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[日記](読書) スケアクロウ(マイクル・コナリー) [日記]


マイクル・コナリーのハリーボッシュシリーズ外の作品、
「スケアクロウ」を読んだので記録・感想。

ボッシュシリーズではないが、ジャック・マカヴォイ(記者)が主役となる第2作目。
スケアクロウとは「案山子」。悪いもの(害獣)をひきつけ役という意味。

前作は、マカヴォイの兄の自殺から、連続殺人犯、「ポエット(詩人)」を
FBI捜査官・レイチェルと共に捜査する。

今回はその事件から約10年経過し、LAタイムズにキャリアアップ後、キャリア上、
特に目立った活躍が無かったマカヴォイが、再び連続殺人犯(とレイチェル)に
出会うというストーリー。

章構成はマカヴォイのパートと、セキュリティ会社の「ファーム」と呼ばれる
セクションに分かれている。

セキュリティ会社である立場を利用し、女性を殺害していく犯人。
体よく利用される共犯者、同僚、そして冤罪者たち。

途中まではイイ感じで進んでいくのだが、後半は、犯人は既に分かっているし、
犯行手法(ストーリーの肝)も、発刊当時は恐らくネットセキュリティや、監視社会を
モチーフにした作品は目新しくみえたのかもしれないけど、
この時代に読むとちょっと古臭いし、犯人自身にも魅力を感じず、尻つぼみ。

ちなみにハリーボッシュは「影」のようなものはでてくるが
本作には登場しない(レイチェルの元恋人ということはにおわせてはいる)。

今回もレイチェルが暗躍・・・じゃなくて活躍する。
レイチェルってそんなに魅力的なんですかね・・・(ハリー、マカヴォイよ・・)
自身の行動でFBIを追われ、この事件の捜査中に復職がきまると、
マカヴォイをソッコーでいい感じに置いてけぼりにするし
そもそもボッシュとの関係も微妙だし、FBI捜査官としても汎用というか・・・。
自己中心的なわりに、撃たれ、ボコボコにされ決して有能なようには見えない。

マカヴォイ自身、元々記者出身のコナリー自身を重ね合わせやすいと思うのだが
ボッシュシリーズにでてくるときも微妙と言う事もアリ、魅力に欠ける気がする。
ボッシュシリーズでは、至って普通の、面倒くさいただの記者。

あえてそういう人物像にしているのか、どうかは作家にしか分からないけど。
結局、スケアクロウという作品が、この二人の物語ということで
少し物足りないの、かもしれない。

衝動的な言動が多いし、行き当たりばったりで、ラッキー(ひらめき)で
事件解決。前回もそんな気がする。
そうか、だから、LAタイムズを「クビ」になった(なる)のか・・・。

マイクル・コナリー作品の魅力として、
ロスを舞台に、刑事、FBI捜査官、記者、弁護士が各々に活躍することが
大きなポイントだと思うけど、今のところ、「弁護士」が一番かな。


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