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[日記](読書) 壊れた世界で彼は(フィン・ベル) [日記]


ニュージーランド発のミステリー、「壊れた世界で彼は」(フィン・ベル)の
感想と記録。いままで、オーストラリアを舞台としたミステリーは読んだことあるけど
ニュージーランドを舞台した作品は読んだことなかったので、
自然現象(気象)や民族の話が少しでてくるのでそれだけでも面白かった。

物語はニュージーランドの南島・ローレンス外れの小さな町での人質事件が発端。
刑事ニックと相棒(先輩)トーブも呼ばれ、事件現場赴き
ギャング5人が4人家族を人質に取っていることを知った直後、犯人が発砲し、
立てこもった家で爆発が起き、家族四人中、母、娘二人はけがを負うものの
ギャングたちは5名は死亡、父はもう一人いたと推測されるギャングとともに
行方不明となってしまった。
ニックとトーブは、事件の真相と行方不明の家族の父親を捜すべく捜査にあたる。

舞台がニュージーランドの3月頃(復活祭)なんだけども
南半球なので、南島(の南部)はドンドン寒くなっていく。

この作品は、事件を追うニック、トーブを中心とした章と
行方不明となっている父・ギャングを中心とした章、
そして、ニュージーランドの気象(嵐)を情緒的にかたる章の主に3つで構成している

死んだギャングは大物組織の錚々たる面々。
拉致された家族(父親は行方不明)にもギャングとつながるような前科もなく
元々富裕層のアジア人で、息子の病気を治療するため文字通り全財産を投げすて
息子を病魔から救ったものの、その直後に息子を事故で失っているという
悲劇の家族。

なぜギャングがこの家族を狙ったのか、
父親はどこにいるのか、
逃げた犯人は誰で、どこにいるのか(父親の行方と同じのはず)
そしてドンドン寒くなるニュージーランド
逃げたとされる場所では長く生き抜くことはできないと予想され
焦るニック、トーブ。

さらになぜか、捜査で名前があがった内部監査官がニックの目の前で自殺
死に間際の会話で、事件とかかわっている可能性があがるが
関連性がつかめないまま、どんどん時間だけが過ぎる。

みたいな感じで、物語が進んでいき、思わぬ展開で事件が解決、
物語も幕切れ。すごい凝縮された一冊だと思うし、面白かった。
なるほど、そういうオチになっていくんですね・・。

フィン・ベル、全く知らない作家さんですけど、
この作品のまえに「死んだレモン」という作品でデビューしているので
そちらも読んでみたい。

復活祭は信者をつくる(The Easter make believers)というタイトルはの意味が
ちょっとわからないのですが、日本語タイトルの
「壊れた世界で彼は」という「彼」とはニックなのか、家族の父親なのか。



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