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[日記](読書) MOMENT (本多孝好) [日記]


本多孝好の三部作、「MOMENT」、「WILL」、「MEMORY」を再び読み始めた。
今回は、1作目、「MOMENT」の感想と記録。

本多孝好、好きな作家です。何度も読んで何を読んでいないのか忘れています。
デビュー作「MISSING」、「真夜中の5分前」などなど、何気に結構(ほぼ全て)
読んでいると思うし、このシリーズも何度も読んでいるんだけど、いつ読んだのか
忘れてしまったので改めてちゃんと読んで記録する。

タイトルのセンスも好きだし、勿論内容も好き。
こういうサクっとした、ほっこりな感じだけど残酷な現実みたいな群像劇が好き。

MOMENTの主人公も、名門大学生でサクっと頭が良く
シャレで応募した留学のコンペ(試験)をクリアするという何とも羨ましいが
彼女もいなければ、授業料を払うお金もなく、病院の掃除のバイト。
でも、卑下しているわけでもなく、淡々とバイトに励む。
なんかありそうで、なさそう、でないでしょ!?っていう設定。

これはシリーズものなので、今回はこの掃除バイトの神田が主人公で
末期の患者の最後のお願いを安いバイト代で叶えるという内容。
2作品目の主人公、森野(葬儀屋を継いだ女性)も出てくる。
涙、涙の感動(依頼)ではなく、少し皮肉な内容たちで、あっさりしている。

病院で知り合う患者さんも結構、普通に死んでいくし
バイト・神田に依頼する患者さんも、当然のように死ぬ(と思われる)。でも、
最期を看取るような語りはなく、「死んだ」或いは「その後は知らない」みたいな。

依頼内容の結末も、「そこ?」って感じで少し笑う感じだったりもするし
残された側の怒り(もどかしさ)だけが残る感じだったりするし
その後に余韻として悲しみが残ったりするのが、いかにも本多孝好作品と思う。

この人の作品は、大ヒットはしないだろうけど根強い私の様なファンが
多数といると思われるし、正直、「大ヒット」なんてしないでほしい作家。

個人的には、「(Firefly)蛍」が好きかな。
九州の田舎から東京に出てきて独りで頑張って生きてきて
最期(30才)に何を残せたのか、幸せだったのか、と自問する内容。
少し時代を感じるけど留守電のメッセージが、心に響く。
暑い夏には思い出して、という上田さんのメッセージ、神田は思い出すのかなぁ。

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