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[日記](読書) つけ狙う者・下巻(ラーシュ・ケブレル) [日記]


予想外にラーシュ・ケブレルの人気シリーズ、(元)国家警察ヨーナ・リンナの
「つけ狙う者」の下巻を読むことが出来、一気読みしたので感想と記録。

上巻では、催眠療法の第一人者でもあり精神科医のエリックと関係する女性たちが
今回の被害者であることが分かったところで終了した。

下巻では、冤罪で捕まっているロッキーの証言とともに
独自の調査するヨーナとともにエリックはついに「牧師」と呼ばれる一連の
シリアルキラーを見つけ、エリックが後を追うが、結果として真犯人(牧師)による
巧妙なトリックにより、エリック自身が警察から追われる羽目になり、
最終的に同僚のネリーに助けを求める。

ヨーナは同時にロッキーの証言をもとに、ロッキーが「牧師」とであった教会をみつけ
そこで既に亡くなっている牧師が残した日記をみつけ、そこで
犯人がネリーであることを知る。

エリックはネリーに助けを求めたが、結果としてネリーに拉致され監禁され、
現在の恋人、ジャッキー(盲目のピアノ教師)も監禁されていることを知る。

そこで一緒に逃亡を試みるが・・・。

結果として「牧師」がなんと「ネリー」だったのには驚いた。
なんとなくジェフリー・ディーヴァーてきなどんでん返しで、分かりっこない展開。
ラストは凄い劇場型というか、こうなってしまうのね、という典型的な展開で
あまり驚きはない。ただただ映画的なクライマックス。

面白くないわけではないけど、ヨーナが真犯人がネリーであることを見つける展開が
全てで、そこから先はあまり・・。
どこかライバル関係であったヨーナの後釜、マルゴットがあっさり
真犯人を信じてヨーナに協力する展開もちょっとあっさりしていたし。

何はともあれ、強引な捜査(既に警察でもないし)で
今回、懲役刑になってしまったヨーナ、次回作はどうなるんでしょうかね。

「砂男」は本当に死んだんですかね・・・。


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[日記](読書) マハラジャの葬列(アビール・ムカジー) [日記]


「カルカッタの殺人」で、英国の犯罪捜査部から配属されたサムとその部下で
若い名家出身のインド人・サンダーノットの活躍が小気味よかった
バディ小説の第2弾、「マハラジャの葬列」を読んだのでその記録と感想。

カルカッタの事件から約1年後、再びサムとサレンダーノットが殺人事件の捜査に
乗り出す。といっても、今回は、王太子からサレンダーノット(王太子と友人関係)と
サムが相談を受けた直後、王太子が暗殺されてしまう。
捜査の結果、暗殺者自体は見つかったものの、自殺してしまい
真相は分からずじまいだったが、王太子の友人であるサレンダーノットとともに
葬儀が行われるサンバルプール王国に訪問し、王太子暗殺の調査に乗り出す。

今回もイギリス統治下のインドが舞台。
前作にも登場したアニー(英国とインドのハーフ・超美人)も今作でも登場し、
サムの調査とストレスに重大なポイントになっている。

イギリス統治下のインド、という以外では
事件そのもの(捜査方法だったり、プロットだったり、トリックだったり)は
特に目新しいものはない作品ですけど、異国情緒あふれる街並みや文化だったり
サム、サレンダーノットのバディ、魅惑のアニーが魅力的で読みやすい。

敏腕なのか、ただのアヘン中毒者なのか分からないサム
サレンダーノットは有能のなのか、空気が読めない若い刑事なのか・・
アニーはなぜ故、サムの周りに登場するのか(しかも重要な人物として)

事件捜査とともにそのあたりが面白いと思う。掛け合いというか。

前作でも感じましたけど、歴史(時代)小説にありがちな、
文化や歴史、宗教観、風ゾウ区などの説明ありきになっていないのがグッド。

純粋に登場人物に惹きつけられるし、脇役たちもなかなか面白い面々。
今回はアローラ大佐が良い味を出しておりました。

超面白い!っていうような作品ではないけど
「特捜部Q」のように長期的なシリーズになりそうな予感もありますね。

本国では4作まで発表されているらしいので、日本でも間髪入れずに
翻訳版が刊行されることを祈っております。

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[日記](読書) つけ狙う者・上(ラーシュ・ケブレル) [日記]


