SSブログ

[日記](読書) 解錠師(スティーブ・ハミルトン) [日記]


ネットで高評価だったスティーブ・ハミルトンの「解錠師」を読み終えたので記録。

幼少時何かしらの事件(経験)から言葉を発することが出来なかった青年の回想から
物語はスタートする。場所は「刑務所」。物語は回想(主に解錠師になるまで、と
解錠師になったあと(捕まるまで))の2つの時系列で語られる。

解錠師のタイトル通り、その業界の「プロ(天才)」なのだが
世間を騒がすような、大きな事件というよりも
組織にやとわれて、2、3件の盗み(仕事)を働いたって感じ。
ピッキングやその修行も詳しく語られているようで、今の世の中、そういう情報は
一度ならず、皆、目に耳にしているのでそんなでもない。

この物語はそういうテクニックや事件性(ミステリ)というよりも
イワクつきの経験をもつ主人公(マイクル)と、アメリア(恋人)との出会いや
関係性、不器用な生き方で悪い方向に進んでいく生活がポイントなんだと思う。

そもそも刑務所での告白というスタイルをとっている以上
既に事件は起こっており、どうやって天才解錠師は捕まったのか、
今後どうなるのか、言葉を失った過去の事件とはなに?とか、気になることは満載。

訳者の力量か、そもそも読みやすいのか(作者の力量)、
作品は読みやすく面白かった。

ただ「大絶賛」というような作品でもないと思うし、我が人生の1冊ということでもない
まぁ、普通に面白かったかな。

声を失ったけど、解錠とルックスがよく、アメリアという美人とも分かり合える
まぁ、こういう(ラッキー)も世間ではそんなにないよね。
不幸を描いているけど、主人公はかなり恵まれている環境だと思うけども。


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

[NFL] グロンクの現役復帰とコンビ復活!! [スポーツ]


NFLは、やっぱり超エンタメですねぇ。サッカー、野球、NBAなど等
色々なプロスポーツはあるけれど、NFLはやっぱり抜けているなぁ、と。

生きる伝説、G.O.A.TのQB・ブレイディが遂にFAを行使し、
タンパベイに移籍したと思ったら、なんと
かつての同僚で、メインウェポンで引退していたグロンクが現役復帰かつ
タンパベイにそのままトレード。
彼の健康状態が元に戻っているのであれば、HCエリアンズは間違いなく
ロスターに加えるだろうし、ここぞのスペシャルウェポンとして
TEにセットするだけでも十分な破壊力になるだろう。
何よりもブレイディの心の不安を取り除くこともできるだろうし
最終的にロスターがどうなるかわからないけど、WR、TE、RBともに
超強力な布陣が完成しそう。残るは、OL陣がどれだけブレイディを
守ってあげることが出来るか。それさえできれば・・・7個目?

昨年、衰えを指摘されていたブレイディだけど
そもそもNEの攻撃陣の不甲斐なさの方が目立っていたと思っている。
事実、シーズン序盤は完璧な攻撃陣だった。
それが怪我人だったりアクシデントだったりで離脱者が続出で
結果的に補強した選手も使えず、攻撃の形がないまま終わってしまった。

それでも地区優勝し、プレイオフに出たのは
HC(ベリチック)とQB(ブレイディ)、コーチ陣などの
組織としての強さが際立っていた(というかそれがNE)からだと思うし、
攻撃陣以外は一定クオリティ以上だった、と言う事だと思う。

かつてブレイディは「自分は批判、避難される方がうれしい」と
インタビューで語っていた。今、まさにそういう状況だと思う。

素晴らしいHC(エリアンズ)と新しい仲間、そしてかつての盟友とともに
彼のカムバック(あくまでチーム成績上)に期待せずにはいられない。

無事、NFLが開幕できることを祈っている。



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

[日記](読書) 三体(劉慈欣) [日記]


今年一番読みたかった中国のSF作家・劉慈欣の「三体」を読んだので記録。

中国のSFはあつい。「紙の動物園」も面白いし、日本もSFが流行った時期があるし
こういう「ブーム」はどの国も通ってくるのだであろうか。

「三体」については超人気、という以外なにも事前情報は仕入れず、読んだので
中盤以降も、何が何だかわからない状態で読み進みていた。
中国系の小説(というか海外の小説)の「あるある」で固有名詞が憶えづらいのだが
なんとかそのハードルを越えて読み進められた(耐性があったとは思うけど)

物語はまず「文化革命」の闘争から始まる。
少女の死、教育者への虐待と殺戮、その娘、そして夫を売った母。
娘の数年後の生活と、軍が関与する実験施設(とその実験)

時は進み、現代の中国。ナノマテリアル開発者のもとに軍や警察、NATO、様々な
組織が集まる集会への誘い(というよりも出席要請)が届く。

本のタイトルになっている「三体」とは古典力学の「三体問題」のことらしく
正直良くわからない。3つの物体が引きあった状態で・・とかそんなことで
解けない問題らしい。

そんなことも知らずに読み進めていくと、話は「文明」だったり
映画・コンタクトの様なSFの様相になっていく。

私は地球外の知的生命体については否定もしなければ、肯定もしないのだが
積極的に知的生命体や生物を探すのは否定する立場をとっている
どう考えても、余計な火種になるし、そもそも危険だし。

正直、当初考えていたストーリーとも全然違うし
途中に予想したストーリーとも全然違った物語だった、というのが感想で
「爆発的にヒット」しているというようなことも感じなかった。

よく出来ているとは思うし、複雑なんだけど、エンタメ作品だし
あとがきにもあったようにJ・P・ホーガンの作品を読んだ時の様な
ワクワク感やハラハラ感も、人によっては感じることが出来ると思う。

