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[日記](読書) サイン・印(アーナルデュル・インドリダソン) [日記]


アイスランド・レイキャビク発、エーレンデュル犯罪捜査官シリーズの最新刊
「サイン・印」の感想と記録。

前回はレイキャビクの移民問題に対する捜査だったかと思う。
エーレンデュルとその同僚たちの群像劇が魅力の本作品ではあるものの、
今回はほぼエーレンデュルのみ。

しかも、具体的な犯罪捜査ではなく、首をつってしまった女性の真相と
30数年前に失踪した若者たちの真相を
自身の過去(幼少のころ遭難し、弟を亡くす)、そのことも要因となった
結婚生活の終焉、元妻、子供たちとの関係性も絡みながら明かしていく。

今回はどこか怪しい感じ。霊媒師やら死後の世界やらがテーマ。
前述の通り、エーレンデュル自身も過去にいわくがあるので
そのあたりが、今回、正式な捜査ではなく単独で調査し始めたきっかけと思われる。
なので、同僚たちはほぼ登場しない。そこがちょっと今回残念。

父親の事故死以来、死後の世界にのめりこむ女性。
数年前、最愛の母が病死し、さらに死後の世界、蘇生についてのめり込み、
精神的にも不安定な状態が続いて、、ついにて湖にある自身のサマーハウスで
首を吊った状態で見つかってしまう。

夫や女性の友達の証言、過去の父親の事故死との因果関係を調べると
どこか違和感を感じるエーレンデュル。

と同時に過去の未解決の失踪事件に関して、関係者(失踪した少年の親)が
病気を患い死が近づいていく。

エーレンデュルはいつものように、淡々とわずかな糸を手繰り寄せるように
徐々に真相を突き止めていく。そこに敏腕だったり、強引だったりすることはない。
ただただ新たな事実から、次の事実に向かっていくような感じ。

今回の小説そのものが面白い、ということよりも
エーレンデュルの子供たちとの「和解」が一番、嬉しかった気がする。

この作品を読むと、いつもレイキャビクに行ってみたいなぁ、と思う。
とんでもなく遠いのですが。

この作品も日本では新刊だけど、2007年に発表されているので
そろそろペースを上げて頂きたいと思いますねぇ、翻訳の。

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