続いて、北欧ミステリー(スウェーデン)、ラーシュ・ケブレルの人気シリーズ、
国家警察・ヨーナ・リンナ警部シリーズの最新作、「つけ狙う者(上)」の記録。
下巻も早く読みたいのだが、読めるまで時間かかりそうなので
とりあえず、上巻の感想を記録する。

前作、「砂男(Sandman)」で、それまでそれとなく触れてきた、ヨーナの過去に
ひとつの決着を見て、かつ、ヨーナも死亡(失踪)してしまったのだが、

今作では、ヨーナのポストに新たにマルゴット警部がつき、
新たなシリアル・キラーの捜査に乗り出している。

休職中のサーガにより確認されたヨーナのかつての宿敵の遺体(の一部)を
確認するためストックホルムを訪問する、ヨーナ。
そこで、マルゴットが担当する事件にアドバイスすることで、事件の捜査が進む。

本作では、このシリーズの第1作目(催眠)に登場した精神科医であり、
催眠療法の第1人者でもある、エリックが再登場する。

そして、エリックが過去かかわった事件と、そして彼の生活が徐々に
今回の事件とクロスオーバーしてく・・というところで、上巻おわり。

ヨーナは相変わらず、淡々とした言動で事件を解決に導いていくのですが
過去の事件で負った心身的なストレスで、体はボロボロ・・・。

上巻を読むと大変面白い。ヨーナと周りの関係性にはホッとするところもあるし
今回の事件がどこに向かっているのか、様々な妄想が膨らむ。

ただ、この作家(コンビ)は、上巻は面白くても、下巻が「あれ???」という
感じなので、本作も油断すると、残念な結果になりそう。

そもそも、ヨーナの宿敵、ユレック・ヴァルテルは本当に死んだのか?
「つけ狙う」というのが、意味深ですよね。

何はともあれ、下巻、早く読みたい・・・

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[日記](読書) 破滅のループ(カリン・スローター) [日記]


続いて、最近、めっきり読書頻度の高いカリン・スローターの
ウィル・トレントシリーズ、その第11作目「破滅のループ」を読んだので記録。

原題は「The Last Widow」ということで、最後の未亡人、ということでしょうか。
「The」とあるので、サラことでしょうか。実際、この物語の最後で
サラとウィルは結婚へ向かうことになるので、そういう意味なんでしょうね。

邦題の「破滅のループ」というのも、何となく意味が分かります。
今回のストーリーは、カリン・スローターらしくなく、プロットは一本道で
IPAというテロ組織が「とある場所」で「何かを目論む」という話しで
GBIの捜査官ウィル、サラ、フェイス、アマンダが、そのテロを防ぐというもの。
病院が爆破され、休暇中のサラとウィルも救助に向かう途中、
偶然、テロ組織に出会ってしまい、サラが人質になってしまう。

そこからはウィル、フェイス、アマンダはサラを見つけ出そうとする。
テロ組織の情報が少なく、FBIの情報やら、アマンダの情報源から何とか
テロ組織、そしてその首謀者を見つけ出すが、
「どこで」「何を」を計画しているかが分からず、タイムリミットが迫る。

結局のところ、この物語は、「ありふれたテロ」を描いたものと思う。
どこかで聞いたような犯罪組織、そしてテロの内容。
プロットも前述の通り、特に巧妙なものもなく
正直、カリン・スローターである必要が全くないと思う。

ネットでは煽りの文言が目立つが、そういわないと
カリン・スローターの作品としては、「ある意味で地味」だと思う。

むしろカリン・スローター流の
サラとウィルの恋愛小説と言った方が正解だと思うのですが。
やっとサラの家族に認められたし、ウィルが。

このシリーズも邦訳されているのは、この作品が最後なんですよね、
今のところ。なんか、しっくりこないままですけど。


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[日記](読書) 弁護士アイゼンベルク(アンドレアス・フェーア) [日記]


あまり馴染みのない独国のミステリー作家、アンドレアス・フェーアの
人気シリーズ、「弁護士アイゼンベルク」を読んだので感想と記録。

海外のミステリー小説を読むことの楽しみ(の一つ)として
題材としている事件の根底ある宗教観、社会問題、風俗など
その地域、国の特色を学べることが挙げられると思う。

日本のミステリーがいい意味でも悪い意味でも、「軽く」感じられるのは
社会問題を掘り下げるようなミステリーが少ないことだと思う。
日本も歴史問題、それに付随するアジア、国内の差別など
触れないだけで、海外同様、問題は潜んでいるのに。あえて取り上げない。

