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[日記](読書) 森から来た少年(ハーラン・コーベン) [日記]


スポーツエージェント・マイロンのシリーズが人気の作家、ハーラン・コーベン。
その新作、「森から来た少年(THE BOY FROM THE WOODS))の感想と記録。

面白かった。
流石、ハーラン・コーベン。現在の社会問題をうまくエンタメに落とし込んだな、と。

「システムには欠陥がある。それでもシステムはシステム」

人気討論番組を持つ初老の敏腕・女性弁護士、へスター。

富裕層の白人男性が浮浪者に暴行を加えた動画をもとに糾弾されている。
嘘かほんとか、前後関係、背景もわからないSNSの動画だけで、
罪が決まるのか、という問いかけからスタート。

続いて学校で行われているイジメ。悪びれず権利を主張するいじめっ子。
学校には子供を守るためにやとわれたガラの悪い警備員たち。
富裕層の友達の家で、贅沢なパーティをする子供たち。

ドラッグ依存には罪悪感がなく尿検査のタイミングに怒る大人。
自身の罪を隠すために嘘・噂を拡散し、逆に人気をとる政治家。

まさに皮肉だらけの内容だらけですが、作品そのものはハーラン・コーベンらしく
面白いエンタメ作品。皮肉はメインではなくて味付け。

タイトルは、登場人物の一人、ワイルドのこと身元不明の男性。
34年前、森で暮らしているところを見つかる。その後、へスターの元で、
へスターの実の子供たちと共に暮らし、軍隊や調査会社など経て
再び森で生活するようになっている。へスターの息子と親友となったワイルドだが
その息子は事故により死亡している。現在は、その一人息子マシュウの
父親・兄・友達という関係。

そのマシュウは、へスターにいじめられっ子の同級生を探してほしいという依頼をする。
へスターはワイルドにも調査協力を依頼し同級生を探し始める。
家出か、誘拐か・・・・。

この作品は、なるほど同級生を探す話ね・・ということにはならない
何が何だかわからない問題が次々と起こる。

そして最後に、この同級生の行方・・と言う事なんだけども
色々な要素があるので、一言では表現できない面白さがある。

ほんとに面白かった。
今はこういう世の中(システム)なんですよねぇ・・という感じですね。

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