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[日記](読書) 戦場のアリス(ケイト・クイン) [日記]


リーチャイルドのネバー・ゴー・バックのあと、CSでブラッドピット主演の
スパイ映画「マリアンヌ」をみて、スパイものが読みたくなり
ケイトクイン作の「戦場のアリス」の読んだ。のでその記録。

「〇〇のアリス」、「戦場の〇〇」というタイトルはよく目にする。
原作タイトルは、「The Alice Network」なので邦題にひねりがないのだが。

まぁそれは置いといて、作品自体は凄く評価がたかく、私自身のハードルも高めも
スパイもの以外の情報は入れずに読み始めた。

この小説は終戦間もないイギリスからスタート。
老いた、そして荒んだ女性・イブと、若くて計算が得意で妊娠中のシャーリー、
そしてイブの家政夫&運転手のフィン。
シャーリーの兄は帰還兵だったが、戦争の後遺症(精神的な)で自殺。
仲の良かった従妹のローズは戦争後、消息不明。
シャーリーは兄を助けることが出来なかったことに心を痛め、代わりにローズの
消息を何とか探り出そうとする。そんな中、かつてイブがローズとわずかな接点が
あることが分かり、妊娠中絶の強要されたスイスまでの旅の途中、逃亡を決意。

アリスというのは、シャーリーがかつて所属(働いて)していたスパイ網、
つまり「Alice Network」のリーダー・アリスのこと。

アリス自身、物語には登場するものの、主な主人公は前述の3人で
イブの回顧で語られる程度。

話の中心はイブのスパイ活動の回顧と、シャーリーとローズの物語。
時代背景(第一次世界大戦)、内容(スパイ活動、虐殺)ともの
大変重いものなのだが、読み終えた直後は、なぜかすがすがしい気分になる。

実はこの作品で登場する「アリス」は史実に基づいている実在した人物らしい。
というか、作者自身、このアリスに焦点をあてたかったらしく、
この作品はアリスの物語と言っても過言ではない。

でも架空の登場人物である、イブ、シャーリーの設定や関係性が素晴らしく
小説としてよく出来ていた。

戦争もので単に切ない、おどろおどろしい作品はよくあると思うけど
こういった後読感を与えてくれるノンフィクションであり、フィクションものは
案外珍しいのではないだろうか。

原作者のケイト・クインには、今後も注目ですね。
これ以上の作品を生み出せるのだろうか。








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