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[日記](読書) 猟犬(ヨルン・リーエル・ホルスト) [日記]

アメリカのネイチャー・ライティングを離れ、北欧ミステリーに戻る、、と
いっても、スウェーデンやデンマークではなくノルウェー発。

作家はオスロの南、"ラルヴィク"出身の元警察官、ヨルン・リーエル・ホルスト。
ノルウェー作品ということでは、「オスロ警察殺人捜査課特別班」が有名だし
ぶっちゃけそれしか知らないような。

本作はこのシリーズの第8作目にあたるようで、「ガラスの賞」など
数々の賞を受賞しているとのこと。

邦題は「猟犬」で原題も同じ意味の「JAKTHNDENE」。
冒頭、タイトルをにおわせる「犬(スハペンドゥス犬)」がでてくるが、
猟犬とは「捜査官」のことを意味しているようで、物語には直接絡まない。

ラルヴィク警察の警部(50代)、ヴィスティングは自ら捜査責任者を担った
17年前の拉致事件の捜査における証拠偽造の罪を告発され、停職処分に。
ヴィスティングの一人娘(30歳くらい?)は大手新聞に勤める報道記者で
その告発の影響で、異なる殺人事件を追うことになる。

ミステリー小説らしく、この17年前の拉致事件、そして証拠偽造、
新たな殺人事件、そしてもう一つ発生する少女失踪事件の真相が
見事に「一つの線」になっていく。

この作品が面白いのは、このヴィスティングは既に50歳になっており
物語において終始、淡々と捜査を進め、17年前に見過ごした、或いは
考えが及ばなかった事柄を詰めていくこと。

その代わり、報道記者の娘のほうは、積極的に動き回り
新たに発生した殺人事件を追っかけていく。

この対比は面白いし、最終的には勧善懲悪となっているところもよい。
爽やかなミスディレクションというか、いい人であってほしいひとは
「いいひと」だったし、その逆はその逆。

少しだけ残念なのは、この作品は既に第8作目で、
ヴィスティングのプライベートが良くわからないということ。
既に奥さんとは死別しているハズだし、同性している女性や
報道記者の娘さんなどのことが良くわからないし、もっと知りたい。

このシリーズは久しぶりに好きな作品ですねぇ。特にヴィスティングが。

アメリカミステリー、ハリー・ボッシュやV・Iとは全然違うし
北欧ミステリのヨーナ・リンナ、マルティン・ベックとも違う
いいキャラです。




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