[日記](読書) 大聖堂(中)(ケン・フォレット) [日記]
続いて、再び「大聖堂」(ケン・フォレット)
中世イングランドのスティーブン王、そのライバル女帝・モード
彼らの覇権争いに取り入り、利権を得ようとする修道士、貴族たち。
上巻から続く、キングズブリッジの大聖堂建立作業
棟梁のトム一家、キングズブリッジに移り住み羊毛商いで財を気付く
かつての貴族の子・アリエナと、貴族復活のため騎士となった弟リチャード。
キングズブリッジ修道院長のフィリップは、
蠢く謀略からなんとか九死に一生を得て、棟梁トム、トムの息子アルフレッド、
トムの妻、エリンの連れ子・ジャックとともに大聖堂建立作業を続けるが
アリエナを巡り、ジャック、アルフレッドの対立、
そしてウィリアムの所業により、トムを失ってしまう。
ジャックはエリンのもとを去り、遠方へ旅立つ
アリエナはリチャードを守るという亡き父との誓いのため
アルフレッドと結婚するが・・
ここまで読むと、面白くなしたね、がぜん。
修道士って・・・、男って・・・・という感じですね。
トムが残念。確かに彼の優柔不断が悲劇を生んだのですが・・
大聖堂建立を夢見たトム。完成を見ることなく。
こういう展開は想像してなかったのでびっくりしたし、
この辺りの展開の妙が、ケン・フォレットらしいのかも。
下巻を読まねば。
[日記](読書) 水の墓碑銘(パトリシア・ハイスミス) [日記]
サスペンス作家のハイスミスの長編「水の墓碑銘」の感想・記録。
正直、しんどかった。
作家さんがいわゆる「巨匠」だし、ネットでも高評価だったし
たしか、「太陽がいっぱい」を観たことあったなぁ、ということで
改訳版を読んでみたけども・・・
若く美しい妻・メリンダ。
夫は富裕層で、父親が残した遺産と自身の趣味的な出版物だけで
優雅に暮らしている。
近隣の家族とも特段悪い関係でもなく、パーティに夫婦で招待されたり
一人娘の友人家族とも特段問題も無く、という感じだが
妻・メリンダが元々自由人で、結婚しても、若くイケメンの男がいれば
家に公に招待したり、夫に隠れてデートしたり・・。
で、物語は、この夫が、メリンダの恋人(愛人)を次から次へと殺すというもの。
特段殺し方が酷いとか、実はメリンダとグルだったとか、
娘も絡んでいたとか、そんなこともとくになく、
ただただ夫が少しずれていて、メリンダが自由過ぎてという感じ。
何が面白いポイントなのか、最後まで分からず終わってしまった。
ほとんど最後は読み飛ばしながら(行ったり来たりしながら」
何とか読んだ感じ。解説読んでも、特に「ここが!」ということもなく
映画化もされるんだなぁ、くらい。
サスペンス作品とミステリー作品の違いなんですかねぇ。
言葉ではよく言い表せないけど。。
普通の人が、少しズレて、殺人を起こしていくみたいな?
[日記](読書) 大聖堂(上)(ケン・フォレット) [日記]
ケン・フォレットの作品は、前回、「ネヴァー」が読み易いエンタメ作品だったので
彼の代表作と思われる「大聖堂」を読むことにした。まずは上巻の感想・記録。
12世紀のイングランド(南部)の架空の街、「キングズブリッジ」を中心に
大聖堂を建てるビルダー(建築士)・トム一家、修道院長、司教、伯爵などなど
多くの人物が絡む群像劇。
ネットのレビューで「何だかんだで面白い」という内容が多く、かつ
1989年に発表後、ドラマ化も進んでいたり、続編もあったりで世間的に高評価。
私的には、トムもその息子(達)も、伯爵家や修道士の連中にも
とくに魅力的な人物が見当たらず(感情移入できそうなひと)、
正直、ネットのレビューが無ければ、読まない類の作品だと思う。
なんとか、上巻を読み進めた。(まだ、中巻、下巻もあるのだが・・・)
上巻では、トム一家の放浪と森に住みプロローグで印象的だった女性との出会い、
修道士、伯爵家、王家の陰謀が、徐々に絡み合い、大聖堂の再建計画が
スタートするという流れ。
中世ファンタジーというわけでもないけど、こういう作品は
ヨーロッパ的な宗教観(文化)、様式、歴史が分からないと
文字だけではなかなか詳細がつかめないのがつらいし、価値観があわない。。。
そもそも「大聖堂」などの宗教的な建築物に対する知識が全くないので
ネットで大聖堂の平面図や立体図を勉強して、なんとなく
登場人物の行動範囲や、トムが建てようする大聖堂の構造を想像できる程度。
修道士の「位」も良くわからないし、だれがだれより上のなのか、
どのくらい上位に位置して、誰がどのくらい下位なのかも
ネットで下調べしないと、どれくらい「話しが深刻」なのか分からない。
確かに何だかんだで面白いのですが・・
途中で挫折した、「七王国の玉座」よりかは読み易いか・・
「レッドクイーン」もあったなぁ。。。
気力が萎えないうちに、「中巻」を読まなければ・・・。
[日記](読書) シャッター・アイランド(デニス・ルヘイン) [日記]
続いてのデニス・ルヘイン。「シャッター・アイランド」の感想・記録。
ずっと読んでみたかった本作品。
ディカプリオ主演で映画化もされて、一時期、アマゾン・プライムで無料視聴もできて、
少し観ては、重い雰囲気に何度も挫折。映画のレビュー評価も高かいし
デニス・ルヘインの他小説同様、最初の導入を乗り越えれば、グイグイ引き込まれると
分かっていたのですが、遂に映画をあきらめ、小説を読むことに(と思って、
幾年月なんですが)