要はよく出来ているなぁ、と。こういう作品でないんだよなぁ、日本には。
どうも、「萌え」やら「攻殻機動隊」やら「AKIRA」やら
出尽くしたのか、いや、思えば、全部アニメだし、小説文化はなくなったのか。

まぁ、何はともあれ、近年では最大に読みたかった作品でもあったので
そういう意味では十分楽しめた。

今らしい次元の話も出てきたし、地球全体を巻き込むし、
なるほど、太陽にはそういう使い方もあるのか!?とか、興味深いし。

ちなみに「続編」もあるっぽいので、当分、楽しめそうかな。

次回作を期待しましょう




nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

[日記](読書) ナイトホークス(マイクル・コナリー) [日記]


マイクル・コナリーの「ナイトホークス」を読んだので記録。
というか、2回目だと思う、この作品を読んだのは。

古い作品で、ハリウッド/ロサンゼルス市警、ハリー・ボッシュの活躍を描いた
ハードボイルド作品。
ダーティハリー、ダイ・ハードとまではいかないまでも、結構、荒業で
1匹オオカミ的な刑事が主人公。
ハリーは既に1作目にして、左遷されている(過去の事件の発砲により)

原題は「ブラック・エコー」ということで
ハリー自身がベトナム帰還兵(対ゲリラ要員)に起因している。
邦題よりもこっちのほうがいい気がするのだが・・・

ハリーが停職中に起こった銀行強盗と
ハリーが復職した直後に起こった、ベトナム帰還兵に対する事故死の偽装
ハリーを陥れようとする内部監査
実体が良くわからないFBIの調査

ハリーの機転と、色々な事象が絡み合って非常に面白い。
2回目だったのだが、やっぱり面白いなぁ、と思って読み進められた。

できれば続編を読んでいきたいのだが
コロナの影響で図書館が閉まってしまったので読めない・・・

まぁ作品は逃げないし、図書館再開時のお楽しみにしておこう


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

[日記](読書) チャイルド44 (トム・ロブ・スミス) [日記]


まったく知らなかった作品、トム・ロブ・スミスの「チャイルド44」を読んだので
記録。この作品はロシアの連続殺人事件を扱ったもので、実際の事件を基にしている
らしい。2015年にアメリカで映画化もされており、そもそも人気作品らしい。

作家は西側生まれで育ったいるのだが、物語はスターリン時代のソ連。

国家保安省といういわゆる「反国家」の市民を取り締まる敏腕捜査官のレオと
その妻(かなりの美人という設定)が、事件を通じて国家から追われる事態に
なるという物語。

スターリン時代のソ連、そしてその市民たちの生活や文化、考え方。
勿論小説なので、しかも「西側」からの視点なので
本当かどうかわからないのだが、かなり、凄惨な状況が伝わってくる。

子供の連続殺人を題材にしてたり、描写も結構激しい。
私はそういうのが苦手なので、適当に読み飛ばしたが、えぐい表現もある。

正直、スターリン時代のソ連を題材にした以外は、特に「大好き」な
作品になるということはなかった。

面白いことは面白いんだけど、着眼点(ソ連というところ)以外は
特に目立ったところもなかったかなぁ。

レオと犯人の関係性も、「え?、そこで?」みたいだし
もう少し、面白く出来たような気もするんだけどな、と。
まぁ、私にはもちろん作れませんけど・・・。



nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

[日記](読書) 風の影(カルロス・ルイス・サフォン) [日記]


スペインの小説、「風の影」(カルロス・ルイス・サフォン)を読んだので記録

この小説は日本ではほぼ無名(だと思う)で、知る人ぞ知るという作品。
ただ日本以外ではベストセラーになっており、スペインなどで受賞歴もある。

ストーリーは、1945年のスペイン・バルセロナの古本屋

幼き頃母を亡くしたダニエル(10歳)は、父に連れられて「本の墓場」なる
図書館?(古本屋?)に行く。
そこで父から「一冊だけ本を選ぶ」ことを命ぜられ、フリアン・クラックスの
「風の影」に出会う。

そこから物語はダニエルの成長とともに、恋愛、フリアンの人生調査、
それとともに怪しげな事件に巻き込まれるダニエルとその周り。

スペイン版の村上春樹みたいな作品で、
顔のない謎の人物、過去のいわくをもつ同僚、恋人たちが
ダニエルとフリアンを中心に魅力的に描かれる。

ダニエルの成長記とも捉えることが出来るし
フリアンの人生記とも捉えることが出来るし
謎の作家をたどるミステリーとも捉えることが出来るし
スペインの内戦の話と捉えることが出来る
或いは不思議な本の墓場のファンタジー作品かもしれない。


トリックが!とか、残忍な事件(サイコパス)!とかそういうものではない
合わない人はきっと全く面白さが分からないだろう。

でも本好きで、村上春樹みたいな作品も好きで、
バルセロナが好きだったら、きっと気に入る作品だと思う。

それ以上の説明ができない。不思議な作品。

なお、この本ではスペインの内戦も大きなウェイトを占めている。
日本ではあまり知らない(サッカーではバルサ、レアルの確執は語られるが)
内容だと思うので、そういう意味でも良い作品だと思う。

ごくごく普通の少年のダニエルがいい味を出していると思う。
村上春樹の作品は、どこか主人公が浮世離れしていて微妙なのだが

こちらの作品は男だったら誰もが経験したような
小さなエピソードが語られてて、スペインが舞台だけど
感情移入しやすいかな、と思う。

良い作品。


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ: