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[日記](読書) MISSING(本多孝好) [日記]


先に読んでいた「レックスが・・」が重すぎだったので、
安定の本多孝好作品も同時に読んでいた。「MISSING」の感想と記録。

といっても、この作品も他の本多孝好作品同様、何度も読んでいるので
特に短編集だと、「MISSING」だったか他の作品だったか、良くわからない状態。
読み始めて、「あぁ、こんなのあったなぁ」みたいな感じで思い出す。

「MISSING」で一番好きなのは「瑠璃」(だったと思う)。

当時、高校生のルコは、いわゆる「暴れん坊(手に負えない)」な女の子で
従妹の12歳「僕」は、そんなルコが初恋だったという想定のルコとの夏の思い出。
暴れん坊だったルコも、現在はすっかり大人の女性になり、「僕」と再会するが
変わってしまったルコに、ルコ自身が・・

本多孝好作品どれも「死」がテーマにあって、このデビュー作でもある短編集の
どれも「死」がきっかけになっている(あるいは結末)になっている。

今読み返すと、1990年代の作品ということもあるし、
本多孝好のデビュー作ということもあって、設定、内容ともに本当に「青い」。
若い男が妄想しそうな設定が随所にあるので、気恥ずかしさは否めないんだけど
当時自分も若かったので、ハマりそう(実際ハマった)な作品ばかりですね。

高校生と恋に落ちる高校教師
同居した妹と、その妹の友達との話
祖母の依頼で、女子高生を探偵したり等、なんだこの設定たちはと思うねぇ。

内容も、少し残念だったりするんだけど、
随所に「dele.」だったり、その後の作品にも通じるものもあったりで
今読んでも、それはそれで面白かったりする。

「過ちはだれにでもあります。過ちを繰り返すのは、愚かな人のすることです」

この短編で一番すきな?言葉かなぁ。



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[日記](読書) レックスが囚われた過去に(アビゲイル・ディーン) [日記]


ハヤカワのミステリーは、何も考えず読んでしまう・・ということで
これもその一つ、「レックスが囚われた過去に(GIRL A)」の感想と記録。
当然のように作品(の内容)も、作家さん(アビゲイル・ディーン)も
全く存じ上げていない状態だったので、けっこう、苦痛でしたね・・

苦痛の理由は、内容が結構悲惨で、あとがきを読むと、題材になった事件も
あったようで、後読感も決して良くない・・。

企業買収などを専門とする弁護士・レックス=GIRL Aが、
母親が死んだ(@刑務所)ということでロンドンに帰郷し、母親の遺産と
かつての住み家の処分をきめるため、バラバラになった兄弟たちに会いに行く。

なぜ母親が服役していたのか、なぜ兄弟たちとバラバラになったのか、
作品全編を通じ、兄弟たちにあうことで徐々に語られていくが、
冒頭、父親からレックスと妹・イーヴィが「鎖」でベッドに拘束され、
食べ物もろくに与えられていない状態から、レックスのみなんとか逃げ出し
兄弟たちが助けられたことが分かる。

ハヤカワミステリーなんですけど、これはミステリー作品ではなく、
エンタメ要素も限りなく薄いと思う。

どこに話が落ち着くのかも良くわからないし、
レックスがどうやって逃げ出せたかも、物語序盤で語られているし
ハナシそのものも「悲惨」なので、なかなかページが進まない。
しかも、1ページは2分割されて文字もしっかりあるし、かなり大変。

読み終え、レックスが抱えていた過去が分かる。
なるほど、日本語訳タイトルの「レックスが囚われた過去」というのは
そういうことだったのね、という感じだけど、決して「良い」ということはない。

ただ悲惨だし、悲しい。
これがまた「現実の事件」をもとにしているというのがさらに悲しい。

どこの国にも、街にもありそうというか、あるんでしょうね、少なからず。
或いは、「人間」ではなく、「ペット」との生活もそうなりそうで、怖い。





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