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[日記](読書) 大鴉の啼く冬(アン・クリーヴス) [日記]


アン・クリーヴスのシェットランド諸島で起こる殺人事件、
4部作(4重奏)の1作目、「大鴉の啼く冬」の感想と記録。

小さな島(でもないけど)の連作といえば、ヨハン・テオリンのエーランド島の
4部作を思い出しますねぇ。作品としてはこちら(シェットランド諸島)のほうが
古いのかな??

シェットランド諸島・ラーウィックの年明け。
間もなく「ウップ・ヘリー・アー」と呼ばれる伝統的な火祭りが開催される。
そんな中、女子高生の死体が見つかる。8年前、ラーウィックでは女児が殺害され
殺害現場の近所に住む一人の老人が犯行を疑われるも証拠不十分のため起訴されず、
今回の女子高生の容疑者としてみなされる。

この小説の説明に「緻密な」「大胆な」「読者への挑戦」など
煽り文書がおびただしいのだが、内容としてはオーソドックスなもの。
シェットランド諸島の風俗(文化)、火祭りの印象以外は
とくに目立ったところはないかな、、、。

ただ、これ4部作なので、エーランド島の4部作みたいに
徐々に面白くなるんだじゃないかと(この作品も面白くないわけではない)、
期待しております。

海外ミステリーは、こういう(その土地の文化、価値観、伝統などを知る)
楽しみ方もあります。


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[日記](読書) アノマリー・異常(エルヴェ・ル・テリエ) [日記]


フランスで100万部以上を売り上げたというエルヴェ・ル・テリエの
「アノマリー・異常」の感想と記録。

基本的に海外ミステリーが好きなので、早川書房から発売される新刊情報はチェック。
ただそれだけで、この作品に出合い読んではみたものの

第1部(物語は第3部まである)の最後まで、何が何だかわからず
ブレイク(偽名)という殺し屋の話なのか、
作家ミゼルの話しか、それとも彼が書いた作品・「異常」の話なのか、
それとも、第1部で続々と登場する弁護士、家族、パイロットたちの話か、
何が面白いのか良くわからない。

ハッキリ言うとまったく面白みを感じなかったが、第1部の最後で
研究者と政府関係者の話あたりで、「おおおぉ」って感じになる。

概要としては、

2021年6月(June)@米国にて、積乱雲に突っ込み、トラブル発生の旅客機が
緊急着陸を要請したところ、なぜか米国軍基地への着陸を指示される。
実はこの旅客機は、同年3月(March)に既に無事に着陸。搭乗者も帰宅済み。

では、この6月(June)の旅客機、搭乗者は何者(200名以上)?

政府関係者による秘密裡の調査の結果、パイロット、乗客全て同一人物であることが判明。
つまり搭乗者(と機体)は「3月」、「6月」の「重複(ダブル)」。

しかも事件はこれだけではなくフランス、中国などでも同様の事件が発生しており
地球上に「重複(ダブル)」が存在しているという。

ここまで読み進めると、「どんな落としどころ?」ってすごくワクワクする。
夢オチ?、やっぱり、作家ミゼルの「異常」に書かれた物語か?
ミステリーではなく、ハードSF作品だったのかー!?だったり。

・・が、この後の展開は謎解きよりも第1部に登場した数々の人物が
「ダブル」に出会うくだりと、その後の人生が割と丁寧に語られていくので
私としては、「あー、もう、面倒くさいなー」な感じ。ぶっちゃけ苦痛。

「ダブルと出会う」くだりは最初の数人だけでよかったのになー、なんて思った。
はやく「謎」を教えてよ!みたいな感じなんだけど、最終的にはSF作品ではなく
勿論、ミステリーでもなく、どちらかというと哲学、文学的な作品だったようで、
この「異常事態」の原因よりも、このような「異常事態」になったときに
人々がとってしまう行動、それによる「不幸」だったり「皮肉」を語っている
作品だった模様。

