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[日記](読書) ブラックサマーの殺人(M・W・クレイヴン) [日記]


M・W・クレイヴンのポー・シリーズの第2作目、「ブラックサマーの殺人」の
感想と記録。第3作目、「キュレーターの殺人」を先に読んでしまったので、
ネタバレ覚悟・・と思っていたけど、フリン警部の妊娠以外は・・なので
さして問題は無かったかな、。あとはポーの隣人くらい。

今回もポーたち国家犯罪対策庁(NCA)の重大犯罪分析課(SCAS)の面々が活躍。
天才でありエキセントリックな若き女性分析官ティリー・ブラッドショー。
元部下で現在はポーの上司でLGBT、そして言葉遣いが荒いフリン警部。
舞台も英国カンブリア州。

第2作目とあって、なかなか凝った、気合の入った感じなのだが
結局のところ、少し残念なような気がする。3作目読んでも「惜しい」という印象。

ポーがカンブリア州警察時代、最後に担当した殺人事件が蒸し返される。
なぜなら、その6年後(現在)、その殺されたはずの人間(犯人の娘)が生きてた。
血液検査(NDA)からも、犯人の娘であることが確認されたことから
カンブリア州警察は当時の捜査に決定的なミスがあったと判断する。

犯人(父親)はガイドブックの三ツ星、さらには人気料理番組ももつ
英国きっての人気シェフ。

物語冒頭は、時系列をいじってたり、意味深な章があったり、いかにもっぽい。
これでもか、私こんなこともできます!みたいな、大風呂敷を広げる序章か・・。

生きて発見された娘の動画を観て、ポーも娘であることを確信する。
当時の事件では、死体は見つからず状況証拠から、ポー、陪審も父親のシェフを
犯人と断定したのだが、娘が生きていたため、即釈放の処置がとられる。
最悪、ポー自身の逮捕される事態。実際、冒頭、ポーは逮捕される(場面)。

なので、なんで娘が生きていたのか?
捜査のどこに問題があったのか?

ティリーやポーの分析や捜査から、娘は確かに死んでいると思われるが
なぜ、「生きていた娘」の血液から、死んだ娘のNDAが検出されたのか・・。

ファンタジーではないので、現実的なトリックがあるのだが

正直、「そんなことはないだろう」と思ってしまう。というか
血液(NDA)の交換トリックは可能かもしれないけど、

生きていた娘が再度行方不明になったり、「娘」をみて、
誰もが「かつての娘」であることを確認するほどの「別人」がいる?
しかも、まったくの血縁関係もなく。たまたま超そっくりな「別人」と
刑務所のなかにあった「写真」を見つける、とか。
更にその父親が、謎の超大物犯罪組織の会計士で・・・とか。

そんなことはない、だろう。

シェフはサイコパスが多いから、父親は犯人と確信!とかもあったり。

大風呂敷を広げ過ぎた挙句、超無理なプロットになってしまった感は否めない。

第3作目同様、ティリー、ポーというキャラが素晴らしいのに
肝心のストーリーがついていっていない、というか、素直に普通の事件を
ティリーとポー(とフリン)のコミカル、シリアスな分析ストーリーで十分なのに
なんかもったいない。

もったいない・・・なぁ。ほんとに。

でも、なぜか期待するシリーズだったり。
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