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[日記](読書) QUEEN-スカイマーシャル 兼清涼真(麻生幾) [日記]


日本の作家さん、麻生幾氏の最新作(と思う)「QUEEN」を読んだので感想と記録。
サブタイトルとして"スカイマーシャル 兼清涼真"とあり、表紙のキャビンイメージと
相まって、おのずと「航空エンタメ作品」と分かる。

最初に本屋さんで目にしたのが、8月。御巣鷹山に墜落した日航機123便について
毎年思い出す機会を設けているので、そんな感じで読んでみた。

勿論、全く異なるストーリーだし、読んでみて始めた知ったのは、
元日産会長・カルロス・ゴーン氏の事件について、それとなく触れていること。

キャリーケース(バッグ)に入って・・・自前の旅客機で中東に逃亡した、或いは
「逃亡できた」という事件ですね。
といっても、メインストーリーに絡むことは無いので、作者が触れたかったのでしょう。

麻生氏というと、「外事警察」が比較的有名という印象があって
結構硬派な感じかな、と。

なので、今回も「硬派」な「骨太」な航空エンタメ作品を期待したのだが
ちょっと肩透かし。面白いのは面白い。
ただ、設定が「凄腕」「敏腕」、「近接格闘」も「銃撃戦」もトップクラス。
さらに一匹オオカミのテロ対策(スカイマーシャル)。SATのスキル不足を
上司に嘆く。いわゆる「チート」ってやつです。

NY行のフライトでテロ事件(の可能性)があり、最後の任務として
容疑者を絞り込み、危険を削除するという任務に、上司とともにあたるが、

速攻、気に食わない上司は速攻撃たれて死ぬ。
容疑者を絞りこみ、危機を乗り切ろうとする、兼清だが
先手先手を打たれて、機内はパニック状態で、死体も増えていく。

当然、フライトはNYから進路を早々に羽田に戻すが、
犯人は見つからず・・・・・。

正直、チートキャラもそうだが、容疑者も自殺願望者や、謎の外国人やら
とってつけたようなキャラがでてきて(後々、理由も付け足されるが)
ただ単に読者を振り回しているだけで、チートなわりに兼清も振り回される。

あげく、最も怪しいだろう「バラクラバ帽」をかぶった男を見逃し
さらに「声」や「風貌」からもわかりそうなものの
都合よく犯人に追いつめられていく。

専門用語的なものもちりばめられ、機内座席図も準備してたりして
雰囲気は良いのだが、亡くなった妻とのエピソードや娘との和解も中途半端で
日本のミステリ作品ぽく、あっさり終わる。
※しかも、全然、ストーリーに絡まなかった怪しげな人物の銃弾1発で・・・・。

これで、1700円(ハードカバー)か・・・、コストパフォーマンスは悪い。
もう少し、複雑なプロットだったり、重厚な作品にだったら
もっと、ヒットしそうな感じなんですけどね。

一気読みできるけど、決して、超面白いわけでなく、ライトな感じ。

ちょっと残念。

面白いのは面白いのですが。


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