フランス文学というか、映画っぽく、オチが無いというか
シュールというか、皮肉というか、なんとも結末。
「謎」が知りたくて一気読みしたけど、読み終わった感想としては
消化不良だったりする。

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[日記](読書) アリスが語らないことは(ピーター・スワンソン) [日記]


「アリスが語らないことは」(ピーター・スワンソン)の感想と記録。

ピーター・スワンソンのミステリー作品を読むのは、「そしてミランダを殺す」に
続いて2作目と思う。「そして・・」同様、日本語タイトルが秀逸で、
ついつい手に取って読んでしまうような・・。タイトルが見事という感じ。

こちらの作品は「突拍子もない殺人事件」という感じではなかった。
どちらかというとサスペンス的な感じかな、と。(日本のサスペンスドラマな感じ)

大学卒業間近のハリーは、父の事故死を知り、地元に戻ってくるが、
担当刑事から、死因が事故死から他殺の疑いがあることを聞かされる。
まだ若く美しい中年女性の継母アリス。
物語は現在の時間軸と、アリスの過去が中心に語られていく展開。

意味深な感じで死んだ父親の日記には、名作ミステリー作品のリストや
その他伏線らしきものもあったりすけども謎解き要素という感じではなく
ただアリスの過去と現在が語られ彼女の内に潜む殺意を読み解く感じ。

あからさまにアリス(と継父)の過去が語られるので
犯人(共犯)の謎も、なんとなくわかるし、そもそも
タイトルからも、犯人・アリスというのは分かり切っているし、
最後もいかにもサスペンスドラマって感じ。面白いのは面白いけど・・

なんか、「そしてミランダを殺す」にも近いかもしれない。
もう少し何かあれば、名作になったかもという感じもする。
アンソニー・ホロヴィッツだったら、もっとドラマチックだったのかも。
いつものように、突然場面転換したなんかすると。

悪くはない作品。そんな感じ。
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[日記](読書) 未踏の蒼穹(ジェイムズ・P・ホーガン) [日記]


J・P・ホーガンの「未踏の蒼穹」の感想と記録。

氏の作品は、中高生時代に「星を継ぐもの」を読んで以来、結構読んだ。というか
大好きな作品。未だにコミクライズされていたりするし、ファン多しです。
2010年に亡くなっているのですが、もし、彼がコロナ禍の世界を目の当りにしたら
どんな作品を出しているのか、興味深いものです。

本作品のストーリーは、「もう一つの「星を継ぐもの」」と銘打たれている通り
「星を継ぐもの」同様、ミステリー作品のようなハラハラ・ドキドキの展開。
SF作品にありがちな意味不明なワードや数字満載ではなく、あくまで、
ストーリーそのものがSFという感じです。

ホーガン作品の良いところは、最新科学をベースにしたストーリーではなく
「そもそもこんな解釈だったら?」みたいな設定なのであまり古臭くならないこと。
というか、翻訳のチカラなのかどうなのか分からないけど、2020年代のいま
リリースされていても違和感ないんですよね、、設定も。

「星を継ぐもの」では月で見つかった「深紅の宇宙服の人間の死体」から
人類の創生、木星(衛星・ガニメデ)との関係性・謎が明らかになりましたが

この作品は、地球人は既に滅んでおり、その後太陽系で反映している金星人たちが、
既に滅んだ地球(文明)と月の探索を進めているなか
月の裏側にあった施設やデータをもとに金星人の創生の謎(と地球人の末路)が
明らかになるというストーリー。

この作品が面白いのは金星人の視点語られる
「地球人(或いは文明・志向)の愚かさ」だったり
「地球文明が滅ぶ理由」やそれに至る「言動」が、リアルに納得できるところ。
「(かなり残念な)地球人あるある」という感じ。

