[日記](読書) 血の葬送曲(ベン・クリード) [日記]
ベン・クリードのデビュー作、「血の葬送曲」の感想と記録。
ベン・クリードという作家は、
クリス・リッカビー、バーニー・トンプソンの共著のペンネームらしい。
舞台は1951年スターリン政権下のレニングラード(現・サンクトペテルブルク)。
人民警察警部補のロッセルは、同僚たちとともに、サンクトペテルブルク東方の
ラドガ湖に5人の変死体調査のため出向く。線路に無残な状態で並べられた死体。
ロッセルは死体を調べると、その身元が自身に近しいものであることに気づく。
ロッセルは過去、サンクトペテルブルクの音楽院エリートであったが
自身の言動により父・母は収容所送り、妹は行方不明
自身も国家保安省の拷問を受けた過去を持ち、そのことからヴァイオリンを諦め
人民警察に籍を置いている。
徐々に事件は音楽関係者の過去の出来事に絡んだものと判明するが、ロッセルや
同僚は国家保安省に身柄を拘束され、自身も窮地に立たされていく。
読んでみた感想として、ストーリーやキャラがよくできているか・・・といえば
ちょっと違う気がする。線路に横たわった死体(とその理由、設定)とか
あきらかに「奇をてらっていて」、いかにもデビュー作の、変化球という感じがする。
そこまでしますか?って感じ。各章の名前も音階になっているところか、
対して意味ないと思うし。
ただ、1950年代のレニングラード(現・サンクトペテルブルク)を題材にした
小説は珍しいと思うし、地理や歴史(的な建造物)を確認しながら読むのは
内容とは違うところで大変面白かった。
次回作を読むか・・・は、微妙なところ。
ロッセル、因縁深い国家保安省のニキーチンの活躍や関係性、過去も気になるけども。
いやそれよりもサンクトペテルブルクの地理、建築物とかかな、興味があるのは。
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