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[日記](読書) 弁護士アイゼンベルク(アンドレアス・フェーア) [日記]


あまり馴染みのない独国のミステリー作家、アンドレアス・フェーアの
人気シリーズ、「弁護士アイゼンベルク」を読んだので感想と記録。

海外のミステリー小説を読むことの楽しみ(の一つ)として
題材としている事件の根底ある宗教観、社会問題、風俗など
その地域、国の特色を学べることが挙げられると思う。

日本のミステリーがいい意味でも悪い意味でも、「軽く」感じられるのは
社会問題を掘り下げるようなミステリーが少ないことだと思う。
日本も歴史問題、それに付随するアジア、国内の差別など
触れないだけで、海外同様、問題は潜んでいるのに。あえて取り上げない。

北欧ミステリーは奇抜や残虐な作品が多いけど
恋人や家族からのDV、移民、麻薬などが取り扱われるし
米国ミステリーではそれに加え、麻薬組織、人種問題が多い様に思う。
特にアメリカは人種問題が激しいけど、エンタメ作品でも取り上げて
社会に投げかけているのは、流石だと思う。

独国ではどうなのか、興味があったが、このシリーズではまず
コソボ問題、難民問題が根底にあった。
このあたりも日本(の小説、メディア)とは大きく違うなと感じた。

物語はアイゼンベルク夫妻が営む弁護士事務所が
妻のかつての恋人が、若い女性の殺害したとする事件の弁護を引き受け
その犯人、殺害動機を明かしていく、という内容。

ミステリーでよくあるように、この作品も時系列は過去、現在が入り乱れ
徐々に真相が明らかになっていくのだが、
読みやすい作品だと思うし、シリーズ作品ということもあり、次回作への
「布石」もきちんと用意されている。
ただ「弁護士」と銘打ったわりに「法廷ミステリー」ではなく
あくまでクライムミステリーであることは注意したい(次回作は分からないけど)

主人公でもある弁護士アイゼンベルク(妻)の過去、
それを予め調査し、手紙を送りつけた元恋人(物理学者)

なんとなくストーリーが「整理」されいていると感じたのは
ドイツ人らしさなのかも。

次回作も楽しみ。

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