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[日記](読書) アルファベットハウス(ユッシ・エーズラ・オールスン) [日記]


特捜部Qでおなじみ、ユッシ・エーズラ・オールスンの「アルファベット・ハウス」を
読んだので記録。

設定は第二次世界大戦のイギリス空軍の二人のパイロットの話。
連合国(米)の要請を受け、ドイツ基地を秘密裏に撮影する任務の遂行中に
撃墜され身を隠して逃亡するさなか、
アルファベット・ハウスと言われる精神科病棟に収監されてしまうお話。

作品は2部構成になっており、第1部ではドイツから逃亡まで
第2部では逃亡後、約30年後(ミュンヘンオリンピック)のお話。

細かいところはフィクションだろうし、こういう人体実験が本当にあったのか
とかは信じることは出来ないけども(あるにはあったんだろうは思うけど)

この作品の面白いところはそういう、ナチス=ひどい、ということを
高らかにうたった作品ではなく、あくまで、この二人のパイロットの友情と
愛憎が中心というところ。とくにラストの展開は、読者を裏切ると思うし
私の想像を超えていた。てっきり、「友情」なので二人の関係がもっと・・と
思っていたのだが、単純にそうはいかず、良く言えばびっくり、
悪く言えば、すっきりしないモヤモヤ感が残ってしまう。

でも、特捜部Qシリーズの少しズレた面白さを読んでいたので
この作家らしいと思う。

ただ第1部の展開というか、内容が重苦しいのでここを乗り切るのが大変。
もう少し息抜き的な展開もあってよかったと思うし、
もっとスピーディに、短い感じで語ってくれてもよかったのだが、
この重苦しさが、第2部の展開の重要な要素なので、削れなかったのだろう。

なかなか面白い作品ではあった。

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