[日記](読書) あなたを愛してから(デニス・ルヘイン) [日記]
デニス・ルヘインの2018年にリリースされた「あなたを愛してから」の感想・記録。
原題は、「Since We Fell」。
オールディーズの「Since I Fell For You」をモチーフにしているようで
本作品中にも、主人公・レイチェルと、その夫・ブライアンの記念曲、そして
物語のキーになる曲として扱われている。
"We"になっているところは、「ブライアン」と「レイチェル」を意味するのかな。
物語はデニス・ルヘイン作品らしく、読み進めていけばいくほど盛り上がる
本当に面白かった。これまでの作品でも、ちょうどいいくらいに
登場人物の人生を語り、ちょうどいいくらいにストーリーが進んでいくので
非常に読みやすく、次の章が気になって仕方ない。
プロローグ、レイチェルがボストン港に浮かぶボートで夫を銃殺するところから。
そこでは、夫との事よりも、レイチェルの「母」がポイントとなっていて
第1部では、レイチェルと母、そしてレイチェルの実父探しがメインとなっていく。
そこで、夫となる若き探偵と出会う。
ただこの時点は、母、父とのストーリー、そしてレイチェルのTVキャスターのキャリアが
メインで、未来の夫との関係は物語の端役に過ぎない。
第1部で父親探し、母親との物語が完結し、レイチェルのキャリアも終焉する。
第2部では端役のはずだった探偵が、夫となり、キャリアの挫折、
挫折に陥った原因でもある自身のパニック障害を克服しよう努力し、
夫・ブライアンの協力もあり、幸せな結婚生活を送っている。が、
あるとき、イギリスに出張中の夫を、近所で見かけたことから、
ブライアンへの疑惑を深めていく。
ブライアンへの疑惑は、プロローグ(のボートの場面)につながるのだが
物語自体は、プロローグの先もしっかり語られている(第3部的な)
とにかく面白かった。現実ではありえない展開もあるんだけどね。。
それはそれでエンタメということで問題ないし、映像(映画)で観ても
全然違和感を感じないと思う。
続編・・・レイチェルとブライアンのその後も気になるけど、
これはこれで完結なのかな、と。
デニス・ルヘインの作品にハズレ無しなのか。