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[日記](読書) 精霊たちの迷宮(カルロス・ルイス・サフォン) [日記]


言わずもがな、の「忘れられた本の墓場」シリーズ、第4弾にして完結編
「精霊たちの迷宮」(カルロス・ルイス・サフォン)の感想と記録。

まさに一気読み。上・下巻に分かれてそれぞれ約600ページの大長編。

ついにセンペーレの家族、作家フリアン・カラックス、ダビッド・マルティン、
彼らが愛した女性たち、ペネロペ、クリスティーナ、ヌリア、そしてイサベッラ。
バルセロナ旧市街に住む友人、フェルミン、ベルナルダ、フェデリコたち。
そしてダニエルの最愛の妻・ベアトリス。
彼らの物語がフィナーレ。これ以上読めないのが残念。
面白かったけど、少し寂しい。そして何か心にぽっかり穴が開いてしまったよう。

第4弾「精霊たちの迷宮」は、もちろん、過去3作の続編になっている。

1作目で消えた作家フリアンの行方
2作目で消えた作家ダビッドの行方
3作目で母イサベッラの他殺を知るダニエル、そして復讐を誓うダビッド。

本作品では、あらたに作家・マタイス、そして彼の作品「精霊たちの迷宮」の謎を
ベースに、これまた新たな登場人物、若き保安警察・アリシアが
フェルミン、ダニエル、そしてマタイス、その本の謎、そして何より
「忘れられた本の墓場」との関連性が語られていく。
そして敵・バルス、フメロの元部下・エンダヤとの対決にハラハラドキドキ。

正直、私自身、読み終わって呆けている段階なので、
まだすべてを理解していないと思う。でも凡そはいままでの謎は解決して、
第3弾「天国の囚人」や本書で記載された「1992年リュミエール出版」という
フリアン・カラックスなる謎の人物も理解できた。
そして何より新たな悲劇も生まれたし、フアン・センペーレ(ダニエルの父)の
愛情は素晴らしいなぁ、とも感じたし、
結婚式後の彼の涙の意味はなんだったのだろう、とか思ったりもした。

「天使のゲーム」のエピローグ、1945年、ダビッド(アンドレアス・コレッリ)が桟橋で
連れていた女の子はクリスティーナ(生まれ変わり)ではなかった??
ということは、これはビクトリア(アリアドナ)?それとも妹?(年齢は合うのか??)
フェルミンとアリアドナ家族(手紙を書いた人物)って何だっけ?とか、
フリアン・カラックスがダニエル夫妻に贈った「靄の天使」の内容とか
(私が)まだまだ理解できていない謎が多そうだ・・・・。

この作品のファンは既に知っている通り、カルロス・ルイス・サフォンは2020年に
亡くなっている。訳者あとがきにあるとおり、まさにこのシリーズの作家同様、
本に命を懸けていたんだなぁ、と心が震える。

この作品はぜひ「本」で皆に読んだ欲しい作品。
こういう本に出合えたことは私にとって財産だし、これ以上の本にであえるのか
正直、楽しみでもあり、多分ないんだろうな、と思うと、今後が寂しい。

コロナによる制限が解かれたあと、いつかバルセロナに訪れて、クワトロ・ガッツや
レイアール広場、グエル公園、モンジュイックなど訪れてみたい。

今はそれが夢かな。

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