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[日記](読書) ブルーバード、ブルーバード(アッティカ・ロック) [日記]


米国ロサンゼルス在住の作家であり、脚本家の小説、
「ブルーバード、ブルーバード」を読んだのでその感想と記録。

タイトルは、アメリカのブルースシンガー、ジョン・リー・フッカーの
「Blue Bird」の歌詞から引用したとのこと(@本書解説)
動画サイトで見つけ聞いてみましたが、シブい歌ですね。

小説のストーリーは、テキサス州ヒューストン近郊の殺人事件から始まり、
北東部のシェルビー群の田舎町の2つの殺人事件へと話の中心が移っていく。

主人公・ダレンはヒューストンで「テキサスレンジャー」として働く黒人レンジャー。
比較的裕福な家計で育つも父を亡くし、母はアルコール中毒で関係が悪く
叔父家族に育てられ、本来ならば弁護士となるところを、
とある事件(ジャスパーでおこったヘイトクライム)により、レンジャーを志す。

ヒューストンで起こった殺人事件は、家族で農場管理人・マック(黒人)が
白人殺害の罪に問われ、ダレンが証人として法廷に立つが、
マックをかばった言動が問われ、レンジャー停職となる。
その停職中、友人の依頼によりシェルビー群で起こった殺人事件を調査するのだが。

・・で、テキサス州、そして黒人(アフリカ系アメリカ人)の殺人、
それに絡む白人(団体)。ジャスパーのヘイトクライム。

つまりこの小説は、昨今もアメリカで起こっている差別を扱っている。
この小説で語られていることは勿論フィクションであるが
この小説は、英国、米国の賞を受賞していることから、一定の「真実」も
語られているのだろう。

基本的にモンゴロイド中心の島国に育った私には到底分からない感情や社会。
個人的には、真実を語りつつも、最終的に「愛なんだ」というところに
落ち着かせようとしているところや、最後の結局、「それなんかい!」的な
喧嘩両成敗的な、簡潔はモヤモヤしか残らないのだが、

それがこの問題の、今のアメリカの限界(別に悪く言うつもりもない)なんだろう
と思う。それぐらい、シビアで、根が深く、我々のような第3者が
気軽に触れてよい問題ではないのだろう、と思う。

直近で、2つの米国作品、それも「差別」を中心にした小説を偶然読んだ。
この問題は「アメリカ特有」という意識もどこかにあるが、
日本でも同じような問題は潜んでいるし、実際目を向けてないだけだと思う。

こういう作品が、生まれ、そして評価されているアメリカは
ポジティブにとらえれば素晴らしいことなんだともいえる。



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