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[日記](読書) アノマリー・異常(エルヴェ・ル・テリエ) [日記]


フランスで100万部以上を売り上げたというエルヴェ・ル・テリエの
「アノマリー・異常」の感想と記録。

基本的に海外ミステリーが好きなので、早川書房から発売される新刊情報はチェック。
ただそれだけで、この作品に出合い読んではみたものの

第1部(物語は第3部まである)の最後まで、何が何だかわからず
ブレイク(偽名)という殺し屋の話なのか、
作家ミゼルの話しか、それとも彼が書いた作品・「異常」の話なのか、
それとも、第1部で続々と登場する弁護士、家族、パイロットたちの話か、
何が面白いのか良くわからない。

ハッキリ言うとまったく面白みを感じなかったが、第1部の最後で
研究者と政府関係者の話あたりで、「おおおぉ」って感じになる。

概要としては、

2021年6月(June)@米国にて、積乱雲に突っ込み、トラブル発生の旅客機が
緊急着陸を要請したところ、なぜか米国軍基地への着陸を指示される。
実はこの旅客機は、同年3月(March)に既に無事に着陸。搭乗者も帰宅済み。

では、この6月(June)の旅客機、搭乗者は何者(200名以上)?

政府関係者による秘密裡の調査の結果、パイロット、乗客全て同一人物であることが判明。
つまり搭乗者(と機体)は「3月」、「6月」の「重複(ダブル)」。

しかも事件はこれだけではなくフランス、中国などでも同様の事件が発生しており
地球上に「重複(ダブル)」が存在しているという。

ここまで読み進めると、「どんな落としどころ?」ってすごくワクワクする。
夢オチ?、やっぱり、作家ミゼルの「異常」に書かれた物語か?
ミステリーではなく、ハードSF作品だったのかー!?だったり。

・・が、この後の展開は謎解きよりも第1部に登場した数々の人物が
「ダブル」に出会うくだりと、その後の人生が割と丁寧に語られていくので
私としては、「あー、もう、面倒くさいなー」な感じ。ぶっちゃけ苦痛。

「ダブルと出会う」くだりは最初の数人だけでよかったのになー、なんて思った。
はやく「謎」を教えてよ!みたいな感じなんだけど、最終的にはSF作品ではなく
勿論、ミステリーでもなく、どちらかというと哲学、文学的な作品だったようで、
この「異常事態」の原因よりも、このような「異常事態」になったときに
人々がとってしまう行動、それによる「不幸」だったり「皮肉」を語っている
作品だった模様。

フランス文学というか、映画っぽく、オチが無いというか
シュールというか、皮肉というか、なんとも結末。
「謎」が知りたくて一気読みしたけど、読み終わった感想としては
消化不良だったりする。

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