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[日記](読書) 沼の王の娘 (カレン・ディオンヌ) [日記]

久しぶり?の北欧ミステリ以外の作品。「沼の王の娘」。

スペリオル湖をのぞむで田舎で起こった誘拐(監禁)事件とその犯人との間に生まれた
子供のお話。ネットなどの作品紹介は「究極の頭脳(心理)戦」「サバイバルゲーム」
などの紹介が躍っているが、読んだ印象としてはそういう物語ではない気がする。

ストーリーとしては、誘拐・監禁された少女と犯人の間に生まれた少女が成長し、
既につかまっていた犯人(父親)の脱獄により、その父親を再び捕まえる?という
内容なので、あながち「心理戦」や「サバイバル」というは間違っていないのだが

むしろ、この子供が誘拐・監禁の間、父親や母親から受けた愛情そして虐待。
そして大自然で学んだこと、父親から学んだこと、父親の偉大さ
監禁から逃げ出すことが出来た後の生活、周りの反応、自身の成長と変化、結婚。
父親の脱獄により、改めて沼地での生活や母親の言動を振り返ることにより
自身が置かれている状況や父親の罪を改めて再考する。

沼の生活しか知らなかった子供時代
父親の絶対的な支配と父親(が持っていた知識と経験)への憧れ
父親を裏切り逃走したきっかけ
母親に対する感情と成長して分かった誤解
そして現在の状況と家族への愛、父親への複雑な感情

脱獄した父親を追い詰める(或いは父親から追い詰められた)ことは
この小説の中においては、二の次の様な気がする。

なので、「究極の心理戦」とか期待して読むと大きく肩透かしを食らうと思うし
個人的には世間からの評価のわりに、さほど・・・という気もした。

面白くないわけでもないのだが、扱っている事件が事件なので
両手を広げて「面白い!」とは言えない作品というのが、一番妥当かもしれない。

個人的にスペリオル湖といえば、ウィリアム・K・クルーガーのコーク保安官
シリーズの方が面白いし好きかな。自然の描写も、家族の愛情だったりも、
ウィリアムの方がよく表現できていると思う。



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