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[日記](読書) 鮨屋の人間力(中澤圭二) [日記]


続いて、珍しく"新書"。中澤圭二・「鮨屋の人間力」の感想と記録。

江戸前鮨が好きな人には、憧れの東京・四谷のすし匠。
その元主人(現ハワイ店)の吉澤さんの本です。

勿論、私も江戸前鮨が大好物。10数年前に都内某有名店で江戸前鮨を食し
「海鮮=寿司」という固定観念が打ち砕かれて以来、
日本(会席)料理と共に足繫く、お気に入りのお店に通うほどに。

中澤さんは現在の鮨バブルと言われるほど成長し、ガイドブックでも
三ツ星店が数多く輩出される高級・江戸前鮨を作った人物。
今や「海鮮」中心だった地方にも"江戸前"が浸透しております。

本書では江戸前鮨って何?
鮨職人に求められるものって何?
修行の意味って何?
面白おかしく、自身の経験をもとに解説しております。

勿論、本書は鮨について語っているのですが、
「マニュアルでは人間は育たない」
「強い人間になるために理不尽を経験する」など社会人にも通じる内容もありますし
ガイドブック(の評価)について、お客とお店の関係の意見等の意見は
大変面白い。

私も若い時分は、女の子と有名店にいっていることに浸っていたこともあるので
あんまり強くは言える立場でもないのですが、
美味しいお店にいったら、「ちゃんと食べてほしい」とは思いますねぇ。
ガイドブックやネットのレビューは、あくまで「意見の一つ」として考えてほしいし
利用方法によっても評価結果は違うだろうし。写真投稿ってそんなに大事ですかねぇ。

違う本になりますが、早川光さんの「新時代の江戸前鮨がわかる本」も面白く
その中で、10年後の鮨屋を決めるのは、「お客」とおっしゃっていて
その通りだなぁ、と思います。

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[日記](読書) 亡国のハントレス(ケイト・クイン) [日記]

続いて、ケイト・クインの「亡国のハントレス」の感想と記録。

物語の軸は
第2次世界大戦直後のアメリカ(ボストン)
第2次世界大戦直後のイギリス
第2次世界大戦中のロシア

ボストンでは、父・娘の家族の話で、父はアンティークショップを営み
近くに移り住んできたポーランド系の母・娘といい関係に。
イギリスでは、ナチス狩りを務める元従軍記者とその相棒が"女狩人"と
呼ばれる殺人者(ナチス将校の愛人とされる)を追う。
そこへ"女狩人(ハントレス)"の情報を提供するという女性(ニーナ)が現れる。

一方、第2次世界大戦中の物語では、ニーナの半生が語られていく。
ニーナは極寒のルサルカ湖での貧困生活を変える為、
憧れるパイロットになるため、航空学校に入校後、入隊する。

700ページに及ぶ物語のなかで、「女狩人(ハントレス)」が占める割合は
非常に少ない。てっきり、「ハントレス」がどんなにすごい人物なのか、を
期待して読み進めていくと、全然、登場しないので「???」となる。

というか、あからさまにボストンで登場する母娘が「ハントレス」であることが
明確なので、ハントレスって誰?とかの「謎とき」も皆無。

私としては、ほぼ「面白くない」といって過言ではない作品だったが
第2次世界大戦とか、ナチスとか、そういう作品が大好きな方には
高評価なのかもしれない。
単にミステリー好きな人向けの作品ではなかった。

ボストンの親子、イギリスのナチス狩りの面々、ニーナ、そしてハントレス
どのキャラも中途半端な魅力でしかなく、
各章(ボストン、イギリス、ロシア(ソ連))の話も、ただただ冗長で、
もっとシンプルに、何かに焦点を当てていれば、凄い面白い作品だった気がするが
単に私の読解力、興味の低さにより、この作品の面白さを理解できなかったのだろう。

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