[日記](読書) 罪の声(塩田武士) [日記]
塩田武士の「罪の声」を読んだので記録。
ネットなんかで面白い小説として取り上げられることが多く読める日が来るのを
楽しみにしていた。「面白い」以外、内容は知らなかったので、読み始めて早々、
扱っている「事件」に驚いた。
「グリコ森永事件」
既に2000年に時効が成立しており完全に「未解決」となっているのだが
私も当時幼かったので、警察がほんろうされた、食品会社の社長が人質になった
薄気味悪いテープと、スーパーのお菓子に検品シールが付いた、とか
そういう、曖昧な、部分的な記憶しかない。
この作品では、この薄気味悪い犯人の音声テープ(と手帳)が
物語の導入に使われており、私もなんとなく事件を思い出した。
この作品が面白いのは、この音声の子供(現在、立派な父親)側からの
事件解明と、それとは別に事件を追う記者側からの事件解明が交錯するところ
なんだと思うけど、正直、「記者側」のストーリーというか、
事件解決までの臨場感があまり上手ではなく、とんとん拍子すぎてひく。
敏腕でも、長年事件を追っているわけでもなく、ただ1年ばかり
上司にケツをたたかれた記者が、この未解決事件の糸を手繰り寄せるなんて
そんな都合があって良いのだろうか・・・。
実際、関係者のインタビューもこんなりあっさりしゃべってくれたのかな。
「もう出ていけ!」とか言いながらも、別の機会では重要な発言があったり
わざわざ、手紙で重要な情報をよこしたり。
勿論、これ自体がフィクションなので全然OKなんですけど
事件が大きいだけに拍子抜けがする。
フィクションとノンフィクションを織り交ぜながら・・・が難しいんだろうね。
小説としては、イマイチだと思う。
でも題材や、事実から追っかけた内容、或いは想像は面白いと思う。
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