現在、コロナや紛争(戦争)が続くこの地球上で、この作品は勿論、氏がなくなる
2000年初頭に書かれたものなのだが人類の滅亡の理由が、
「事実の捻じ曲げ(特定の事実への扇動)」そして「戦争」と
「(人工)ウィルス」だったりする。

この作品では「地球人ってやつは・・・」というくだりが多いのだが
現状、そんな現実なのが痛い。ホーガンが書いたのは2010年以前だから
まさにホーガンから言われている感じがする。

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[日記](読書) 猫のお告げは樹の下で(青山美智子) [日記]


青山美智子さんの「猫のお告げは樹の下で」の感想と記録。

「本屋さんが選ぶ・・」で上位になったようでにわか?に人気な作家さんらしい。

「本屋さんが選ぶ・・・」な賞って、売れている本をもっと売らせたい忖度が
強そうなのであまり好きではない。というか、「本好き」「本屋・図書館好き」なら
既に読んでいる作品だったり、次に読みたい作品なのに、
わざわざ「買いにくくする」「読みにくくする」人たちって、本好きとは思えない。
本当に本が好きだったら、もっとマニアックに良い本を掘り起こして欲しい、、とか思う。


で、この本は非常に読み易いけど、私の様な「すれた」人間には響かず。

いや、この手の本は読むタイミングが非常に重要というか。本に罪はない。

ミステリアスな黒白猫・ミクジがいる神社。神主さん曰く、ミクジにあえたらラッキー。
なぜならば悩みがある人の前に、ふらりと現れ、葉っぱを落としていく。
葉っぱには「○○」という、意味不明な言葉や単語、記号が浮かび上がっていて
その後、その言葉(或いは記号・単語)に導かれるように・・という流れ。

・・が、「ラッキー」なわりに、その葉っぱをもらった人たちの悩みはさほど
深刻とは思えない(気がする)。年代、性別、役割にありそうな「悩み」がメインで
視点を変えるだけで、「希望」に変わる。「気持ちの持ちよう」みたいな。

作品自体悪くないと思う。
ただ、わざわざ読むほど「いい話」でもない気もする・・・かな。
なんだろう、このライトな感覚。
いい作品なんだけどね・・、いい意味でも悪い意味でも
小中学校の国語の教科書にありそうで、毒がない(無害)

いや、この日常というか、私が読んでいる本に「毒」がありすぎるのか?と
穿ってみたり・・・。

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[日記](読書) 天使の傷(マイケル・ロボサム) [日記]

続いて、マイケル・ロボサムのシリーズ作、「天使の傷」の感想と記録。

臨床心理士のサイラス。兄以外は、幼少期に「兄」により殺害されている。
18歳の少女・イーヴィ。幼少期に拉致・監禁、虐待されているところを救出される。
イーヴィは嘘を見抜くという特殊能力を持ち合わせているが
過去の経歴が一切不明で、事件の重要性、性格から施設にて生活している。
前作では一時期、サイラス雅身元を引き受けていた。
さして、サシャ。元警察官。かつて監禁されていたイーヴィを見つけたものの、その後
マスコミや警察内の人間関係を嫌い、田舎町で隠居。

既に数年前に解決したハズの児童連続殺害事件を追っていた元警視が自殺を偽装し
殺されていた。サイラスは他殺を見抜き、独自に調査に乗り出すが
元警視が隠していたノートの中に、「エンジェルズ・フェイス(=イーヴィ)」の
名を見つける。イーヴィの過去が徐々に明らかになっていく。

今回も上下巻に分かれているものの、そんなにページ数は多くなくサクサク読めた。
イーヴィ、サイラスのキャラがたっているので、ドキドキしながら読めるんだけど
最期の展開は、ちょっと残念だったような気がする。面白いんだけど
ありきたりというか、結局、サイラスって何やったんだろう・・みたいな。

お決まりのようにサシャとくっつくサイラスにも、少し幻滅。
そういうキャラじゃないよね・・・。とはいうものの、イーヴィとくっつけるわけにも
いかんよね、この作品のテーマ的に。
できれば、サシャとは捜査の単なる協力者で終わってほしかったし、
イーヴィとは、適当な距離で自立して欲しかったなぁ、と。なんかありきたりな展開。

