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[日記](読書) 砂男(ラーシュ・ケプレル) [日記]


国家警察ヨーナ・リンナシリーズの第4作目、「砂男」を読んだので感想、記録。
「催眠」、「契約」、「交霊」、そして「砂男」。

三作目までは正直、小説の内容(事件)そのものについては、そこまで
面白いとは思っていなかったというか、若干、その題材、描写、あからさまな
反則的なミスリード的な構成に、嫌味を感じていたが、

この4作目は大変面白かった。

今作では、あからさまな小説っぽい暴力や残虐、連続殺人を伏線に使わず
ヨーナ・リンナの過去、そしてその現在を扱っているので
ヨーナの過去を思わせぶりな内容は影を潜めているし、
余計な登場人物(あからさまな嫌味な、或いは使えないサブキャラ)もいない。

基本的に、過去、ヨーナの捜査に協力したサーガ・パウエルの潜伏捜査と
ヨーナ自身の捜査によって、徐々に明らかなになっていく過去の事件と
現在の犯人そしてその目的、半生。

追い詰められているのは、ヨーナなのか、サーガなのか、犯人であるユレックなのか。
最後の最後まで、分からないし、結局・・シリーズは続くのね、的なエンディング。

「羊たちの沈黙」の影響だったり、何かしらの小説のオマージュっぽい
小説なんだけど、ヨーナ、サーガのキャラが良く出来ているので、
こういうストレートなストーリーを中心にシリーズが進むと大変面白い。

特に今作ではヒロインでもあるサーガを狙い、読者が一番、嫌ったであろう
精神科医・アンデシュが犯人ユレックの逃亡に利用されたのは、胸がスッキリ。
恋人のディーサは残念なんだけど、小説っぽく、ギリギリ生きてた!という
展開でもなかったので、それも良かったな、と。
死亡しているので、もろ手は上げられないけども。
あと同僚の妻・子供たちの結末も。

でも、ヨーナ、いなくなっちゃったんだよね・・
次作、「つけ狙う者」はどうなっているのだろうか・・・

近いうちに読んでみたい。

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