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[日記](読書) 地中の記憶(ローリー・ロイ) [日記]


アメリカの作家、ローリー・ロイの作品で、
アメリカ探偵作家クラブ賞優秀長編賞を受賞している「地中の記憶」を
読んだので、その記録と感想。原題タイトルは「Let me Die In His Footsteps」。

読んだ結論としては、原題タイトルの方がしっくりくる。
わざわざ、訳の分からない邦題を付けるくらいならば、そのまま直訳した
「彼の足元で死なせて」という贖罪めいたタイトルの方が良かったと思う。

また読んだ結論を率直に言うと、「面白くない」。
久しぶりに面白くないハヤカワ・ポケット・ミステリ。
つか、ミステリじゃないと思う、これは。(ミステリが何たるかは語れないが)
最後の方は、ほとんど流し読み。結局なんなん!?っていう感じ。

ストーリーは、1950年代初頭のアメリカ(ケンタッキー?)と
1930年代中頃の同地区(というか、同家族というか)のお話。

古き良きアメリカでは15歳半になると井戸を覗いて将来の旦那を想像する儀式が
あるらしい。1950年代の娘(15歳半)・アーニーもそんな感じで儀式の日に
因縁のある家族・ベイン家の井戸に覗きに、1歳下の妹と赴く・・と死体を見つける。
因みにこのアーニーには霊感があるようで、それは母親である「叔母ジュナ」を
受け継いでいるとのこと。この時点で、「なぜベインと因縁?」
「なぜ叔母が母?」という、突然訳の分からない話だし、「霊感?」とか
日本語訳が悪すぎるのか、そもそもこんな作品なのか、最後まで分からなかった。

1950年・アーニーを中心とした章と、1930年代のジュナ(アーニーの叔母であり母)と
そして、ジュナの姉・サラ(のちのアーニーの母)を中心とした章で構成されているが
突然、登場人物が増えたり、それがまた、1950年代にも1930年代にも登場するので
人物相関が掴みづらい。

そして何よりこの作品が面白くないのは、どうでもいい女子(儀式)トークや霊感トークが
入り乱れ、主題となる話が見えてこない。そして各キャラに全く持って感情移入できない。

確かに冒頭、死体は見つかったけど、とくに怪奇殺人とか、イワクめいたものはないし
1930年代の叔母の話も、変わった女の子(霊感)がめんどくさいというか、
途中、弟が失踪するのだが、見つかるまでの話が長い。
結果、知らない男にシャツが盗まれたとか、ジュナが怪しいとか、どこどこの・・とか
本当にどうでもいい話が続き、結果、どうでもいい人が犯人扱いされたり
どうでもいい人が犯人だったり、やっぱりジュナ(1950年代の)と思しき人物は
お前かい、という感じだった。

どこかで面白くなるのか!?とか、思わず読み返したりするの!?とか
「探偵クラブ」の賞を受賞したんだよね?とか期待も持っていたのだが
最後までそのようなことは無かった。
久しぶりに全く面白くなかった作品で
ドン・デリーロの「アンダーワールド」くらい全く共感できなかった。

1930年代のアメリカの文化だったり、農家の暮らしだったり、コミュニティの
話を中心としているのでアメリカ人読むと共感できるのかな・・・


いやぁ、ないわー。
そもそも「探偵」でも「ミステリ」でもない。
あとがきの方は「絶賛」されていたけどね。

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