この作品は「ミレニアム・ドラゴンタトゥーの女」のリスベットによく似ている。
あちらの性生活は全く理解できないし、ハチャメチャぶりが半端ないので
私としては、イーヴィとサイラスの関係性が好きですねぇ。

マイケル・ロボサム作品、面白い。


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[日記](読書) 黒き荒野の果て(S.A.コビー) [日記]


米国、ヴァージニア州出身の犯罪小説、「黒き荒野の果て」の感想と記録。
意味深な邦題が付いているが、原題タイトル「BLACKTOP WSATELAND」。
ちょっと意味が分からない。黒塗装の荒れ地だろうか。

ヴァージニア州の田舎で自動車整備工場を営むアフリカ系アメリカ人のバグ。
自動車整備工場はライバル店の出現で火の車。
電気代や賃貸料を払えず、仲間内での自動車レースで食い扶持を稼いだり
ギリギリの生活。妻、子供たちとの生活、末期癌の母の医療費
そして別れた妻との間の娘(高校生)への学費など悩みは多い。

そんな中、かつての"仕事"仲間(競走馬強奪(失敗))から、自動車運転(と改造)の
技量の高いバグに宝石店強盗を持ち掛けられ、
バグは最後の"仕事"と誓い参加を決意し、決行するが。

犯罪小説でよくありふれた「どうしようもない」連中の、救いのない物語。
話としては面白いと思う。でも、実社会のおいて
"善人"が、仕方ないから強盗、仕方ないから人殺しを行い、どんどん追い込まれ
悪人だろうが、一般市民だろうが、なりふり構わず死ぬ物語を
「賞賛」することは、どうなんだろう、と思う。
しかも主人公は、残された家族に仕事の「成果」を手土産に消えようとする。
確かにこの主人公は、機転が利き、苦悩しているが
犯罪は犯罪だし、それを美化するような物語は好きじゃない。

・・・とはいうものの「パルプ・フィクション」とかは好きなんだけど・・・。

とういうか、これが米国の閉塞された田舎、特に南部のアフリカ系アメリカ人の
実態なんだろうか?
父親は犯罪に手を染め、母親もどうしようもなく、その子たちも
結局同じように犯罪に身を置いていく。

ただただ面白小説として「面白かったー」という感想は、なんだかいやだなぁ。


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[音楽] BEAT-UP (アップビート) [音楽]

アップビートの40周年記念、シングル集。その名も「BEAT-UP」が発売・購入。

彼らは80年代後半、佐久間さん、ホッピー神山さんのプロデュースで人気が出たバンド。
丁度、BOOWYが人気絶頂、そして解散宣言する中で登場し、ポストBOOWYを期待され
シングルでは「Kiss in the moonlight」や「NO SIDE ACTION」がそこそこヒットし
その後もランキングTOP20くらいに入るシングルを連発するものの、
大ヒット(ミリオンなど)は出ず、最終的にメンバーの脱退、そして95年代に解散。

ただ未だに私のように彼らを愛し、聴き続けている人も多く
現在活動中(或いはその後活動した)バンドにも彼らを公言する人もいるし
90年代のヴィジュアル系の源流となったと評価する人もいたりする

バンドのメインは、ヴォーカルで、ほぼ全ての作詞・作曲担当の美少年、広石さん。
ツンツンにした髪、美少年な容姿とは裏腹に声は低音。いつも元気いっぱい。
他はツインギター(岩永さん、東川さん)、ベース(水江さん)、ドラム(嶋田さん)。
ギターの東川さん、ベースの水江さんが途中で脱退し、3人編成で活動継続。

