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[日記](読書) 煙に消えた男(刑事マルティン・ベック) [日記]


続いて、マイ・シューヴァル、ペール・ヴァ―ルー共作の人気シリーズ、
刑事マルティン・ベックシリーズの第2作目「煙に消えた男」を読んだので
感想と記録。

第1作目「ロセアンナ」の記憶は既に霞んでいますが・・・・
第2作目の本書は、刑事マルティン・ベックが休暇初日に事件捜査、しかも
政府高官(の側近)から直々の指名で、ブダペストで失踪したジャーナリストを
捜索して欲しいとの依頼を受ける。夏休み初日に家族旅行から強引に
仕事に戻された割に、渋々という感じではあったものの、ブダペストにいく
マルティン・ベック。

ジャーナリストの簡単な経歴以外、ほぼ情報が無い状態で
ジャーナリストの契約出版社からは週刊誌の次号には、失踪したことを
誌面に載せるという。政府高官はハンガリーとの関係悪化を懸念し、
秘密裏にこのジャーナリストを探してほしい、ということ。

このマルティンベックシリーズは、1965年くらいから始まったシリーズとの
ことらしいので、ハンガリー(東側)とスウェーデン(西側)の関係が
前提となっているのだろうと思う。

マルティン・ベックはブダペストで、数少ない情報を基に
捜査を開始するが情報は得られず、目撃証言も曖昧でジャーナリストの
現地での行動がはっきりしない。挙句、捜査で出会った男たちに
襲われてしまう。

込み入った捜査で「失踪の謎」が最後まで良くわからないのですが
マルティン・ベックが執拗に目撃者からの情報やジャーナリストの友人たちの
容姿や服装を細かく描写することで、読者にはなるほど
そもそもジャーナリストはブダペストにいなかったのね、or
この失踪したジャーナリストはブダペストに複数いたのか?とか
何となく「謎」が見えてくる。

そして証拠品のパスポートの「証拠隠滅」については
最後にマルティン・ベックの同僚から、補足説明がはいるので
事件の真相が理解できる「仕組み」になっている。

物語冒頭では、失踪したジャーナリストは東側のスパイ?それとも
2重スパイとか、妄想していたのだが、
実はただの酒癖の悪いジャーナリストが、その酒癖の悪さから
友人から殺されたという、なんともな結末。

マルティン・ベックご指名の捜査でしたがお疲れ様でしたが
夏休み初日に呼び戻され、妻から「最低」の烙印を押されるくらいなら
ご指名を拒否すればよかったのに・・・と同情してしまいます。

改めてご苦労様です、刑事マルティン・ベック
次の作品でお会いしましょう。



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