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[日記](読書) 特命指揮官(梶永正史) [日記]


ウミドリ(空の海上保安官)の作家さんのシリーズもの、
「特命指揮官(警視庁捜査二課・郷間彩香)」の感想と記録。

女性警察官が活躍する小説も、最近大変増えた気がしますが、この作品もその一つのよう。

主に窃盗や詐欺関連を主戦場とすることから電卓女、
化粧が落ちた(眉毛が半分消えかけた)半マロなど、不本意な異名?をもつ
捜査二課の主任代理・郷間彩香。
父親も警察官で敏腕をふるっていたこともアリ、自身も警察官になり
30歳で昇進、現ポジション(主任代理)までたどり着いた。

猛暑続く夏のある日、部下から飲みの誘いを受けたところで
かつて配属された渋谷で銀行強盗(人質立てこもり)事件が発生し、
元同僚を心配するなか、
自身が犯人から公証人として指名されたことを知る。

渋谷界隈中心に話が進み、劇場型で大変ドラマチック。
読むタイミングがバッチリだったら、余計に面白かったのになぁ、と残念。

というのは、警視庁、警察庁や政治家を巻き込んだ「黒幕」だったりが
一昔前の設定で、ちょっとクライマックスに行けば行くほど
今の時代ではがっかり感が増していくし、きっと・・という展開だったりする。

ただキャラたちの会話で、読ませていく感じなので
面白くないわけでもないという感じ。
「このミス」の受賞作品でもあるので、大変ライトな、日本らしい小説。

主人公の郷間さんも、天才的、無駄に美人、強引とかもなく
いい意味で普通な感じが、今の時代、いいのかな、と思ったりもする。

ただ展開的(物量的)には、カリン・スローターだったり、海外の小説だったら
この銀行強盗を発端にして、どんどん、同僚だったり
自身の身の回りだったりで、事件が発生、発展していく感じなんだけど
終始銀行強盗で終わってしまうのが、日本の小説っぽい。
悪くはないんだけど、ハードカバーで1400円か・・と思ってしまう。

でも続きも気になる。
今後も気にしてみよう、、。



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[日記](読書) 処刑台広場の女(マーティン・エドワーズ) [日記]


英国推理小説界の巨匠という触れ込みで、実際、同国のダイヤモンド・ダガー賞も
受賞している、マーティン・エドワーズの「処刑台広場の女」の感想と記録。
この作家さん、私は全く存じ上げておりませんでしたけど・・・。

表紙がかっこよくて、上流階級の女性(イイ女!)が振返っている感じ。
こういうセンス好きですねぇ・・

1930年代のロンドンを中心に、女性を狙った残虐事件が発生する
その真犯人を警察に告げる上流階級(自殺した判事の娘で多額の遺産を相続)の女性、
レイチェル。そしてレイチェルを追うゴシップ新聞の若い記者、フリント。

新たな事件が発生し、そこに行くようフリントにメッセージを送るレイチェル
何らかのつながりを追うフリント。
彼が追いかける人物は次口に逃亡、そして非業の死を遂げる
さらにレイチェルに絡む上流階級の人間も非業の死を遂げ・・・
さらにさらには、自身も命を狙われる。

途中、1919年の女性(ジュリエッタ)が書いた「日記」が挟まれ
レイチェルと判事、そして使用人の孤島生活というか
若きレイチェルがあからさまに「悪人」(という雰囲気を匂わせた内容)が語られる。

10代ですでにキレッキレの悪人ぶりのレイチェル。

普通の小説ならば、ロンドンに舞い戻った
アタマのいいレイチェルが何らかの目的(恐らく復讐)で、上流階級の人間を
次々に殺し、さらにその罪を、別の上流階級にかぶせ、さらに殺していく
復讐劇と、その事件を追う記者、そして「恋」みたいな感じで興ざめなんですが

途中で、「やっぱりか・・」から「あれ?」という展開から、
「そっちか」と思わせて・・みたいな感じになるので面白い。
最終的にはレイチェル、、、「あなたは誰だっけ?」みたいな結末。

解説を読むとどうやらこれはシリーズものらしいので、このあと
レイチェル・・・が、どういう人生を送るのか、早く読みたい。

なるほど、巨匠。
面白いですねぇ~




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[日記](読書) グレイラットの殺人(M・W・クレイブン) [日記]


M・W・クレイブンの国家犯罪対策庁・重大犯罪分析課・W・ポー・シリーズの
第4作目「グレイラットの殺人」の感想と記憶。

4作目・・・なんですけど、過去の作品をほとんど覚えていない。
カンブリア州にある遺跡(ストーンサークル)と主人公ポー(と父親との関係)、
分析課の同僚で、(可愛い)スーパーハッカーのティリーと上司・フリン程度。