彼ら自身は特にポストBOOWYとか意識せずむしろUKロックやグラムをいかに
ポップロック、バンドサウンドに落とし込むか、を試行錯誤し
純粋に音楽を楽しんでいたように思う(特に広石さんは)。
今回の付録インタビューでは「ラモーンズのコピーばかり」といっていたので
グラムの影響とUS発のロックバンドをごちゃ混ぜという感じだと思う。

広石さんが表現する歌詞やアルバムの世界観・コンセプトも上記UK・US発の
ロックバンドのように、反体制だったり、ひねくれたものが多く
素直なラブソングが少なかった。(「Kiss in the~」くらいかも)

その点が明らかにBOOWYとは異なり、反抗期をむかえた中高生にとっては
シングル以外の曲やコンセプトをストレートに許容できなかったように思う。
私がまさにそうで、ビートロック、歌謡ロックでもっと売れてほしい、と
中高生時代はひたすら思っていた。(当時の馬鹿で幼稚な私に叱責したい)

彼らのかっこよさは、実はそこ(ビートロック)ではなく
5人編成で最後に発表した「Under The Sun」や、3人編成の最初に発表した
「Weeds & Flowers」に収録されたシングル以外の曲だと思うし、
捻くれた歌詞、世界観、メロディ満載の
3rdアルバムの「Hermit Complex」を名盤とあげるファンは多い。

逆になぜポストBOOWYを期待した多くの中高生に響かなかったのか、考えると
その要因のひとつは、前述の通り、分かり易いラブソングが少なかったこと。
もう一つの要因は、彼らの(というかレコード会社や事務所なんだろうけど)
プロモーションだったように思う。シングル発売時には、人気音楽番組に多数出演、
愛想も非常に良い。広石さんは華奢で美少年半端なく中性的。パフォーマンスも妖艶。

ポストBOOWYを期待していた中高生(反抗期の少年)には
ロックバンドがTVでチャラチャラすんなよ的なかなぁ、と。

演奏もツインギターがヴォーカルの裏でウネリまくっているのに
CD音源やTVパフォーマンスでは、ヴォーカルメインで、各パートは控え目。さらに
広石さんの美少年っぷりのせいか、他メンバーの演奏がフォーカスされることなく
BOOWY・布袋さんのギターパートの様な、分かり易いカッティングやソロが
伝わりづらかったのも、バンド少年達に届かなかった要因かもしれない。

広石さん曰く「惜しかった」バンドのアップビートなんですけど
アップビートの最大の魅力は、アンバランスや矛盾、分かりづらさにあると思う。
永遠に完成ないから、今もなお愛されるのかな、と。くせになる。

メンバーはカッコよくツンツンしている。でも広石さんは中性的な美少年でいつも元気
バンドの演奏はカッコいい。でもボーカルメインで各パートが伝わりづらい
シングルはキャッチーで万人受けが良い。でも、アルバムはUK/USロック色が強い
歌詞の世界感は分かり易い恋愛や大人への反抗ではなく、世界情勢、社会問題がメイン

最大のアンバランス・矛盾・分かりづらさは、
音楽は硬派なんだけど広石さん(の笑顔)が「とっても可愛い」んですよね。
元気のいい兄貴ではなく、元気のいい美少女風な中世的な少年。
中学生の男子からすると「広石さんが好き」とは中々言い辛かったような(苦笑
私はそんな広石さん、アップビートがむしろ大好きでしたが。

映像集でないかなぁ。
改めてリマスター音源(本シングル集)を聴くと演奏がカッコいいんだよね。

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[日記](読書) ザ・ドロップ(デニス・ルヘイン) [日記]


デニス・ルヘインの短編「アニマル・レスキュー」の映画版をさらに
小説化したものらしい、「ザ・ドロップ」の感想と記録。

ニューイングランド地方のバーテンダー・ボブと、その従妹で雇い主のマーブ。
雇い主といっても、すでにバー経営はギャングに売り払い
バーそのものは闇金やドラッグの「中継(ドロップ)」。

