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[日記](読書) 欲望のバージニア(マット・ボンデュラント) [日記]


続いて米国作家、マット・ボンデュラントの2作目で、映画化もされた作品
「欲望のバージニア(原題:The Wettest Country in the World」を読んだので記録。

物語は、1918年~1940年頃までのバージニア州・フランクリン郡の街にいきる
「ボンデュラント家」のお話。メインは3兄弟(フォレスト、ハワード、ジャック)。

禁酒法が制定されたアメリカで、闇酒を製造する3兄弟。
フランクリン郡では3兄弟が、というよりも、どこもかしこも闇酒が蔓延っており
その中で生きる3兄弟という感じで、その3兄弟に対する暴行事件を巡り
「3兄弟には手を出すな」と物語中ででてくるが、残虐非道というよりも
力に屈しない3兄弟(ボコられても、懲りずに闇酒ビジネスを営む)という感じ。

保安官、州検事は闇酒業者から賄賂を受け取り、それを拒否した3兄弟を襲撃
さらに3兄弟はそれに対して復讐。それを調査しようとする作家。

正直、物語は面白いのかどうか、良くわからない。
マギーという女性や、運び屋の女性、作家、末っ子のジャックとバーサなど
色々登場人物は出てくるけど、正直なにも深掘りせず、なんだかなーで終わる。
一応、賄賂受け取った役人は捕まり、3兄弟は生き延びるんだけど
そのあたりの展開が分かりづらいというか、淡々としているというか、
どこか盛り上がりに欠けるというか。

このあたりは、「運命の日」(デニス・ルヘイン)のダニーを中心に
その闘争と恋愛をドラマチックに展開する小説は異なると思う。
丁度時代も同じくらいですね。運命の日もスペイン風邪が流行ったころですし、
その弟の物語でも闇酒の話でしたしね。

この作品でもスペイン風邪による大量死や、その苦しい生活。
そんな貧しい町民、村民の方々の生活が詳細に語られている。

クライムサスペンスやミステリー、ドラマチックな恋愛などを想像して読むと
少し肩透かしなのだが、この時代を楽しむ歴史作品としては面白いと思う。
そこに闇酒ビジネスが絡んでいるというか、付録というか。

なんとなくアメリカらしい作品だなぁ、と思う。

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