そんな程度の記憶でも今回の作品はとっても面白かった。

冒頭はミステリー作品らしく、わけのわからないシーンからスタート。
貸金庫を襲う役者の仮面をかぶった強盗たち。
わけのわからないヤリトリが続き、仲間割れが発生(1名死亡)
そしてリーダー各の男が、「ラット」の置物を置く(殺人以外、盗まれたものはない)

場面は変わり、首脳会議が開かれる地域で起こった撲殺事件に
半ば強引に呼ばれるポーたち。各国、そして米国首脳が出席することからFBIそして
MI5の捜査員とともに撲殺事件の犯人捜査に乗り出すポー。

事件現場の不審な状況から、MI5捜査員を逮捕するポー。
妨害するMI5

証拠品(ラットの置物)から、過去の貸金庫の事件が浮かび上がるが
撲殺事件との関係性に悩むポーたち。

今回の事件捜査においてもポーのひらめき
そしてティリーの凄腕ハッキングと、ほのぼのした会話が大変良い。

ポーとティリー以外の登場人物全員が怪しいという状況で
最後の最後まで、真犯人が分からない。

ポーの会話が良くわからないところも、しっかり伏線になっていて
最後に「なるほど」と思わせるのもニクイ。

次回作からは、いよいよポーの悲願、自身の出生について
少しは明かされるんでしょうか。

楽しみに待ちたい。


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[日記](読書) ウミドリ・空の海上保安官(梶永正史) [日記]


久しぶりに日本人作家、梶永正史の「ウミドリ・空の海上保安官」の感想と記録。

海外ミステリを読んでいると、ときどき、ふと、日本の小説も読みたくなる。
日本の小説は、いい意味でも悪い意味でも、「読み易く」結末も分かりやすいので
海外ミステリの合間の休憩に適していると思う。

今回もいかにも日本の小説っぽい感じだった。

冒頭、海上保安庁のヘリが、クルージング中に消息不明となった男性を救うが
パイロットの危険操縦を問われる。いかにも主人公っぽい"暴走"で
きっとこれが結末の布石になるのだろうと、おのずと分かる展開。

もう一人の主人公は、同じく海上保安庁で働く通信士の女性
主人公のパイロットとは、自身の姉の「恋人」ということで浅からぬ関係がある

この二人は違う立場から、南大東島付近で漂流(のちに沈没)していたタンカーを
追うことになり、これがきっかけで、
3人目の主人公であり、同じく海上保安庁から公安に出向した捜査員とともに
テロ事件を防ぐために活躍する、という物語。

大まかなストーリーは、目を瞑ってもわかる感じの王道エンタメで

ついつい、海外ミステリだったら、もっとテロ組織を細かくとか
もっと中国との関係を、日本政府と絡めて、大事になったり・・とか
妄想は尽きないのですが、

落ちると処に落ち、登場人物たちも予想通りの活躍をし、
そして、綺麗な結末という、大団円。

海外ミステリが良い、というわけではないのですが
この小説で、1800円。海外ミステリの文庫本で1000円程度だったら
そっちを買うよね・・・と思ってしまいます。

今時のドラマでもないくらい、スッキリストーリーですから。

ただこの作品のなかで、実際の展開でこういうことが起こるのか
分からないのですが、尖閣諸島の海域を巡り、中国側との会話や心情については
大変面白かったです。




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[日記](読書) アリス連続殺人(ギジェルモ・マルチネス) [日記]


アルゼンチン作家、ギジェルモ・マルチネスの「オックスフォード連続殺人」の続編、
「アリス連続殺人」の感想と記録。
個人的には、前作よりも今作のほうが面白いと感じた。

今回はルイス・キャロルが好きな同胞団と、前作の主人公である「私」そして
前作でも登場した数学者(数理論理学教授)のセルダムが主な登場人物。

セルダムもルイス・キャロルの同胞団の1人で
同胞団のアシスタント大学生が、このほど発見したとされる「新たな証拠」について
主人公である「私」に筆跡鑑定を依頼する。
(「私」が筆跡鑑定に関する研究をしていたため)

「新た証拠」、ルイス・キャロルの性癖疑惑の新証拠の"紙片"をもとに
ルイス・キャロルの小説にちなんだ連続殺人が発生してく・・・。

新証拠を発見したアシスタントから、同胞団はその内容について説明する会合を設けるが
アシスタント(女性)は交通事故にあい
一命はとりとめたものの、下半身不随となってしまう。