北欧ミステリーは奇抜や残虐な作品が多いけど
恋人や家族からのDV、移民、麻薬などが取り扱われるし
米国ミステリーではそれに加え、麻薬組織、人種問題が多い様に思う。
特にアメリカは人種問題が激しいけど、エンタメ作品でも取り上げて
社会に投げかけているのは、流石だと思う。

独国ではどうなのか、興味があったが、このシリーズではまず
コソボ問題、難民問題が根底にあった。
このあたりも日本(の小説、メディア)とは大きく違うなと感じた。

物語はアイゼンベルク夫妻が営む弁護士事務所が
妻のかつての恋人が、若い女性の殺害したとする事件の弁護を引き受け
その犯人、殺害動機を明かしていく、という内容。

ミステリーでよくあるように、この作品も時系列は過去、現在が入り乱れ
徐々に真相が明らかになっていくのだが、
読みやすい作品だと思うし、シリーズ作品ということもあり、次回作への
「布石」もきちんと用意されている。
ただ「弁護士」と銘打ったわりに「法廷ミステリー」ではなく
あくまでクライムミステリーであることは注意したい(次回作は分からないけど)

主人公でもある弁護士アイゼンベルク(妻)の過去、
それを予め調査し、手紙を送りつけた元恋人(物理学者)

なんとなくストーリーが「整理」されいていると感じたのは
ドイツ人らしさなのかも。

次回作も楽しみ。

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[日記](読書) 死ぬまでしたい3つのこと(ピエテル・モリーン他) [日記]


続いて北欧ミステリーの代名詞、スウェーデンのクライム小説を読んだので記録。
ピエテル・モリーン、ピエテル・ニィストレームのデュオのデビュー作、
「死ぬまでにしたい3つこと(原題:最後の人生(DET SISTA LIVET))」。

2009年におこったスウェーデンの若い女性の失踪事件
2019年におこったアメリカ(ボルチモア)の麻薬カルテルへの囮捜査

この物語の主人公・ジョンは、囮捜査官として麻薬カルテルに潜入する中、
カルテルに裏切りがばれそうになるところを、同じく囮捜査で潜入中だった
トレヴァーの機転により、九死に一生を得る。

その結果、両名ともに証人保護プログラムをうけ、新たな人生を歩むことになったが
ジョンの母親から、異父弟・ビリーを救うよう、手紙をもらったことから
FBIとの交渉のすえ、故郷・スウェーデンにもどることにした。

ジョンの異父弟は、2009年におこった若い女性の失踪事件の
最重要容疑者として、一度は警察に身柄を取り押さえられたものの
証拠不十分として起訴は免れたが
2019年、改めて捜査が開始され、再び窮地に立っていた。

これ邦題が「死ぬまでにしたい3つのこと」ということで
なんかどこかで見たようなタイトルだし、意味深なんですけど、
正直、またしても邦題のセンスの無さ、だと思う。

確かに若い女性にチェックボックスのタトゥがあり(チェックボックスは三つ)、
失踪時に「3つ」のチェックがなされていたので
それなりに重要ではあるのだけれど、

正直と途中から、あまり意味をなさないし、ちょっとインパクトが弱い。
ジョンやトレヴァーにキャラ、関係性は良いと思うので
シリーズ化されることは歓迎なんですけど。

事件そのものも割と普通のところだったりする
怪しい人は怪しい、最終的に一番怪しい人間が犯人だし

トリックや女性の死因も、そんなに目新しいこともなく、2020年代の
クライム小説、ミステリーにしては、内容自体はインパクトないかな。

でも、囮捜査官時代の「因縁」は結局残ってしまったので
それ自体は非常に気になる展開。ぜひ、結末を確認したい(次回作)




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[日記](読書) 贖いのリミット(カリン・スローター) [日記]


カリン・スローター、ウィル捜査官シリーズ・第10作目「贖がいのリミット」を
読んだので感想と記録。

カリン・スローターはウィルシリーズ含め、結構読んできたと思う(なんだかんだで)
この人の作品は実はあまり好きな部類ではない。
というのは、描写が必要以上に「グロい」ので読んでて心が入らないところがある。

でも、ウィル・トレント捜査官のシリーズは、同僚のフェイス、恋人でもあるサラ、
そして上司のアマンダなど、魅力的なキャラが、話の「核」だったりするので
「血」が苦手な私でもなんとか読み進めることが出来る。

