[日記](読書) 渇きと偽り(ジェイン・ハーパー) [日記]
メルボルン在住のジャーナリスト、ジェイン・ハーパーのデビュー作、「渇きと偽り」を
読んだので記録・感想。ちなみにすでに続編もあるらしい。
デンマーク、スウェーデン、フランス、アイスランド、ドイツ、米国、スペインなど等
ミステリ作品を読んできて、今回はついにメルボルン(オーストラリア)。
各国の作品を読んでみると、各々の国が抱える問題とストーリーが絡み合って
歴史や文化も勉強できるので、なかなかミステリ作品を読むのもいいな、と今更思う。
差別、移民、宗教、戦争、暴力、そして麻薬。
日本ではあまり身の回りにないような問題が取り上げられていて違う世界。
(と言えるのはイイことなのかもしれないが、やはり日本は特殊なのかもしれない)
今回は、キエワラというオーストラリアの農村で起きた一家(無理)心中を、
その夫家族とかつて親しかったメルボルンの連邦警察官が、地元キエワラに戻り
捜査を開始する。
この作品の特徴は、この連邦警察官・フォークと死んだ友人・ルーク、
ルークの元恋人・グラッチェン、そして20年前に死んだ彼ら共通の友人・エリー。
ルークがなぜ死んだのか(家族を殺したのち)、なぜエリーの死因は自殺だったのか、
それともルーク、フォークが関係しているのか、が徐々に明らかになっていくこと。
オーストラリアの農村ということもあり、過去の事件に関係のある
そして村を捨てたフォークには容赦なく、非難が集中する。
そんな中で、少ない協力者と共に捜査を進め、見事?事件が解決する。
でも、この作品が面白いのは事件そのものよりも
フォークたちの過去の友人関係、そして思い出や見えてこなかった事実が徐々に
明らかになっていくことと、オーストラリアの干ばつ問題に心身ともにすり減っている
農民たちの苦悩が描かれている事だと思う。
エリーの死因については、やっぱりか・・という感じで
小説としてはまったく目新しいことは無いのだが、終わり方が独特な感じなので
後読感は悪くない(といっても人が死んでいるので、「ハッピー」ではない)
2作目があるようなので、そちらも読んでみようと思う。
オーストラリアも色々問題を抱えていますねぇ。
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