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[日記](読書) 死者の雨(ベルナール・ミニエ) [日記]


トゥールーズ署の警部・マルタン・セルヴァズシリーズの第2弾、
フランスミステリー作家・ベルナール・ミニエの「死者の雨」の感想と記録。
フランス語タイトルの意味は、「サークル」。

第1作目では、ピレネー山脈にある水力発電で起こった事件をきっかけに
一見すると関係性の無いような人物たちが次々に事件に巻き込まれていく。
さらに同地域にあった精神医療研究所にて治療中の連続殺人犯も
物語に深く関係していく。

第2作目でも、フランス南西部が舞台。
セルヴァズにゆかりのある学園都市マルサックでおこった怪事件の容疑者が
かつての恋人の息子であったことで、セルヴァズが半ば強引に捜査を引き受ける。

ここでも第1作目で登場し、逃亡した連続殺人犯ハルトマンの陰がちらつき
この第2作目でもセルヴァズ視点での捜査内容と、もうひと視点では
逃亡中のハルトマンがセルヴァズを監視する内容が交錯していく。

ぶっちゃけ、面白いといえば面白いんだけど
第1作目同様、ありふれたミステリーといえばそれまでかな、と思う。

ピレネー山脈という地域が珍しいので、そのあたりの地理をネットで検索して
楽しんではいるものの、あまりにも小さな地域ということと
たいして地理が魅力的に語られていないので、あまり意味があるものでもない。

ウィリアム・K・クルーガーの作品のように
自然が魅力的に語られていれば、ネットで写真を見ながら楽しめるのだが、残念。
恐らく国外や、少なくとも私のような極東に住む人間向けではないので
そのあたりはただの「期待」でしかないのですけども。

個人的には魅力的になりそうなキャラたちがいるものの活かしきれてない
気がするし、ラテン語だったり、クラシック音楽だったりも
本作の魅力に果たしてなっているのか?、と疑問なんですよね・・。
捜査方法や謎解き要素にも疑問があるし、北欧ミステリーがあれば十分かな・・。

最初に見つかった変死体の被害者について、少なくとも
過去の話題となった事件の生存者かつ、重要人物であることを
誰一人として気づかないというは解せないし
挙句、物語の暗いクライマックスのあたりで、セルヴァズ警部が
「明らかに過去の事件とつながりが示されている!」みたいな感じなのは
あきらかに変ですよね・・・(と思うのは私だけだろうか)

しかも最初のほうでセルヴァズが見つけた証拠から、
同事件(事故)の関係者もわかるだろうし、そうすると自ずと・・・。

最期も最愛の娘を、さらに危険があることも承知で
スペインに休暇(逃亡)するセルヴァズの行動も意味不明というか・・・。

第2作目もやはり、もう一歩何か欲しかったなぁ、と思います。
第3作目は・・・どうしようか、迷うところですね。
面白くないわけではないけども。


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