読んだ感想としては、「こんな(ホラー)サスペンス」も書けるんだ!ということ。
映画同様、冒頭から重苦しい。
連邦保安官・テディ(ディカプリオ主演)は、ボストン沖のシャッター島にある囚人専用の
精神病棟に新任の相棒とともに、失踪者の捜査にあたる。
失踪者は謎の暗号を残し、密室(病室)から忽然と消え、現在も行方不明。
ありえない失踪の状況からテディは、失踪は病院関係者全員(多く)が絡んでおり
目撃証言そのものが意味をなさない為、失踪捜査は暗礁にのりあげ
テディ自身も諦めムード。そんな中、テディは相棒にこの精神病院に来た本来の目的を話す。
それは精神病院の闇、そしてテディの妻を死に追いやった囚人への復習。
テディと相棒はシャッター島を探索し、囚人を探し出そうとするが、、、。
最初は、失踪者を捜査する謎解きミステリー
途中から、大戦中の精神病患者へのおぞましい人体実験(ホラー)
そして最後は、テディ自身の真相とこの物語の謎解き
相変わらずデニス・ルヘインは、一筋縄ではいかないストーリーを構築する。
複雑怪奇、残虐シーン満載、巧妙なプロット、トリックというわけでは
決してないと思うけど、登場人物への感情移入がしやすく、読み易いので
展開が思わぬ方向に突入しても、妙に心地よい。
流石、売れっ子。
[日記](読書) あなたを愛してから(デニス・ルヘイン) [日記]
デニス・ルヘインの2018年にリリースされた「あなたを愛してから」の感想・記録。
原題は、「Since We Fell」。
オールディーズの「Since I Fell For You」をモチーフにしているようで
本作品中にも、主人公・レイチェルと、その夫・ブライアンの記念曲、そして
物語のキーになる曲として扱われている。
"We"になっているところは、「ブライアン」と「レイチェル」を意味するのかな。
物語はデニス・ルヘイン作品らしく、読み進めていけばいくほど盛り上がる
本当に面白かった。これまでの作品でも、ちょうどいいくらいに
登場人物の人生を語り、ちょうどいいくらいにストーリーが進んでいくので
非常に読みやすく、次の章が気になって仕方ない。
プロローグ、レイチェルがボストン港に浮かぶボートで夫を銃殺するところから。
そこでは、夫との事よりも、レイチェルの「母」がポイントとなっていて
第1部では、レイチェルと母、そしてレイチェルの実父探しがメインとなっていく。
そこで、夫となる若き探偵と出会う。
ただこの時点は、母、父とのストーリー、そしてレイチェルのTVキャスターのキャリアが
メインで、未来の夫との関係は物語の端役に過ぎない。
第1部で父親探し、母親との物語が完結し、レイチェルのキャリアも終焉する。
第2部では端役のはずだった探偵が、夫となり、キャリアの挫折、
挫折に陥った原因でもある自身のパニック障害を克服しよう努力し、
夫・ブライアンの協力もあり、幸せな結婚生活を送っている。が、
あるとき、イギリスに出張中の夫を、近所で見かけたことから、
ブライアンへの疑惑を深めていく。
ブライアンへの疑惑は、プロローグ(のボートの場面)につながるのだが
物語自体は、プロローグの先もしっかり語られている(第3部的な)
とにかく面白かった。現実ではありえない展開もあるんだけどね。。
それはそれでエンタメということで問題ないし、映像(映画)で観ても
全然違和感を感じないと思う。
続編・・・レイチェルとブライアンのその後も気になるけど、
これはこれで完結なのかな、と。
デニス・ルヘインの作品にハズレ無しなのか。
[日記](読書) 犠牲者の犠牲者(ボー・スヴェーンストレム) [日記]
何となく久しぶりの北欧・スウェーデン発の残虐ミステリー、
ボー・スヴェーンストレムの「犠牲者の犠牲者」の感想と記録。
本作品でも登場人物同様、本作家さんも元ジャーナリスト。
だから?という感じではあるが、
本作品も、他北欧ミステリー同様、残虐非道。残忍。
正直、この作品を読んで、特徴をあげろ、といわれても正直
「ただの北欧ミステリー」という印象しかない。
残忍な拷問をうけて死にかけている男性が発見される
その男性自身も過去、様々な事件を起こした挙句、
未成年の少女をレイプしている。(この男はのちに死亡)
さらに同様に残忍な拷問を受けた死体が次々に見つかり
犯罪捜査部カールが同僚たちと犯人を追うが
犯人につながる決定的な証拠を掴めず、事件は混迷。
まさに王道北欧ミステリー。
犯罪捜査部の刑事たちとは別に
この事件を記事にするジャーナリストが登場し、
警察内部関係者と思しき人物の情報も得たりしながら
記事を作成してく。
カール、同僚、そしてジャーナリストのアレクサンドラ。
それぞれが、それぞれの「過去」を持ち、
そのあたりが、事件の真相や物語に深みをあたえているようにも思うが
正直、めんどくさい。これまた、よくある北欧ミステリーの展開。
複雑なプロットをどう演出するか、みたいな。細工が激しい。
正直最後は展開通りという感じもするが、この1冊だけでは
中途半端感が否めないと思う。これで終わり?って感じ。
本国では、続編が2作ほどでているようなので、この中途半端感への解決は
続編に持ち越しなんだろうと思う。
読む人によっては、このミステリーは「凄い」という感じだけど
既に北欧ミステリーを沢山読んでいる人は、「またか」ということなんだと
思う。タイミングによって評価が異なるかなぁー。