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[日記](読書) 黒き荒野の果て(S.A.コビー) [日記]


米国、ヴァージニア州出身の犯罪小説、「黒き荒野の果て」の感想と記録。
意味深な邦題が付いているが、原題タイトル「BLACKTOP WSATELAND」。
ちょっと意味が分からない。黒塗装の荒れ地だろうか。

ヴァージニア州の田舎で自動車整備工場を営むアフリカ系アメリカ人のバグ。
自動車整備工場はライバル店の出現で火の車。
電気代や賃貸料を払えず、仲間内での自動車レースで食い扶持を稼いだり
ギリギリの生活。妻、子供たちとの生活、末期癌の母の医療費
そして別れた妻との間の娘(高校生)への学費など悩みは多い。

そんな中、かつての"仕事"仲間(競走馬強奪(失敗))から、自動車運転(と改造)の
技量の高いバグに宝石店強盗を持ち掛けられ、
バグは最後の"仕事"と誓い参加を決意し、決行するが。

犯罪小説でよくありふれた「どうしようもない」連中の、救いのない物語。
話としては面白いと思う。でも、実社会のおいて
"善人"が、仕方ないから強盗、仕方ないから人殺しを行い、どんどん追い込まれ
悪人だろうが、一般市民だろうが、なりふり構わず死ぬ物語を
「賞賛」することは、どうなんだろう、と思う。
しかも主人公は、残された家族に仕事の「成果」を手土産に消えようとする。
確かにこの主人公は、機転が利き、苦悩しているが
犯罪は犯罪だし、それを美化するような物語は好きじゃない。

・・・とはいうものの「パルプ・フィクション」とかは好きなんだけど・・・。

とういうか、これが米国の閉塞された田舎、特に南部のアフリカ系アメリカ人の
実態なんだろうか?
父親は犯罪に手を染め、母親もどうしようもなく、その子たちも
結局同じように犯罪に身を置いていく。

ただただ面白小説として「面白かったー」という感想は、なんだかいやだなぁ。


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