この10作目は、ウィルの妻でもあり、幼馴染でもあり、虐待者でもあり、
そしてウィルを救ってきた恐妻アンジーの物語が「核」になっている。

実際、小説半ばからはほぼアンジーの物語が語られているし、そこが面白かったりする。
現在の恋人・サラに嫌がらせする心情などは、なるほど、と思わせてくれるし
アンジーも「人間」なんだなぁ、とシミジミ感じる場面もある。

物語は、バスケ選手が経営に名を連ねるクラブで、元警察官でもあり
現在探偵業でバスケ選手のマネージメント会社にやとわれていた調査官が殺害される。
そして、そこには多量の血と、その血液型や証拠から「アンジー」が疑われる。
さらに身元不明の重傷者(ドラッグ)も見つかるが
犯人、アンジー、バスケ選手とのつながりなどなど、全く読めてこない。

ただ多量の血からアンジーは瀕死で、仮に生きていたとしても数時間で死ぬだろう、と
予測される中、アンジーと思われる死体が、葬祭場で彼女の車と共に見つかり
彼女の「死」は決定的になる。

・・・が、直後、ウィルの携帯に死んだはずのアンジーから連絡が入る。

アンジーの過去、そして現在、そして未来が巧みに語られていて
最終的に、ハッピーエンド?だったりする。
アンジーが娘、孫を想う気持ち、そして叔父、いとこを嫌う気持ちとその理由、
ウィルへの愛情、サラへの憎しみ。

事件そのものは、虐待、ドラッグ、レイプなどなど、アメリカの犯罪オンパレード。
逆に言うとあまり目新しさはないけど、
なかなか、面白かった。


次回作、「破滅のループ」、楽しみ。


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[日記](読書) ミステリガール(デイビッド・ゴードン) [日記]


デイビッド・ゴードンの第2作目、「ミステリガール」を読んだので記録。
デビュー作「二流小説家」も読んで、面白いには面白いのだが、
ちょっと冗長すぎる設定だったり、言い回しだったりが、あまり私の趣向にはあわずな
感じでしたが、続く「用心棒」が面白かったので、とりあえず、今のところ
発刊されている小説を読んでみようという感じで。

この「ミステリガール」はデビュー作とほぼ同じような感じ。
B級映画やホラーを、愛情たっぷりな表現で言いまわすので、くどい。

主人公は大して魅力あるような設定でもなく、平凡というか、どちらかというと
オタクで、どうしようもない感じだし・・。

ただ脇役たちは魅力がある(設定はくどかったりするけど)ので
それなりに楽しく読める、と思う。

ストーリーは、しがない作家志望の男が、妻に愛想をつかされた挙句、
生活費の日銭を稼ぐため、不思議な探偵事務所の助手になり、
良くわからない美女の生活を調査・追跡するというところで、その女性が自殺する。

ただその死因を巡って、雇い主(探偵)から他殺と言う事で調査継続するよう
指令を受け、以前からキーとなっていた廃版映画の関係者が死んだり、
徐々に何かしらの「陰謀」が絡んでいることが分かってくるのだが、

この映画のくだりだったりの説明が、どうしようなく長く、
またその映画が、どうしようもなく「くだらない」のでテンポが悪いと感じた。

しかも、この物語の魅力でもある「美女」の素性が複雑でもあるので
そのテンポの悪さで、その関係性が分かりづらくなっている気もした。

ようは、出来の悪い「パルプフィクション」というか。
カッコ悪い「レザボアドッグス」というか。

ストーリーは、ハッピーエンドなんですけど、
無駄に、ドンドン人が死んでいって、ちょっとかわいそう。

やっぱりこの人の作品は、「用心棒」が一番好きですね。


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[日記](読書) 消えた消防車(刑事マルティン・ベック) [日記]


引き続き、刑事マルティン・ベックシリーズ。その第5作目「消えた消防車」。

良くわからないタイトルなんですけど、原題もそんな感じでした。
また邦題で勝手に付けたと思いきや、です。

今回は3作目同様に、冒頭、意味深なシーンから始まります。
3作目は、バルコニーから外を永遠眺める男
今回は、アパートの一室で、男が自殺し、その傍らには「マルティン・ベック」のメモが。

