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[日記](読書) 風の影(カルロス・ルイス・サフォン) [日記]


スペインの小説、「風の影」(カルロス・ルイス・サフォン)を読んだので記録

この小説は日本ではほぼ無名(だと思う)で、知る人ぞ知るという作品。
ただ日本以外ではベストセラーになっており、スペインなどで受賞歴もある。

ストーリーは、1945年のスペイン・バルセロナの古本屋

幼き頃母を亡くしたダニエル(10歳)は、父に連れられて「本の墓場」なる
図書館?(古本屋?)に行く。
そこで父から「一冊だけ本を選ぶ」ことを命ぜられ、フリアン・クラックスの
「風の影」に出会う。

そこから物語はダニエルの成長とともに、恋愛、フリアンの人生調査、
それとともに怪しげな事件に巻き込まれるダニエルとその周り。

スペイン版の村上春樹みたいな作品で、
顔のない謎の人物、過去のいわくをもつ同僚、恋人たちが
ダニエルとフリアンを中心に魅力的に描かれる。

ダニエルの成長記とも捉えることが出来るし
フリアンの人生記とも捉えることが出来るし
謎の作家をたどるミステリーとも捉えることが出来るし
スペインの内戦の話と捉えることが出来る
或いは不思議な本の墓場のファンタジー作品かもしれない。


トリックが!とか、残忍な事件(サイコパス)!とかそういうものではない
合わない人はきっと全く面白さが分からないだろう。

でも本好きで、村上春樹みたいな作品も好きで、
バルセロナが好きだったら、きっと気に入る作品だと思う。

それ以上の説明ができない。不思議な作品。

なお、この本ではスペインの内戦も大きなウェイトを占めている。
日本ではあまり知らない(サッカーではバルサ、レアルの確執は語られるが)
内容だと思うので、そういう意味でも良い作品だと思う。

ごくごく普通の少年のダニエルがいい味を出していると思う。
村上春樹の作品は、どこか主人公が浮世離れしていて微妙なのだが

こちらの作品は男だったら誰もが経験したような
小さなエピソードが語られてて、スペインが舞台だけど
感情移入しやすいかな、と思う。

良い作品。


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