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[日記](読書) 東京會舘とわたし(辻村深月) [日記]

少し(一瞬だけ)ミステリーから離れてみた。辻村深月の「東京會舘とわたし」。
辻村氏と言えば今を時めく作家さん。東京會舘自体、東京在住のくせによく知らな
かったし、この作家さんもさほど詳しくは無かったので、どちらも「初」。

ストーリーは東京會舘の新館・旧館、そして第2回目の建て替えまで
様々なエピソード、會舘の職員、レストラン、お客、ボーイさんたちの
時代時代の「小話」で構成されている。

凄くいい話ばかりだど、正直、お腹いっぱいになりそうなのだが
どこにでもありそうな、少しだけいい話、というのがミソなんだろうか、
上下巻ともにサクっと読むことが出来た。

なによりも東京會舘を利用したい。レストランに行きたい、ガトーを買いたい。
凄いグルメブックだな、と違うところで感心した。
まじめ?にレストラン、予約しよう。
辻村深月さんに騙された(うまくはめられた)感はあるのだが・・・。

いくつかのエピソードのなかで、「東日本の震災」をテーマにした物語があった。
当時、自分自身、東京駅周辺にオフィスがあったので
発生直後から、帰宅難民になるまでというか、自宅に帰りつくまでの騒動や
余震の大きさ、数、底知れぬ不安が鮮明によみがえってきた。
この小説にもあったが、徐々にただ事ではない地震だと理解し、さらに
とんでもなく揺れている東京が震源(東京直下型)ではなく
東北を中心とした地震であることを知った時の恐怖は、今考えても恐ろしい。
私は運よくオフィスで一夜を過ごすことが出来たが
多くの人は駅周辺に雑魚寝だったと思うし、大変だったと思う。

小説とは直接関係ないとは思うが、なんかそういう細かいエピソードを
東京會舘を中心に語られていて、なかなか、面白い作品だったな、と。
多くのレビューでも語られているが、どこまでが実話で、どこまでが
フィクションなのか、分からないくらい現実(実話)っぽいストーリー。
一つの建築物、しかも「ただの」商業施設なのに、ここまでドラマチックな
物語が書けるんですねぇ。
とはいうものの、前述の通り「いい話すぎない」のがミソだと思うし
話の種類もバラエティに富んていて飽きさせない。

辻村深月さんが人気なので、試しに読んでみたのだが
確かに人気作家さん、という感じですね。読みやすく、面白い。
他の作品も読んでみたくなった。


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