クリスマス。極寒のニューイングランドでボブは、ごみ収集場所で
負傷したピットブルの子犬を見つけ、近所に住むアニマルレスキューに
勤めていた女性の助けを得て子犬の面倒をみる。

そんなとき、バーに強盗が入り九死に一生を得る・・が、逆に刑事からは
マーブとボブに偽装強盗の疑いをかけられ、バー経営に対しても
闇金などの中継地点になっている疑いもかけられるなか
元締めのギャングの親玉からは、盗まれた金、犯人を見つけるよう圧力かけられる

刑事からもにらまれ、ギャングからも圧力をかけられ、
さらに子犬の元飼い主(というか殴ってゴミ捨て場に捨てた危険人物)からは
子犬の代金として1万ドルを請求されたり、とボブは散々な状態

ところが、ボブ自身も生活に困った人々に対して優しい一面ももっているが
決して「聖人(善人)」ではなく、過去の失踪(殺人)事件に
絡んでいたり、実は・・・・という感じの内容だった。

※その伏線は物語序盤でも語られていたりする

デニス・ルヘインが好きでなければ到底納得しないほどのページ数。
ただデニス・ルヘインが好きな人は、「おや?」と思う箇所もあったり
ルヘインらしいキャラの設定、ストーリー展開。
ボブが憎めないし、一人ひとりにきちんと歴史や設定があっていい。
それも程よい程度に。

私の場合は「好きな側」の人間なので、ソコソコ楽しめた。
ただ万人向けではない作品。

ちなみに本作も、ニューイングランド地方らしく
NFLのペイトリオッツや、セルティックスに絡んだ話しだったり
ギャングから追い詰められる(金を準備する指定日)が
スーパーボウルだったり、伝説のQBマニングが登場したりと
アメリカンスポーツを知っていると、さらに面白い。些細な点だけど。


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[日記](読書) 大聖堂(下)(ケン・フォレット) [日記]


ついに「大聖堂」(ケン・フォレット)の下巻を完読。その感想と記録。

上巻を何とか読み終え、中巻の途中から物語が加速度的に面白くなり
この下巻は一気読みなほど面白かった。

上巻、中巻で出てきた「端役」的な人物も下巻では
パズルのピースのようにピタリとはまる。

アリエナ、リチャードの姉弟、ジャック含むトム一家と
何とかキングズブリッジを切り盛りする修道院長フィリップや
私利私欲に走る修道士たち、そして、
最早、人間の所業とは思えないほどに残虐非道を繰り返すウィリアム伯と
同じくどうしようもなく利権を得ようとする司教ウォールラン。

この下巻では、故トム・ビルダーの捨て子・ジョナサンは修道士として
立派に育ち、、トムが手掛け、ジャック引き継いだ大聖堂も完成。
残念ながらトムの実子・アルフレッドは、エリンののろいか、
はたまたもともとの地悪な性格ゆえか、妻アリエナを襲ったところを
弟リチャードに殺されてしまう(自業自得で全然、残念ではないのですが)

その結果としてジャックとアリエナも夫婦となりることができ
すったもんだで、人畜非道を繰り返したウィリアムは大司教を殺害した罪で処刑され
陰で様々な陰謀を図っていたウォールランは凋落。
長かったけど終わってみれば勧善懲悪。

そう、この作品の最大の欠点は「長いこと」だと思う。
日本人には教会や修道士の「位」が理解しづらいし(重要性も)、
大聖堂の構造も理解しづらいので、「解説図」が欲しかった・・・。

万人にお勧めできる作品ではないけど、読書好きの人が
気長に読むには最適な作品だと思う。
読書慣れしないひとはきっと途中であきらめると思う。

まさに大河ドラマ。
最終的な感想としては、「氷と炎の歌」よりも面白かった。

女性陣の賢さ、逞しさ。それに引き換え、修道士含め男性陣の不甲斐なさ。
どこの世界、いつの時代も同じですねぇ。

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