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[日記](読書) WIN(ハーラン・コーベン) [日記]


ハーラン・コーベンの非シリーズ、「WIN(ウィン)」の感想と記録。

非シリーズといっても、人気のマイロン・ボライターシリーズの主役級の人物、
ウィンザー・ホーン・ロックウッド3世、通称ウィンが主人公。

マイロンが直接的に登場することはないが、相棒でもあるウィンは
事あるごとに、自身とマイロンを比較し、マイロンの優れた点、突飛な点を語る。
マイロン以外では、マイロンと別れた元妻(作家で凄い美女)も登場する。
マイロンシリーズを読んでいる人にはタマラナイ。

ウィンは、特権階級に生まれ育ち、フィラデルフィアに豪邸(実家)、
マンハッタンの高級アパートを所有する、超大金持ち。しかも、白人で容姿もなかなか。
本人曰く「ホット」。

感情で揺さぶられることはほぼ無く、理路整然として、特権階級であること
容姿が良いことを十二分に生かした言動をする。
マイロンが人情的に、感情的に、直感的に行動するタイプとは真逆なタイプ。
真逆であるが故、そしてバットマンシリーズなどのオタク具合がゆえに
両者は親友関係を維持できている。

ウィン曰く、マイロンとの関係(貸し借りは平等ではなくて)
ウィンが多く手助けしているのは、必然の関係性とのこと。

冷淡であり、暴力的(訓練により鍛えている)なウィンが本書では
自身に降りかかった「殺人疑惑」を、かつて自身が所属したFBIの師匠からの
依頼もあり捜査する。

この本の魅力は、ウィンそのものなので、ウィンの過去を知っておいた方が良いのだが
単純に内容としても面白い。

1970年代におこった学生活動家の6名が起こした事件(未解決)で
後に出頭した1名から、すでに亡くなったとされていた主犯格が
マンハッタンの高級アパート(最上階)で死体として見つかる。

その部屋にはあらゆるものが「貯蔵」され、そのなかに
ウィン家が貸し出していたフェルメールの作品と、ウィン自身が祖母から一族の証として
プレゼントされたスーツケース(イニシャル入り)が発見される。

そのことでウィン自身と、テロ(主犯格)のつながりも懸念されるなか
ウィンは従妹であるパトリシア、その父親で叔父のオルドリッチの過去の事件との関連性を
懸念する。なぜならば、ウィンはスーツケースを事件当時、すでにパトリシアのものであり
彼女にはそのスーツケースに関係する悲しい事件の被害者でもあった。

テロ主犯格にそれぞれ別の事件で部屋に盗まれた絵画、そして従妹家族の事件が
絡むことで、ウィンの捜査は一見まとまりのないものになっていくが
最後にはキチンと、折り合いがつき、ウィンの独特の価値観で完結する。

この作品のもう一人の主人公は、ウィンの娘「イマ」。
ウィン同様、冷徹?な頭脳を持ち、ウィンとは別視点で事件を解決に導く。

何はともあれ、ハーラン・コーベン作品は面白いし、どんどん翻訳してほしいのだが。
マイロンはすでに引退しているし・・。



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