカー)は誰?
犯人は一人じゃない?
この少女の目的は?
怪しげな家族(父親)はどこに?
イカサマを暴くジャーナリスト、世間の反応は?

誰が何が正解なのか、現実路線の作家さんなので
どうやって落としどころを作るのかなぁ、なんて思っていたら
思いもよらぬ方向になってしまった。

普通の作家さんだったら、「ただの・・・」ということなんだけど
この作家さんがこういうストーリー展開で結末を迎えることになると
ちょっと意外だと感じてしまった。

いい意味でも悪い意味でも、ということになるのかもしれないのだけど。

爽やかな・・・という展開を期待すると肩透かし以上に
とんでもないことになる。

個人的には「あり」なんだけど、この作家の熱心なファン層には
あまり響かない気もする。

何はともあれ、本多孝好さんの作品に(大きな)ハズレはないかな、と。

私は嫌いじゃない、この作品も。


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