セルダム教授は、交通事故ではなく他殺を疑い、犯人捜査をするために
アシスタントから紙片の内容を聞き出すよう「私」に依頼するが、拒絶される。

そうこうするうちに、同胞団が発刊するルイス・キャロル関連の書籍の発刊を
担っていたメンバーが毒殺され、ルイス・キャロルの性癖を暴こうとする記者も
残虐な手口で殺される。そしてそこにはルイス・キャロルの性癖に関連する写真が
届いており、同胞団メンバーにも同様の写真が送り付けられる・・

みたいな、感じのストーリーでしたが、
前作よりも結末のモヤモヤ感がないのがよいし、
前作では気合の入ったフェルマーの最終定理やらの数理の説明も程ほどなのも良い。
但しハッピーエンドでもないので、結末自体は少し寂しい。

でも面白かった。




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[日記](読書) 夜に啼く森(リサ・ガードナー) [日記]


続いて、リサ・ガードナー、D・Dシリーズの最新作「夜に啼く森」の感想と記録。

前作で主役級として登場したフローラ(とキース)は引き続き、
更にFBI捜査官・キンバリーも登場し、
D・D、フローラ、キース、そしてキンバリーというシリーズの骨格が決まった模様。


今回はアトランタの森(というと、カリン・スローター作品っぽい)で見つかった
白骨化した遺体が、ジェイコブ・ネスの被害者に関連している疑いが強く
FBI捜査官・キンバリーが、D・D、してフローラ、キンバリーに捜査協力を依頼する。

さらに森を捜査すると、複数の白骨遺体(若い女性と思われる)が見つかるが
フローラの意見では、ジェイコブ・ネスの犯罪(手法)とは異なる模様。
ただし、フローラ自身、アトランタで監禁されていることを理解しており
今回の事件現場(町)をキースとともに捜査すると
ジェイコブ・ネスの「父親」を見つけ、監禁されていた場所も見つける。

今回の作品でも、ジェイコブ・ネスそのものというよりも
アトランタでの事件をベースに、ジェイコブ・ネスの足取りを追うという感じ。
今回はジェイコブ・ネスがフローラを監禁した場所や
使用していたトラックなど、ジェイコブ・ネスの父親から事実が分かるくらい。

また今作品でも、親子(母娘)の愛が中心がストーリーのベースで
この辺りはシリーズで一貫したものとなっている。

残虐事件、アトランタというとカリン・スローターですが
うまく「違い」を出しているところが、リサ・ガードナーらしいと思う。

次回作では、ジェイコブ・ネスの監禁事件の全貌が分かるのでしょうか・・
日本語訳が発売されるのを楽しみに待ちましょうか。

このシリーズも、飛び飛びで翻訳されているみたいなので
他の作品も読んでみたいですねぇ、、、




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[日記](読書) 噤みの家(リサ・ガードナー) [日記]


リサ・ガードナーの「噤みの家」の感想と記録。

ボストン警察、D・Dシリーズの「棺の女」の続編。

ジェイコブ・ネスにより監禁され、脱出したフローラ・デインが再びDDと手を組み
捜査に協力する。

前作「無痛の子」では、フローラが営む、支援グループの女性が関係したため、
フローラと協力関係(補佐)となったが、

今回の作品では、フローラの監禁した亡きジェイコブ・ネスとの繋がりがあることを
フローラが自身が知り、さらにジェイコブ・ネスにより監禁された女性が複数いて
FBIが未だに捜査していることを理解、その捜査にも協力する。

今回の事件は、過去、D・Dが担当し、父親殺しで不起訴となった女性が
再び、自身の夫殺害の容疑者となってしまう・・・というよりも
状況的にD・D含め世間は、その「父親殺害」自体、彼女が犯人であり
今回も、夫殺しの犯人であることを確信しているところからスタートする。

ただしフローラの証言により、殺された夫が、ジェイコブ・ネスと関係があり
監禁されていた際にフローラが目撃していることから
夫の身辺調査も開始する、さらに女性の周りで次々に放火が発生し、
証拠隠滅が図られていくことから、事件は複雑になっていく。


結局のところ、リサ・ガードナーの作品らしく、今作品そのものの犯人は
凄く単純で、結局、そこなのね、という感じですが
今作も、闘う女性、母親と娘の関係性だったり、視点としては独自性があって
面白かった。

続いて、今シリーズの最新作「夜に啼く森」も読んだので
別の記事で記録する。


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