ただ物語(事件)は、全く違うところからスタートします。
勿論、自殺した男はマルティン・ベックたちにも連絡が入っているようですが
特に大騒ぎせず、「自殺」として一件落着。
事件は、ストックホルムのとあるアパートに住む男を見張っていた同僚が
そのアパートの火災に立ち会うところから。(当然、第1発見者)

このシリーズって面白いのか、面白くないのか微妙なところもあるのですが
まさに微妙でしたね、今回は。

時代もあるのでしょうが、マルティン・ベックたちのおおらかな時間感覚に
今更ながら驚く。
目撃者の存在が分かっても、6月から下旬までバケーションだから、その後に・・。
一旦家に帰って飯でも食べよう・・・
これから4連休だし・・・、とか。いろいろ、そんなに悠長なこと言っても
いいのだろうか・・。

さらにこの時代(1960年~1975年くらい)でも、
スウェーデンの10代には、麻薬、売春が「当たり前」になっていて
警察も特に衝撃を受けていない。麻薬を没収して終わり、みたいな・・。

日本は大丈夫!なんて思わないけど、ここまで普通に蔓延っているというのは
驚きでしたね。

・・・で、物語はアパートの火事は実際、特定人物だけを狙った殺人であることが
わかったものの、結びつく犯人は見つからず、関係のありそうな(犯人っぽい人間)は
アパートの放火前にスウェーデンの南、マルメで死んでいた。

「消えた消防車」が特段事件の鍵になるわけでもなく
あくまで、一つの「きっかけ」で、ベックたちも半ばあきらめている状態だったが

冒頭自殺した人物のアパートに訪れていたのは、アパートの放火で殺された人物で
事件の真相が徐々に分かってくる。結局のところ、殺された(或いは自殺)した3人は
何らかの「海外組織」を裏切ったため、彼らが自殺、殺されたと結論付ける。
ただ、彼らを殺した犯人を捕まえることは出来ず・・・な状態。

インターポールを巻き込んだ捜査から、その人物が再びストックホルムに
降り立つということで、空港で逮捕。一件落着。
ただ、この時もマルティン・ベックは不在で、同僚が犯人を逮捕するのだが、
4作目で殉職した同僚の代わりに入った新人が抜け作のお陰で
大怪我を負うという、おまけつきで。

この作品は微妙でしたね・・、確かに登場する人物(警察)は魅力的なんだけど
トリックや、事件解決までの道筋は行き当たりばったりで
マルティン・ベックたちも、どこか投げやりな感じがしました。
前作がエドガー賞を受賞しているので、なにか、肩に力が入ってしまったのか
気力がなくなったのか、どこか、「ちから」が感じられませんでしたね。

10作のうち、半分を過ぎたので、いよいよシリーズ後半。
第6作、近々読みたいところ。

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[日記](読書) バルコニーの男・刑事マルティン・ベック [日記]


P・ヴァ―ルー、M・シューヴァルの共作で、人気シリーズでもある
刑事マルティン・ベックシリーズの、第3作目「バルコニーの男」を読んだので
感想と記録。

第1作目「ロゼアンナ」
第2作目「煙に消えた男」
そして、この3作目「バルコニーの男」で
第4作目「笑う警官」に続き、4作目ではエドガー賞を受賞している。

第1作目、第2作目のスケールに比べると、衝撃的な事件(少女連続殺害事件)では
あるものの、すこし地味な感じがする。

今回もマルティン・ベックの推理が光るものの、
細かい調査や聞き込みでは、ほぼ成果をあげられず、一本の情報提供から
ストックホルムをあげた捜査で、なんとか犯人を特定するというストーリー。

しかも犯人像は最後まで分からず、エキスパートの犯罪者や
何かの大物組織、或いは内部犯罪とか、いまじゃ当たりともなったような
犯人ですらない。捕まえた後も特に新事実が判明することもなく、
唐突とも思えるほど、サクっと終わる。

もちろん、このシリーズは、1960年代に第1作が発表され
1975年に最後の第10作目が発表されている大変古い、ある意味古典的な作品なので
スケール感は仕方ないのかな、とも思う。
でも第2作目では、ハンガリーまで出向いているし、当時の西・東の社会事情を
反映した大変スケール感のあるシリーズだと思う。
最近は突拍子のあるモノばかりで、逆に「?」という作品も多いし・・


第4作目「笑う警官」は既に読んだので、
第5作目「消えた消防車」を読んだみたい。


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